『群れなせ!シートン学園』座談会!【前編】 博史池畠監督&シリーズ構成・脚本 &青木隆夫プロデューサー│津田健次郎の宣伝隊長&毎話出演など奇抜なアイデアが生まれた経緯は?【連載Vol.05】
動物たちが通う私立シートン学園に入学した人間の♂・ジンとオオカミ少女・ランカの、様々な動物たちとの交流をコミカルに描いたTVアニメ『群れなせ!シートン学園』(山下文吾原作、漫画アプリ「サイコミ」にて連載中)。
アニメイトタイムズでは、キャストやスタッフによる連続座談会企画をお届けしてきましたが、今回で最終回!
最後にご登場いただくのは、本作の監督を務めた博史池畠さん、シリーズ構成と脚本を担当した村越 繁さん、アニメ制作を手掛けたStudio五組の青木隆夫さんです!
あまりに盛り上がり過ぎたため、前後編の2回に分けてお送りします。制作秘話の数々をお楽しみください!
原作を知っていた池畠監督は「アニメ化するなら自分が一番合っているかも」と確信
――まず本作がアニメ化に至った経緯を教えてください。
Studio五組 青木隆夫プロデューサー(以下、青木):Cygamesさんと色々なお仕事をしていく中で、アニメ事業部 事業部長の竹中信広さんからこの作品のアニメ化のご提案をいただきました。
我々にとってそのお話をいただいた時期が制作ラインの都合もよくて、また作品的にも面白そうで、楽しくて可愛い作品なので挑戦してみたいなと思いました。
――今回、池畠監督にオファーされた理由や決め手は?
青木:監督を誰にしようか考えた時、弊社の代表取締役の柴田知典と私の中で、すぐに池畠さんの顔が浮かびました。
柴田は、池畠さんとはStudio五組が立ち上がる前、ゴンゾの第5スタジオ時代からの付き合いがあり、立ち上げ後も色々な作品でお世話になっていたので、いつか監督としてお迎えしたいな、とずっと思っていました。
この『シートン学園』のお話をいただいた時、明るくて楽しい作品だったので池畠さんにお任せしたい!と、柴田と僕の意見が一致したのですぐに電話しました。
博史池畠監督(以下、池畠):スタジオに行く途中の路上で電話を取った記憶があります(笑)。お話をいただいた時、ちょうど1年ものの作品をやり始めた時期だったので、お受けするのは難しいかなと思いました。
でも作品のことを知っていて、アニメ化するなら自分が一番合っているだろうなと思ったので、お受けしました。
――そしてシリーズ構成&脚本を村越さんにお願いしようと思った理由は?
青木:竹中さんからの推薦でした。
シリーズ構成・脚本 村越 繁さん(以下、村越):そうですね。ご連絡も竹中さん経由でした。
池畠:僕は兵頭一歩さんと一緒にやることが多いんですけど、1年ものに加え、別の作品のシリーズ構成も抱えていたので、さすがに無理だなと。だから村越さんをご紹介いただいてありがたかったです。
村越:お話をいただき、ぜひ参加させてくださいとお返事しました。
動物好きな池畠監督に刺さった作品。青木プロデューサーはアニメ化の使命感に燃える!?
――原作を読まれた印象をお聞かせください。
青木:明るくて、楽しくて、ちょっとセクシーで、感動できて、ワクワクする作品だったので、映像化した時に皆さんにどれだけそこを伝えることができるかなと思いつつ、伝えられるようにしなくてはならないという使命感に燃えました。
池畠:僕は動物好きで、動物の生態をネタにした漫画もよく読んでいました。この作品は猫耳美少女とか動物の擬人化、学園モノなど、他の作品でも用いられている要素なのに、組み合わせた結果、斬新なものになっていて、「こんな漫画、どこにもないな。面白いな」と思いました。
村越:僕は動物に精通していなかったのですが、生態がうまくキャラにのっていて、すごく面白い話になっているなと。あとキャラの表情がコロコロ変わるところがすごく可愛くて、読んでいて楽しかったです。
――女の子キャラの可愛さ、男性キャラのリアルさなど絵も独特な魅力がある作品ですが、キャラクターデザインや作画監督はどのように決められたのでしょうか?
青木:今回、キャラクターデザインと総作画監督は別の方が担当されていますが、池畠監督から、キャラクターデザインは佐々木政勝さんでとご要望がありました。
池畠:キャラクターデザイナーで僕にとって信頼がおけるランキングの1、2位を争う人で、Studio五組だったら政勝さんに声がかけやすいだろうなと。
青木:我々も『咲-Saki-』でご一緒させていただいて、信頼がおける方なのはよくわかっていたので、我々も嬉しくて、すぐに連絡を取りました。そして作品を読んでいただいて、「面白いから、ぜひ」とご承諾いただきました。
池畠:でも『ぼくたちは勉強ができない』と重なっていたので、総作画監督はできないと。
青木:そこで『結城友奈は勇者である』のキャラクターデザインと総作画監督を担当していた、弊社所属の酒井孝裕なら佐々木さんのテイストでクオリティを保てると思って提案させていただきました。
池畠:『咲-Saki-』の頃から佐々木さんに鍛えられていて、なかば弟子みたいな感じだったので、僕にとっても信頼できる人です。
青木:『咲-Saki-』の現場では佐々木さんと酒井の席がとなり同士だったこともありました。酒井はそこで佐々木さんのお仕事を学ぶ機会があったので、今回の現場でもチームワークを組みやすい形になったと思います。
――あと音響や音楽のスタッフについてはいかがですか?
池畠:郷(文裕貴)さんは僕の要望です。昔、単発作品の演出をやった時にやりやすいなと思ってから、郷さんに音響監督をやっていただくことが多くなりました。
あと郷さんはオタク気質があり、作品が好きだったり、役者さんへの興味がちゃんとあって、こちらの意図をバッチリ汲んでやってくれるので。
青木:今回の大きな特徴として、Cygamesさんが自社レーベルを立ち上げた最初の作品ということが挙げられると思います。実際、OP曲やED曲などの音楽まわりはすべてCygamesさんがハンドリングしていらっしゃいます。
――今回の音楽を手掛けられた佐藤宏次さんは、『ゾンビランドサガ』の音楽も担当されていますね。ちなみに村越さんも『ソンビランドサガ』の……。
村越:シリーズ構成として参加させていただきました。
――監督をはじめ、ヒットメーカーが勢ぞろいですね。
青木:はい! おかげさまで最初から最後まで楽しい現場でした!