![冬アニメ『地縛少年花子くん』緒方恵美×安藤正臣 監督インタビュー](https://img2.animatetimes.com/2020/05/5ead0cec7d8ea_dda8a529f23ed65c0d6331d81bcc0d1f.jpg)
冬アニメ『地縛少年花子くん』緒方恵美さん&安藤正臣監督インタビュー|第1話と最終回のラストシーンから伝わってくる花子くんと寧々ちゃんの変化
花子くんと光の空気感
——以前、緒方さんはインタビューで寧々ちゃんは“欲望に忠実な女の子だから花子くんも楽だと思う”とおっしゃっていましたが、花子くんにとって光はどのような存在だと思われますか?
緒方:光に対してはどうなんだろう……? あまり意識していないのではないでしょうか(笑)。
一同:(笑)。
緒方:未だに花子くんは光を名前で読んだことないですし、“少年”としか言っていないような気がします。
安藤:そうですね。ずっと“少年”です。
緒方:一緒に行動する分には面白いと思っていますし、もちろん嫌いではなくそれなりに気に入っていると思いますが、そこまで特別に気になっているというよりは、一緒に行動しているだけに近い感じがします。光にはミツバくんがいますし(笑)。
——そうでした(笑)。
安藤:でも、最初に輝くんが登場した第2話「ようせいさん」の最後のほうでは、花子くんが光に対して、いつか自分を祓ってくれることを期待しているようなセリフを言いますが、そのシーンは相手を認めている花子くんの空気感に奥行きと説得力を強く感じました。
花子くんと光の関係性を補強する話が原作のほうで描かれていましたが、今回のアニメではどうしても組み込むことができなかったんです。
でも、緒方さんと千葉くんの演技で、その2人の自然な空気感を表現していただいたので説得力として本当に助かりました。
——次回予告では花子くんと光の絡みが結構ありましたよね。
緒方:(監督のほうを向いて)次回予告をどうして声を入れてやらせてくれなかったのでしょうか。
安藤:あはははは(笑)。
緒方:次回予告が毎回楽しくて、あれをやれたら良いのにねとみんなでいつも言っていました。
一同:(笑)。
安藤:本当のことを言うと、あそこが尺調整の場になっているんです。実は10秒だったり5秒だったり、毎回具体的な秒数は決まっていなくて……次回予告がない話数もありました。声を入れてしまうとそういうことができなくなってしまうので、ギリギリの尺調整枠だったんです。
緒方:そういうことだったんですね! じゃあ、いつか“予告集”みたいなものが出るに違いない(笑)。
安藤:何かのBOXについてくるような気がします(笑)。本編でキャラクターと声がベストマッチしていることを実感してもらっているので、次回予告のシーンは声がなくても声が聞こえるだろうな、と思ってやっていました。
緒方:声があるとさらに良くなると思いますよ?
一同:(笑)。
アニメならではの構成だからこそ落とし込めた花子くん像
——個人的に、光のお兄さんである輝も良い味を出していたような気がします。原作では花子くんと輝の戦闘シーンがありましたが、アニメでは描かれていませんでしたね。
緒方:個人的な話をすると、そのシーンがなかったのでホッとしました。原作を読ませていただいたときから、輝と戦うところは、その直前までこういう顔をしていた人が自分の弱さを見せるかな? 痛くてもそこまで痛い顔をするかな? といろいろと悩んでいたところで。
そこまで表情が崩れるということは、どういう風な人格だったらそれが同じ像になるだろうと考えても自分の中で落とし込むことができないところでもありました。
——なるほど。
緒方:あいだいろ先生はすごく細やかな表情を描かれる先生なので……そこがすばらしいんですが! ただ、リアルな人として考えたとき、そのすべてを大きな括りで落とし込んでしまうと、人としてキャラクターを作るのが難しくて、どこが彼の芯なのか最初は分からなかったんです。
それもあって、最初に“どっちに軸を置けばいいのか”、“どこを芯にすればいいのか”監督にお伺いしました。
でも、アニメになってみたら戦闘シーンがなかったのもそうですし、人魚のシーンが最終回にまわったり、いろいろな繋ぎでバランスを変えていただけていたことによって、私の中では花子像がすごく分かりやすくなって繋がった感じがします。
安藤:仮の話ですけど、12話の先の話を作ることができたら、その戦闘シーンを描くことができるんじゃないかなと思っています。
緒方:確かに! 原作の流れではなくてアニメでの流れの12話の先だったら、花子くんと輝くんの戦闘シーンやらせていただきたいです!
長く地縛霊でいたからこそ、本当の感情をもらさない人という方が自分的には落ちてきていて…なので本音を見せる最初のシーンが戦闘シーンではなく、泣いた寧々ちゃんに「ごめん」と謝るシーンで良かったな、と個人的に思っています。
安藤:制作側としてはシリーズ構成の段階で12話に収める際、自分たちもどの話数も落としたくはなかったんです。でも、全体のバランスと人魚姫で終わる構成をするにあたって、どうしても輝くんの話が入らなかったというのが本当のところです。
ちょうど「告白の木」の回で、Bパートに輝くんの話になってミツバの話に導入するという構成になっているのですが、Aパートで寧々ちゃん、Bパートで輝くんの話をし始めるというバランスにおいても、輝くんの話を入れるのが難しくて。
あと、ミツバくんが1回いなくなった後に「カガミジゴク」をちゃんとやるかどうかが大きなポイントで、アニメシリーズとしてあのまま「カガミジゴク」を入れないとミツバくんに救いがなく終わってしまうという取捨選択でどうしても輝くんに退場してもらいました。
緒方:(大きな声で)輝よりもミツバをとったと!。
一同:(笑)。
緒方:冗談です(笑)。
安藤:何だかんだ言って、輝くんは良いポジションでいてくれましたし、最終的には「頑張れ、光」と良いところに持っていくことができたので良かったです。
緒方:夏野菜のシーンはとても良かったですね!
安藤:あのシーンも第1話と最終回でリンクしています。最初は輝くんにあげていた夏野菜が、今度は光くんに行っているというところは少しの変化ですよね。
緒方:それを見て輝くんが誰がくれたのか気づくという……!
安藤:これこそ1クールでアニメを収めるということですね。
緒方:ちゃんと回収していてすごいと思いました。
安藤:いつか輝くんの戦闘シーンが皆さんにお見せできるように……。
緒方:本当に! その時が来るのを待っています!
[取材・文/福室美綺]
おうち時間のお供に!過去のインタビューを振り返ろう♩
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TVアニメ『地縛少年花子くん』作品情報
イントロダクション
ねえ、知ってる? この学園にある七不思議の話……かもめ学園に伝わる一番有名な七不思議の噂。旧校舎3階女子トイレ3番目には花子さんがいて、呼び出した人の願いをなんでも叶えてくれるんだって。
呼び出し方は簡単、ノックを3回。それから――――
「花子さん、花子さん、いらっしゃいますか?」
「はーあーい……」
自分の願いを叶えてもらうため、花子さんを呼び出したオカルト少女の八尋寧々。しかし、彼女の前に現れたのは男の子の幽霊、“花子くん”だった。
おばけなのにドSでちょっとエッチな花子くんに振りまわされて様々な怪談に巻き込まれていく寧々。果たして寧々は無事に学園生活を送れるのか
誰も見たことのないハートフル便所コメディが今、始まる
スタッフ
原作:あいだいろ(掲載 月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊)
監督:安藤正臣
シリーズ構成・脚本:中西やすひろ
キャラクターデザイン・総作画監督:伊藤麻由加
助監督:仁昌寺義人
美術監督:栗林大貴(KUSANAGI)
美術設定:須江信人
色彩設計:多田早希
色彩設計補佐:南木由実
撮影監督:酒井淳子(MAD BOX)
プロップデザイン:本多弘幸
2D デザイン:小島 寛之
怪異デザイン:岩畑剛一
編集:伊藤利恵
音響監督:飯田里樹
音響制作:HALF H・P STUDIO
録音調整:天野龍洋
音響効果:宅間麻姫
音楽:高木洋
音楽制作:ポニーキャニオン
オープニングテーマ:地縛少年バンド(生田鷹司×オーイシマサヨシ×ZiNG)「No.7」
エンディングテーマ:鬼頭明里「Tiny Light」
アニメーションプロデューサー:比嘉勇二
アニメーション制作:Lerche
製作:「地縛少年花子くん」製作委員会
キャスト
花子くん:緒方恵美
八尋寧々:鬼頭明里
源 光:千葉翔也
源 輝:内田雄馬
赤根葵:佐藤未奈子
七峰桜:安済知佳
日向夏彦:水島大宙
ほか
公式サイト
公式Twitter(@hanakokun_info)
原作情報
月刊「Gファンタジー」にて連載中
第1~第12巻発売中!