音楽
結城アイラ7年振りミニアルバム『Leading role』インタビュー

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』で愛について考える機会をもらえたことがキーポイントに──結城アイラ7年振りミニアルバムで音楽人生を振り返る

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』との運命的な出会い

──1、2曲目にも“愛”という言葉が出てきます。名は体を表すとは言いますけど、アイラさんの“愛”でもある。でも、お名前は『ときめきトゥナイト』の真壁愛良に由来したものなんですよね。

結城:そうなんですよ(笑)。偶然ではあるのですが……。

──でも、アイラさんのアーティスト人生において“愛”は欠かせないワードといえるのではないでしょうか。

結城:確かにそうですね。今作も「Leading role」という強い言い方はしつつ、色々な愛が含まれたアルバムにしたいなという気持ちがありました。

でも昔は愛が何か理解できていなかったんです。実際デビュー前作った曲のなかで <愛が分からない>って歌っていた曲もあったんですよ(笑)。だから『ヴァイオレット・エヴェーガーデン』に出会ったときに驚いたんです。「愛してるを知りたいのです」という言葉からはじまる物語じゃないですか。

──もはや運命的な出会いと言えますね。

結城:本当に。あの作品を通して、愛し愛されることがどういうことかを知ることができて。私自身も10代のころに比べたら、愛というものをだんだん分かってきたというか……分かりたいと思うようになりました。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』で愛について考えさせられる機会をもらえたことが、自分の音楽人生においてキーポイントになったように思っています。

──そんな『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を彩った「Violet Snow」。全文英詞ですが、MVでは日本語訳を見ることができます。もともと綺麗な歌でしたが、日本語の歌詞を読んで、本当に手紙のようだなと。

結城:そうなんですよね。どうしても日本語訳をMVに入れたいと思い、作詞していただいた西田恵美さんに訳を作っていただいたんです。

もともと「Violet Snow」は、キャラクターのみんなから見たヴァイオレットを歌ったものなんです。人によっては少佐、アンちゃんからの手紙なのかなと受け取ることもできる。ヴァイオレットへの手紙のような形になればより良いですよね、というお話になり、最後はあえて「愛しい人へ」にして手紙感を出していただいていました。

──作詞もまさに手紙のようなところがありますよね。

結城:そうなんですよね。私はわりと口下手で、そういった意味では作詞に向いてるなと思うんです。普段口には出してはいえないことでも手紙なら素直に言える。作詞もそういうところがあるなと思っています。

ミニアルバムの制作を経て創作意欲があふれ出す

──ジャケット写真の黒のドレスもステキですね。

結城:ジャズがテーマだったので。今までよりもシックな雰囲気にしたかったんです。お金持ちっぽい雰囲気ですよね(笑)。「Leading role 」がナイトクラブのイメージだったので、今までにないようなドレッシーな衣装にしたいなと。

──ひさびさのミニアルバムの制作を終えて見えてきたものはありますか。

結城:作曲が楽しくなりました! もっといっぱい作曲したいなとも思いましたね。他のかたに作家として曲を提供してみたいなと……。

あと、新しいものを作り続けるって大事なんだなとしみじみ思いました。ライブのアンケートで「同じ曲が多い」という感想をよくいただいていたんです。新曲を作っていなかったから(笑)。今まで待っててくれたかたには、本当にお待たせしました!という気持ちです。6月21日(日)には目黒のBLUES ALLEY JAPANでライブも決まっています。皆様にお会いできることを楽しみにしています。

[インタビュー/逆井マリ]

 

神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。

この記事をかいた人

逆井マリ
神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。

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最新作のコンセプトは「ジャズ」!
作詞家としても活躍するアーティスト・結城アイラ。
大人の女性としての彼女の魅力を引き出すべく、
今作は「ジャズ」をコンセプトに、時にはナイトクラブのように華やかに、
時にはクラシックバーのようにしっとり落ち着いて聴ける1枚となりました。

名曲、人気曲のセルフカバーも収録!
アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の
劇中歌として使用された「Violet Snow」のピアノ弾き語りバージョンや、
自身が作詞提供した、アプリゲーム『アイドリッシュセブン』の特別ユニット楽曲「LOVE&GAME」、
5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』より
DearDreamの「Paradeが生まれる」のセルフカバーも収録!

 

≪収録内容≫
01. Leading role
作詞:結城アイラ 作曲:結城アイラ 編曲:陶山隼

02. Flower Gears
作詞:坂井竜二 作曲:高橋諒 編曲:高橋諒

03. Paradeが生まれる(5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』より)※セルフカバー
作詞:結城アイラ 作曲:笹原慎 編曲:矢野達也

04. どんな星空よりも、どんな思い出よりも(TVアニメ『妹さえいればいい。』エンディング主題歌)
作詞:結城アイラ 作曲:結城アイラ 編曲:渡部チェル

05. LOVE&GAME(アプリゲーム『アイドリッシュセブン』より)※セルフカバー
作詞:結城アイラ 作曲:木下智哉 編曲:EFFY

06. 夕焼け
作詞:結城アイラ 作曲:かとうあすか 編曲:加藤達也

07. Violet Snow(アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』より)※セルフカバー
作詞:西田恵美 作曲:川崎里実 編曲:川崎里実

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