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『Fate』シリーズ用語・ネタ解説【連載第4回・おっと心は硝子だぞ】

【連載第4回・おっと心は硝子だぞ】『FGO』がもっと楽しくなる!?『Fate』シリーズに関連した様々な用語・ネタを解説!

 

注意:以下のページに一部歴代TYPE-MOON作品の言及アリ

 

「おっと心は硝子だぞ」とは?

「おっと、心は硝子だぞ」の元ネタは、アンソロジーコミック『Fate/stay night[UBW]コミックアラカルト~無限の章~』に掲載されている、スーイチ先生の「バッティング三騎士」におけるセイバー(以下、アルトリア)とアーチャー(以下、エミヤ)のやりとりから。

士郎たちとのデートの際、1人不甲斐ない成績を残した悔しさから、バッティングの練習に来たアルトリアはバッティングコーチ風の出で立ちのエミヤと遭遇。バッティングは力任せにするものではないことを指導しようとするエミヤは、自身の筋力がD(アルトリアはB)であることを明かすと、驚いたアルトリアは、思わずエミヤの筋肉がただの見せ筋であることを指摘してしまいます。それに対してエミヤが、「おっと、心は硝子だぞ」とメンタルの弱さを告白し(?)、それ以上の言及を牽制する……といった流れになっています。

「心は硝子」というキーワードは、もちろんエミヤの宝具である「無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)」の詠唱の一節である「血潮は鉄で、心は硝子」から。本来は「身体は剣で出来ている」の流れから繋がる、めちゃくちゃかっこいい詠唱なのですが、「硝子のように繊細な心」という解釈を思いついたスーイチ先生の発想力は本当にすごい……!

このやりとりは、TYPE-MOONファンの間でも大受け。漫画の中でアルトリアが驚いていた通り、エミヤはめちゃくちゃに筋肉質な体型の持ち主なのですが、筋力のステータスは「D」と、サーヴァントの中でもかなり低め。そのため、これ以降エミヤは「筋力D」やら「見せ筋」やら散々な言われようを受けることになります。

なお、第5次聖杯戦争に召喚された他のサーヴァントと筋力のパラメータを比較してみると、以下の並びになります。


A+:ヘラクレス
A:アルトリア【オルタ】
B:アルトリア、ギルガメッシュ、クー・フーリン、メドゥーサ、ハサン
C:小次郎
D:エミヤ
E:メディア


第5次の英霊は、神やら竜の血が混じっていたり、英雄の中の英雄ともいうべき人外的な存在ばかりですし、アルトリアは「魔力放出」のスキル効果によって筋力に補正が掛かっているという設定もあります(『FGO』での効果がバスターアップなのは、そのあたりを反映したものだと思います)。

その上で、剣の達人である小次郎が一つ下のCランクに位置づけられていることを考えると、あくまでも普通の人間で、ほとんど知名度のない英霊であるエミヤがDランクというのは、実は非常に納得できる数値です。ただ、『FGO』などに登場する他のサーヴァント達と比較すると、また少し見方が変わってきます。

以下は、『FGO』などに登場したサーヴァントの筋力になります。


EX:キングプロテア
A:クー・フーリン【オルタ】、エレシュキガル、アルジュナ、デオン、スパルタクスなど
B:イシュタル、アビゲイル、ジャンヌ、マーリン、カルナ、アーラシュ、レオニダスなど
C:ジャガーマン、マシュ、ジャック、ロビン、ジャンヌオルタサンタリリィなど
D:パールヴァティ、カーマ、クロエ、ホームズ、ナポレオン、テスラ、ビリー、葛飾北斎など
E:BB、シトナイ、イリヤ、諸葛孔明、エジソン、クー・フーリン(キャスター)など


あまりにも数が多いので、掲載したのは目安としてのごく一部のサーヴァントなのですが、アビゲイルやマシュ、ジャック、ジャンヌリリィに負けているというのはなかなか衝撃的。もっとも『Fate』シリーズにおけるパラメータはマスターによっても変動するもの(例えばアルトリアは、士郎と凛、切嗣と契約している時ごとにそれぞれパラメータが違います)なので、絶対値ではない……のですが、エミヤのパラメータは第5次聖杯戦争において最高の魔力をもつマスターであろう凛の時と同じものなんですね……。

とはいえ、同じかなり体格のいいアーチャーであるナポレオンがDと低かったり、セイバーの時は筋力Bだったアルトリアが、アーチャーの水着霊基になるとCまでダウンしていることから、アーチャーのクラス補正が影響している可能性は高いと思います。それでも、同じクラスかつ凛を依り代にしているイシュタルに負けているのはアレですが、そこはさすが神霊ということで!(イシュタルはアルトリアと同じく、「魔力放出」持ちでもありますし)

▲ナポレオンやビリー、ホームズと同格と考えると、受ける印象は結構変わるのでは。エミヤが低いというよりは、筋力が高い意外なサーヴァントが多いと考えるべきなのかもしれません。

▲ナポレオンやビリー、ホームズと同格と考えると、受ける印象は結構変わるのでは。エミヤが低いというよりは、筋力が高い意外なサーヴァントが多いと考えるべきなのかもしれません。

▲アーチャー以上に影響が大きいと思われるキャスタークラス。この人の筋力はエミヤ以上に衝撃的な数値だと思います。理系の英霊ということを考えると、パラメータではなく見た目の方がツッコミ所ですが。

▲アーチャー以上に影響が大きいと思われるキャスタークラス。この人の筋力はエミヤ以上に衝撃的な数値だと思います。理系の英霊ということを考えると、パラメータではなく見た目の方がツッコミ所ですが。

そうなると気になってくるのが、今後の実装に高い期待が集まっている、衛宮士郎を依り代とするサーヴァントである千子村正のパラメータ。もしクラスがセイバーだった場合、エミヤよりも高い筋力値に設定される可能性が高そうですが、村正自身が直接戦闘を得意とする英霊ではないので、同じ筋力Dになる可能性も十分にあると思っています。

▲依り代の士郎が普段から身体を鍛えているだけあり、村正もかなり筋肉質。もし筋力がC以上だった時には、エミヤの反応も気になるところ。

▲依り代の士郎が普段から身体を鍛えているだけあり、村正もかなり筋肉質。もし筋力がC以上だった時には、エミヤの反応も気になるところ。

いろいろなサーヴァントのステータスをすぐに比較できる『FGO』がリリースされたからこそ、定着したネタとも言える「おっと、心は硝子だぞ」。ランサーの幸運についてもそうですが、ゲームにほぼ影響しないパラメータは意外と見落としがちな要素でもあるので、いろいろなサーヴァントのパラメータに注目してみるのも面白いかもしれません。

今後も、本連載では『Fate』シリーズに関連した様々なネタを紹介していくのでお楽しみに!

[文/米澤崇史]


『Fate』シリーズ用語・ネタ解説

◆第01回・ランサーが死んだ
◆第02回・ええー? ほんとにござるかぁ?
◆第03回・何度も出てきて恥ずかしくないんですか
◆第04回・おっと心は硝子だぞ
◆第05回・スカディシステム
◆第06回・すまない……(すまないさん)
◆第07回・王の話をするとしよう(マーリン)
◆第08回・いろんなガチャ宗教
◆第09回・他のサーヴァントに遅れを取ることもなかった
◆第10回・サクラファイブ

◆第11回・ガチャは悪い文明
◆第12回・沖田さん大勝利
◆第13回・おい、その先は地獄だぞ
◆第14回・フィーッシュ!!
◆第15回・俺のサーヴァントは最強なんだ!
◆第16回・ドスケベ公
◆第17回:ボクはキミの剣
◆第18回:溶岩水泳部
◆第19回:私は悲しい……(ポロロン)

◆[HF]第三章公開記念番外編・『Fate』シリーズには桜がいっぱい!?

『Fate/Grand Order』概要

タイトル名:Fate/Grand Order(フェイト/グランドオーダー)
ジャンル:FateRPG(フェイトRPG)
iOS/Android にて好評配信中
企画・開発・運営:DELiGHTWORKS Inc.(ディライトワークス株式会社)
製作:TYPE-MOON / FGO PROJECT
価格:基本無料(ゲーム内課金あり)

Fate/Grand Order 公式サイト
Fate/Grand Order 公式ツイッター(@fgoproject)
ハッシュタグ:#FGO

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