「だまし・だまされ」と「どんでん返し」の連続を最後までお楽しみください――夏アニメ『GREAT PRETENDER』小林千晃さん×諏訪部順一さんインタビュー
主人公のエダマメは詐欺師になりきれないお人よし。まるで多感な子供!?
――主人公のエダマメこと枝村の印象についてお聞かせください。
小林:エダマメはちょっと器用だけど子供みたいで。年齢的には20代中盤なのに、過ごした環境や体験によって、性格や考え方が変わっていくところが多感な時期の子供のようだなと。だからエダマメをこう演じようというのはなくて、刻々と変わっていく彼をそのまま自然に演じようと心がけました。
あとメインキャラクターの中では一番、一般人的な思考の持ち主であり、立ち位置的にも視聴者の目線と近くて。ひと言で言えば「普通の人」(笑)。詐欺師だけど、詐欺師になりきれない、お人好しで、でも生き生きとして魅力的に見えるのは、さすが古沢さんだなと思います。
諏訪部:エダマメは詐欺師なのにコロっとだまされる案外素直な人。完全な悪者にはしたくないという意図が古沢さんにあったそうですよ。主人公なので、視聴者が多少なり共感を持てるような余地を作っておこうと。しかし、意固地なところもあってなかなか面倒なタイプですよね(笑)。
ローランは腹の底が見えない男。収録ではバックボーンや周りからの見え方も意識
――続いてはローランについての印象をお聞かせください。
諏訪部:腹の底が見えない男ですね。その言動が本当なのか嘘なのか、どれもよくわかりません。本質はどういう人間なのか、あれこれ想像が膨らむ人物だなぁと。人当たりの良さそうなグッドルッキング・ガイですが、ちょいちょい嫌味なことを言ったりして煙たがられたりもする。軟派なチャラ男のようでいて、背筋がゾクッとするような冷酷な目をしたりすることも。ミステリアスですよね。
心情をわかりやすく表面に出すことが多くない人物なので、機微を表現するのはなかなか難しかったです。背景や経歴に関する情報は聞いていたので、それを軸に据えつつ、周りから今の彼がどう見られているのかを加味しつつキャラメイクしていきました。
小林:エダマメ的には胡散臭くて、ムカつくヤツです(笑)。僕はローランのバックボーンの過去や背景は知らないし、ひたすらだまされて、バカにされているだけなので。基本的に良い感情はほとんどありません(笑)。
諏訪部:エダマメは巻き込まれ型だからね。
小林:ただただローランの手のひらの上で転がされているけど、何とか見返してやりたいという一心で。それさえもまたローランの思惑通りなのがまたムカつくんですけど(笑)。
小林さんが感じるエダマメとの相違点は自身のバイト経験から派生!?
――自分が演じるキャラクターに共感したり、相違点を感じたところは?
小林:エダマメは感情的で、計画的に動かないキャラクターですが、僕も気分屋ではないけど、計画通りに動かないタイプかもしれません。例えば旅行に行く時も事前にある程度は決めておくけど、気になったり、興味が湧いたら、計画を変えて行動することもあります。
似てないところは器用じゃない部分です。エダマメは適応力が高くて、どんな環境や仕事でもそこそこできてしまうけど、僕はそうではなくて。飲食店でアルバイトした時もクビになるくらいで。甘味処で働いた時、お客さんにお茶を入れる役目だったんですけど、「いらっしゃいませ」と頭を下げるのと同時に、手に持ったお茶をこぼしてしまうような経験が何度かあって。それも2日目に2度も。バイトリーダーからも注意され、それでもまた同じことをしてしまい、とうとうクビになってしまいました。
諏訪部:それはなかなか器用じゃないね(笑)。
小林:エダマメみたいに新しい職場に順応することは大変なんだなと身に染みて感じています(笑)。
諏訪部:ローランと似ていたら人としてちょっと問題がありそうなのですが…(笑)。強いて言うなら、事前の準備はロジカルかつ緻密だけれど、いざ事にあたる時は大胆というか、その場のノリな感じで結構アバウトだったりするところは似ているかもしれませんね(笑)。