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- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
毎日1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。現在、毎週1年ずつ、1990年からアニソンの歴史を追っていく企画を展開中です。
この連載を追えば、アニソンの歴史はこうやって作られていった、と少しでもわかることでしょう。
連載第68回は、1994年にアニソンタイムトラベル。アニメ『マクロス7』より、Fire Bomberの「SEVENTH MOON」です。
歌姫がテーマの『マクロス』シリーズの中で、男性ボーカルが光るFire Bomber。とにかくかっこいいんですよ。
そのあたりは塚越さんのほうが詳しいので早めにバトンタッチ!
『マクロス7』はアニソンを語る上でも外せない作品だ。こと音楽に関していえば、やはりマクロスシリーズは強いと思う。
正直、この作品とほぼ同時期に、音楽的にまったく趣が違う『マクロスプラス』が作られていたことが信じられないくらいだ。一方は洗脳する、どちらかというとデジタルサウンドが主体で、こちらは、もろロックである。
ちなみに、歌は『マクロス7』に登場するFire Bomberというバンドが歌っていることになっているのが、そのボーカルを務めているのが熱気バサラという主人公だ。
戦場に自身のバルキリー(←マクロスシリーズの可変戦闘機のこと)で乱入するのだけど、戦わずにひたすら歌うというとんでもない設定で、決め言葉が「俺の歌を聴けー!!」という、今あらためて書いていてもぶっ飛んだキャラなのだが、当時もぶっちゃけ何だかよく分からなかった。
ちなみにバサラの声は神奈延年さんで、歌のボーカルが福山芳樹さんと、担当を演技と歌で分けることになったのもここからで、バサラに関しては違和感がまったくなかった。
女性ボーカルのミレーヌのほうは、びっくりするくらい歌と声で違っていたが、結局まわりまわって「違和感ないな!」という結論に至り、それはシェリル・ノームに繋がっている(と思っている)。
個人的にハードロックにそんなに興味がなかったのだが、Fire Bomberにハマり、とりあえずCDを全部買うということをしていたのだが、アルバムも当時かなり売れていたのである。
Fire Bomberの音楽は、もう説明不要で全部カッコいいので「SEVENTH MOON」はもちろん、「PLANET DANCE」も「突撃ラブハート」も「HOLLY LONELY LIGHT」も、最高以外の言葉がないのだが、なぜ最初のオープニング曲を選んだのかというと、OPのアニメーションがカッコ良かったからだ。
この頃、日本のアニメ界に3DCGがちょうど入り始めた時期で、『マクロスプラス』ではかなり取り入れていたのだが、TVシリーズだった『マクロス7』では、オープニングの一部でCGが使われていた。
冒頭と途中のバルキリーだが、歌でも映像でも最先端というか、新しいことを積極的に取り入れる河森正治氏のイズムが感じられるなぁと思ったので、94年の1曲としてだけでなく、『マクロス』シリーズを象徴する曲として、この曲を選ばせてもらった。天晴!
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ