この記事をかいた人
- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
毎日1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。現在、毎週1年ずつ、1990年からアニソンの歴史を追っていく企画を展開中です。
この連載を追えば、アニソンの歴史はこうやって作られていった、と少しでもわかることでしょう。
連載第70回は、1996年にアニソンタイムトラベル。TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』より、JUDY AND MARYの「そばかす」です。
前回の「残酷な天使のテーゼ」に端を発し、今回の「そばかす」あたりからアニソンの歴史が大きく変わったような気がしています。
そのあたりの解説は塚越さんにどうぞ!
JUDY AND MARYの「そばかす」は、アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の最初のオープニングテーマである。
この曲を聴いたとき、本当に作品と関係がなかったし、時代感も違っていたので、何なんだろうと少し思ったのだが、結果慣れるというか、むしろ合っているのではないかとさえ思う、よくわからない現象が自分の中で起きていた。剣心もヒロインの神谷薫もそばかすはなかったのだけど……。
ただ、この頃はJ-POPがミリオンを連発していた時代で、「そばかす」もミリオンを達成し、この曲で『第47回NHK紅白歌合戦』に出場している。
当時、大人気だったMr.Childrenで言うと「名もなき詩」やアルバム『深海』を出した時期だ。そのくらいJ−POPが売れていた時代で、アニメもその影響を受けていたことが感じられる象徴的な1曲だと思う。
ただ、基本的にアニソンはこの年もアニメのために作られていて、以前紹介したので挙げなかったが、TVアニメ『天空のエスカフローネ』も96年作品だ。
「そばかす」の話に戻ると、曲が良いのはもちろん、イントロのギターが変態的でカッコいいし、YUKIのボーカルも唯一無二だったので、結果、アニソン史にも堂々と残る1曲になった。
この連載でも何度も書いてきた、新しいアーティストの出会いもアニソンの魅力だと思うので、その意味では『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は、川本真琴の「1/2」、THE YELLOW MONKEYの「Tactics」などなど、本当にたくさんの新しい音楽との出会いをくれた作品だったと思う。天晴!
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ