![結城アイラ7年振りミニアルバム『Leading role』インタビュー](https://img2.animatetimes.com/2020/04/5e85952abbdc2_737df5f6bd7a04014e019ba2073c0267.jpg)
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』で愛について考える機会をもらえたことがキーポイントに──結城アイラ7年振りミニアルバムで音楽人生を振り返る
音楽人生の旅を振り返るものに
──「Leading role」という言葉は自然に出てきたということでしたが、ミニアルバムのタイトルにした理由というのはなんだったんでしょう?
結城:実は、このミニアルバムには私の音楽人生を反映させているんです。
──詳しくうかがってもいいでしょうか。
結城:ラストに収録されている「Violet Snow」(アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』イメージソング)は、去年いろいろなフェスで弾き語りをさせてもらっていたんです。色々な方から「良かった」というお声をいただけて。それで「この曲の弾き語りを入れたミニアルバムを作りませんか?」というお話をもらったんです。せっかくのピアノの弾き語りですし、だったらジャズをコンセプトにした作品を作りたいなと。
1曲目から順を追ってお話していくと……「Leading role」は先の通り、自分で作詞作曲をしたいと思ってジャズをコンセプトに作りました。でも2曲目の「Flower Gears」は私が作詞、作曲をしていなくて。
──私もそれが気になっていました。あえて別のかたにお願いされているんだろうなと。
結城:そうなんです(笑)。というのも、2007年からいろいろなかたに曲を提供していただき、“シンガー・結城アイラ”としてやってきた過去を消したくないなと思って。この曲はシンガーに徹したく、坂井竜二さん(作詞)、高橋 諒さん(作曲)に作っていただきました。
高橋さんは、以前TVアニメ『ACCA13区監察課』の「ペールムーンがゆれてる」でお世話になったんです。「ペールムーンがゆれてる」はジャズテイストの曲で、そのときに「アニメとジャズの垣根がなくなったんだな」と実感したんです。あの曲に背中を押していただいたようも感じています。だから高橋さんに「本格的なジャズをお願いします!」と。
3曲目の「Paradeが生まれる」は5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』、5曲目の「LOVE&GAME」は『アイドリッシュセブン』のセルフカバーです。『ドリフェス!R』は終了してしまったコンテンツではあるんですが、プロジェクトの最初から関わらせていただいた縁の深い作品で。『アイドリッシュセブン』は私が作詞家になるキッカケとなったコンテンツで、どうしてもその2作品の曲を入れたかったんです。それでこの2曲を入れました。“作詞家・結城アイラ”としての曲ですね。
4曲目「どんな星空よりも、どんな思い出よりも」は、さきほどもお話させてもらった通りですが“初のアニメのタイアップで作詞・作曲した結城アイラ”で。
そして6曲目の「夕焼け」なんですが……これは路上ライブをやっていたときに歌っていた楽曲なんです。“結城アイラのはじまりの曲”ですね。
──あ! だから作曲者の名前が以前の名義のかとうあすかになってるんですね……!
結城:そうなんです! エモいでしょ?(笑) だから18年前の曲なんです。今は作詞家として活動しているので、きちんと結城アイラの視点で書こうと思って、歌詞だけ書き直しました。
──もともとは別の歌詞だったんです?
結城:そうです。幼い感じの歌詞でした(苦笑)。夕焼けと茜色という言葉だけ残して、ほとんど書き直しました。懐かしさと未来を結ぶ夕焼けのような、ノスタルジーを感じてもらえる曲になったら良いなと思って。あまり暗い感じではなく、前を向くことのできる優しい曲にしたいなと。この曲は大変でしたね。いちばん時間が掛かりました。
──でも今、18年前の曲が入るってすごいことですよね。過去の自分も救われるというか……。
結城:そうなんですよね。「夕焼け」に関してはレコーディングのときから泣いてしまいました。歌いだすと、毎週千葉駅前でピアノで歌っていたこと、そのときの想いなどが溢れてしまって。しかも加藤達也さんがすごくステキなアレンジにしてくださって。カルテットの響きが涙を誘うんです。それで加藤さんとふたりで泣くというよく分からない状況に(笑)。
──(笑)ステキなエピソードです。まさに音楽人生を凝縮した作品なんですね。
結城:自分のエッセンスをこれだけ入れさせていただいたのは初めてで。私らしく、私のやりたいことを詰め込ませてもらえた作品となりました。