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- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。現在、1年ずつ、1990年からアニソンの歴史を追っていく企画を展開中です。
この連載を追えば、アニソンの歴史はこうやって作られていった、と少しでもわかることでしょう。
連載第82回は、2008年にアニソンタイムトラベル。TVアニメ『マクロスF』より、坂本真綾さんの「トライアングラー」です。
この連載では何度も登場している坂本真綾さんですが、いい曲が多いから仕方がないんです!
特に『マクロスF』は、アニメの歴史を変えた作品のひとつでもあります。
ということで、今回も気合を入れていきましょう!
アニソンにとって、2008年はやはり『マクロスF』の衝撃がすごかったと思うのだが、坂本真綾をずっと追ってきた人にも、さりげなく大きな事件が起こっていた。つまり、約5年ぶりに菅野よう子が、坂本真綾に書いた曲が『マクロスF』のオープニングテーマ「トライアングラー」だったのだ。
「さいごの果実」などもリリースして、何となく彼女の音楽の方向性が見え始めたようなところで、この曲を歌うのか!という衝撃。そのくらい「トライアングラー」は、ぶっ飛んだ曲だったし、最初の歌詞が《君は誰とキスをする わたし それともあの娘》という時点で、何なんだ、この世界観は!となる。展開も速いし、高いし、いわゆるザ・アニソンだったので、彼女のイメージ的にも合うのだろうかと、本当に余計な心配をしてしまったのだ。
だが、そんな外野の声なんて関係ないほど、2人の間には深い絆がそもそもあるわけで、菅野よう子は、坂本真綾だからこそ表現できる歌を渡しているし、当然それを受け止めて表現できるのが坂本真綾なので、曲を聴いたときは「やっぱり2人はすごいな」としか思わなかった。世間の勝手なイメージというのは、何か新しいことをやろうとするときに、基本的に邪魔になるだけだと思うので、そういうものをぶち壊す1曲として大きかったし、坂本真綾にとっては、その後の活動をさらに自由にすることにもつながったのではないかなと思う。
かなり坂本真綾について語る感じになってしまったが、「トライアングラー(fight on stage)」というランカとシェリルが歌うバージョンもあって、歌詞が《わたし それともあのわたし》と、2人で歌い分ける感じになっていて、こちらもなかなか良い! 天晴。
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ