この記事をかいた人
- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
――個人的な趣味の話でもあるのですが……草薙の服は、露出は減っていましたが相変わらず際どい服を着ていますね。これも何かこだわりが?
神山:もちろん、イリヤ(キャラクターデザインのイリヤ・クブシノブさん)が思う素子像っていうのがあって。セクシーな部分もあるし、イリヤの趣味みたいなのもあって、最初は露出はしてるけど「それは少佐着ないんじゃない?」みたいな案もありましたね。
みんなが思う少佐のイメージっていうのもあるんだけど、反面、一人一人が思う少佐って、こんなに違うんだなと思ったんです。イリヤの最初のやつは短パン履いていました。
荒牧:ハイレグに短パンだったんです。
神山:でも、短パンは違う感じがして。
荒牧:そういうのがあって、いやこうじゃない、ああじゃないって随分考えましたね。消したり、増やしたり、削ったり色々しました。
神山:セクシーなイメージもありながら、3DCGで作るということで、そこを強調しすぎちゃうと、アニメはデフォルメしても大丈夫なんですけど、3DCGで作るとデフォルメが効きすぎちゃうんですよね。しかも戻せないわけですよ。
このカットでは胸を強調したいなと思っても3DCGだとできない。3DCGの場合は最大公約数にしておかないといけないっていう問題があって。と同時にNetflixで世界配信だから襟を正したつもりはないんだけど、なるべく頓珍漢に見えないようにしようっていうことで。
荒牧:ただ、僕らは最初、デザインが地味すぎたかなと思っていたんです。でもシーンで見てみると、意外とドキッとするところがあるんです。肌が見えたりするので。結果として良い塩梅だなと思いましたね。
一度決めてしまうと難しいんですよ。カメラで何とか調整するくらいしかできないので。実写ですら、背高くしてみたりしますから。
荒牧:「もっと盛ってみろ!」みたいなことは実写でもやってますからね。
――なるほど(笑)。では最後に作品を楽しむ上でのポイントやヒント、キーワードなどありましたら教えて下さい。
荒牧:細かいところで言うと、どの人物が何を見ているのか、というところに意識して貰えればなと。どういう風に見えているか、ということも含めてね。
見えているものがみんな違ったり、同じだったり。9課のメンツは同じなんですけど、それと普通の人との差別化を随所に出てくる「主観」で表現しているので、その辺を注意してみてもらえると面白いかなと思います。
神山:『S.A.C.』のシリーズとは言ってないんですけど、『S.A.C.』シリーズをはじめ、過去の『攻殻機動隊』シリーズをNetflixで見ておいてもらえると、より楽しめるかなと思います(笑)。
一同:(爆笑)。
[インタビュー/石橋悠]
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。
草薙素子:田中敦子/荒巻大輔:阪 脩/バトー:大塚明夫/トグサ:山寺宏一
イシカワ:仲野 裕/サイトー:大川 透/パズ:小野塚貴志/ボーマ:山口太郎/タチコマ:玉川砂記子
江崎プリン:潘めぐみ/スタンダード:津田健次郎/ジョン・スミス:曽世海司/久利須・大友・帝都:喜山茂雄
原作:士郎正宗「攻殻機動隊」(講談社 KCデラックス刊)
監督:神山健治 × 荒牧伸志
シリーズ構成:神山健治
キャラクターデザイン:イリヤ・クブシノブ
音楽:戸田信子 × 陣内一真
オープニングテーマ:「Fly with me」millennium parade × ghost in the shell: SAC_2045
エンディングテーマ:「sustain++;」Mili
音楽制作:フライングドッグ
制作:Production I.G × SOLA DIGITAL ARTS
製作:攻殻機動隊2045製作委員会
Netflixにて、4月23日(木)全世界独占配信(※中国本土を除く)
Ⓒ士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会