【圧倒的オシャレ体験、知ってる?】2010年~2020年アニメMVおすすめ23選! 中島愛さん、Eveさん、神山羊さん、星野源さん、BUMP OF CHICKEN、ずっと真夜中でいいのに。など珠玉の23曲を紹介!
Porter Robinson&Madeon「Shelter」
日本カルチャーの影響を公言するクリエイター・ポーター・ロビンソン氏と、親友であり、アーティストとしてのライバルでもあるマディオン氏が共作した楽曲。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『FAIRY TAIL』などで知られるA-1 Picturesがアニメーション制作を担当しています。
『アイドルマスター シンデレラガールズ』で演出などを手掛けた赤井俊文氏が監督を務め、同作で総作監を務めた河野恵美氏がキャラクターデザイン、背景や特殊効果にはスタジオBambooやグラフィニカが関わるなど、多彩なアニメ会社が制作に携わった豪華な映像は圧巻の出来栄えです。
本楽曲にはポーター氏原案の明確なストーリーが存在し、動画始めと終わりには主人公の女の子・凛(CV:三澤紗千香)によるモノローグが挿入。見終わった後には短編アニメ一本を観たかのような心地よい読後感に浸れることでしょう。
抜けるような青空が美しい荒野、夜空一面に浮かぶオーロラと光を反射する氷柱が幻想的な雪原、そよ風や空気のおいしさがこちらまで伝わってくるような草原、といった風景描写が素晴らしく目が釘付けになること間違いなし。さまざまな風景をタブレットに描き、映し出されたその景色を楽しそうに駆け回る凛の表情も可愛いです。
物語が進むに連れ、凛の幼いころの記憶などが断片的に登場しますが、すべては語られないのがポイント。歌詞や描写から世界を紐解いていきたくなる、考察しがいのある作品にもなっています。エモーショナル且つドラマティックな旋律を奏でるエレクトリック・ポップと、抒情的なアニメーション、遠くにあっても誰かを思う愛の物語が融合した傑作です。
A-1 Pictures公式サイト
A-1 Pictures公式ツイッター
ポーター・ロビンソン・ソニーミュージックオフィシャルサイト
「Shelter」プロジェクト公式サイト
ハチ「砂の惑星 feat.初音ミク」
ボカロP・ハチ(米津玄師)氏がイベント「マジカルミライ2017」テーマソングとして書き下ろした楽曲。アニメーションを制作したのは米津氏と同じくニコニコ動画で長年活動してきたクリエイターユニット・南方研究所です。
全編ほぼ、砂埃の舞う荒涼とした砂漠の中を初音ミクたちが練り歩くという、非常に無骨でクールな作品となっています。砂埃を払った際の煙の動き方、どっしりとしたミクの歩き方、定点カメラが通り過ぎるミクたちを偶然捉えたかのようなさりげないカメラワークなど、動きが少なく、色調も地味なものにするからこそ、描写の丁寧さや研ぎ澄まされた本質がより強調されています。
歌詞にさまざまなボカロ曲のオマージュが盛り込まれていたりと、アーティスト・米津玄師として大成後の、久しぶりのハチ名義の楽曲提供ということもあり考察面においても話題となりました。そんな考察を助けるような、あるいはさらに難解にするような、どこか示唆的な雰囲気を持つ映像となっています。
米津玄師オフィシャルサイト
米津玄師 ハチ公式ツイッターアカウント
ずっと真夜中でいいのに。「秒針を噛む」
ボーカル・ACAねさんを中心とした、謎に包まれた音楽ユニット・ずっと真夜中でいいのに。のデビュー曲。アニメーション作家・Wabokuさんが映像を担当しており、本記事で紹介しているEveさんの楽曲でもMVを制作しているなど業界注目の作家です。
くすんだ地味な色合いで統一されたMVは、表情に乏しい少女や不気味な目玉のモチーフ、歌詞など一貫して鬱屈とした雰囲気を放ちます。対して、メロディはピアノを主軸としたアップテンポ、ACAねさんの澄んでいて強い意志を感じさせる歌声も相まって、暗さはあまり感じさせません。その相反した印象の奇妙さが、何度も聴いてしまいたくなる不思議な魅力となっています。
ずっと真夜中でいいのに。はすべての楽曲のMVがアニメ―ションになっており、「秒針を噛む」以外にも「ヒューマノイド」や、「正義」など、いずれも歌と映像の相乗効果で、世界観や物語を考察したくなるような作品を次々と世に送り出しています。
ずっと真夜中でいいのに。OFFICIAL SITE
ずっと真夜中でいいのに。公式ツイッター
神山羊「YELLOW」
ボカロP・有機酸が、“神山羊”さんに名義変更後初めて投稿し、SNSで拡散、流行を巻き起こした楽曲。アニメ『空挺ドラゴンズ』OP「群青」でメジャーデビューも果たした、今後に注目される若手アーティストのひとりです。
MVはイラストレーター・東洋医学さんが担当。気だるそうな少年が悪魔の姿形をしたペルソナ(もうひとりの自分のような存在)と向き合っていく様子がアーティスティックに描かれています。サビの“手の芝居”が特に印象的で、表情に乏しい少年の心の機微を表したような、なめらかで繊細な手の動きは必見です。