10種類の美味しさが詰まったアルバムから、ファンと一緒に物語を作っていけるように――声優・諏訪ななかさん1stアルバム「So Sweet Dolce」インタビュー
10種類の美味しさが味わえるのが本作の魅力
――今回のアルバム「So Sweet Dolce」は、フルーツやスイーツがジャケットやMV、曲中に盛り込まれていて、とてもコンセプチュアルな印象を受けました。
諏訪:コンセプトはプロデューサーさんから提案してもらいました。全収録曲スイーツをモチーフにしていて、とても世界観が作り込まれたアルバムになっています。ちなみに私はモチーフにするスイーツの種類を提案だけしました(笑)。
――(笑)。しかも、デビューアルバムとして10曲も収録されていて。
諏訪:シングルが1枚あたり2曲だと考えたら、今回はその5倍の10曲を収録しているので、最初に聞いたときは驚きました。この10曲で諏訪ななかというアーティストの色が出せたらいいなと思っています。
――では、ここからは楽曲について順にお伺いできればと思います。まずはリード曲の「So Sweet」から。
諏訪:「So Sweet」は、何曲かデモを聴いた中から自分で選んだ楽曲です。他にもリード曲の候補がありましたが、その中でもこの曲がいいんじゃないかなと思って「So Sweet」に決めました。
――何が決め手になったんですか?
諏訪:楽曲のキラキラ感と言いますか、アルバムのコンセプトに一番ぴったりなんじゃないかと感じたことが決め手でした。アルバムの中で最初に録った楽曲なので、収録を通して改めてアルバムのコンセプトが定まりましたね。
――2曲目「Donut Ring World」は、サビの中毒性が高い楽曲だと思いました。
諏訪:収録曲の中でも一番ポップな曲になっています。サビには同じフレーズが出てきて言葉遊びの要素も含んでいるので、個人的にも好きなタイプの楽曲です。ちなみにレコーディングは任せてもらっているところがあるので、自分がイメージするように歌わせてもらいました。
――続く「マカロンラブ」は、落ち着いたミドルテンポの楽曲になります。
諏訪:歌詞がどこか語り口調で、そういう意味では前の2曲とは異なるタイプの楽曲です。こちらも言葉遊びが多めで、<不安定をラテに>などの韻を踏んでいるところが特徴的な歌詞になっています。
最初に歌詞を読んだときに<So cute に食べちゃいたいのです>が、直後に出てくる<早急>にかかっていて、よく読むと発見が多く面白い歌詞だと思いました。
――そんな流れから一転して「My Prologue」はビターなメロディが印象的でした。
諏訪:ここまでは可愛い雰囲気の楽曲でしたが、「My Prologue」ではその印象がガラリと変わると思います。でも歌詞はとても可愛いんですよね。歌声の方向性も自分の中ではパッとハマったので、先程お話したように大まかな部分はお任せでレコーディングさせてもらいました。
――「ショコラ フレーズ」はポップなメロディと甘酸っぱい歌詞が素敵ですね。
諏訪:歌詞がとても素敵で、この1曲のストーリーから情景が浮かんでくるような内容になっています。最後の落ち以降も本線と追っかけが違うことを言っていたり、本心と綴られている言葉が異なるところも魅力的だと思いました。
――力強いロックナンバーの「Strawberry Egoist」はいかがでしょう。
諏訪:疾走感のあるメロディに加えて、歌詞としては圧倒的な文量です(笑)。これもカッコいい系の楽曲ではありますが、やっぱり歌詞は可愛くて。スイーツがコンセプトのアルバムの中にあるスパイス的な楽曲ですね。
――とてもライブ映えしそうな楽曲ですよね。
諏訪:そうですね。ライブなどでパフォーマンスする際、照明とかガラリと変わるような曲になるんじゃないかなと思います。
――「ポップコーンの雲」には、<キャラメルの風>や<はちみつの風>など、独特のフレーズが散りばめられていて楽しい楽曲だと思いました。
諏訪:このアルバムの中に収録されているのがちょっと意外な楽曲なのですが、それが逆にハマっていると言いますか、スイーツの中にタイトル通りポップコーンがあるような感じです(笑)。アルバム全体を見たときに意外性のある楽曲だと思います。
ちなみに「ポップコーンの雲」は最後のほうに決まった楽曲なんですよね。作詞もお任せでしたが、ポップコーンがチョイスされたのは意外でした(笑)。ただ、10曲も収録曲があるので、レパートリーを増やす意味でも入れてもいいのかなって。これまでの可愛い系でもカッコいい系でもない、ナチュラルなテイストでレコーディングに臨みました。
――「ポップコーンの雲」に続いて「溶けるみたい」も爽やかな雰囲気の楽曲です。
諏訪:この楽曲は……いえ、この楽曲も(笑)、歌詞が素敵なんです! デモの時点で<氷が溶けるみたいに>から始まるサビのフレーズが良いと思って、そのまま採用してもらいました。ただ、歌う上では言葉が詰まる部分もあって難しい楽曲で、試行錯誤しつつレコーディングしていきました。
――完成した楽曲を聴いてみて手応えのほどは?
諏訪:我ながらいい感じでした(笑)。
――(笑)。続く「Wonderland!!」はいかがでしょう。
諏訪:タイトルが「Wonderland!!」だけあって、まさに遊園地で流れていそうな楽曲ですよね。1番と2番で異なるAメロなのもポイントのひとつで、歌う上でもワクワクしました。聴いている方も同じような印象を感じてもらえるのかなと思います。
――そして、10曲目の「Storytelling」ですが、単語自体は「読み聞かせ」という意味ですよね。
諏訪:まさにお話を読んでいるようにゆったりとした曲調なので、歌い方もそこに合わせるようにしました。また、2番の<Reach for the sky 高く高く この手伸ばし進むよ>という部分は、自分と重なるところがあって個人的に刺さる歌詞で。聴いていてどこか落ち着くような、アルバムの最後に相応しい楽曲だと思います。
――総じて諏訪さんにとって「So Sweet Dolce」は、どのような一枚になりましたか?
諏訪:「So Sweet Dolce」というアルバムの中に10種類のスイーツがあって、曲ごとにいろんな美味しさが楽しめる一枚になったと思います。