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- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。現在、1年ずつ、1990年からアニソンの歴史を追っていく企画を展開中です。
この連載を追えば、アニソンの歴史はこうやって作られていった、と少しでもわかることでしょう。
連載第83回は、2009年にアニソンタイムトラベル。TVアニメ『けいおん!』より、放課後ティータイムの「Don't say "lazy"」です。
『けいおん!』でバンドをはじめた方も多いことでしょう! 今なお人気のこのアニメは、数々の名曲を生み出しました。
塚越さん、このアニメのすごいとこ言っちゃって!
2009年と言ったら、やはり『けいおん!』は外せない。バンドが出てくるアニメならば、アマチュアバンドにコピーされることも重要。
その意味で、エンディングの「Don't say "lazy"」は、あらゆるところでコピーされていた(この頃、よく高校の軽音楽部に取材に行っていたのだが、だいたい部活の中の1バンドはコピーしていた)。
「Don't say "lazy"」は、疾走感&ドライブ感がある楽曲、しかもボーカルが、秋山澪(CV.日笠陽子)のカッコいい系ボーカルだったので、特にガールズバンドがたくさんコピーしていた印象がある。
絵コンテ・演出:山田尚子さん(監督)、作画監督:堀口悠紀子さんによるエンディングアニメーションもガールズバンドのPVみたいな感じになっていたので、その相乗効果で女子人気が高かったのだと思う。
実際の音源をあらためて聴いてみると、再現するのはかなり大変そうなのだが、いい感じにアレンジして演奏されていた気がする。
また、『けいおん!』の劇中歌に関しては、軽音楽部にいるバンドが実際出せる音を基本に考えられていたので、OP&EDよりは再現がしやすいように作られていた。
たとえばシンセはモデルとなっていたものをレコーディングでも使っているし、ギターの組み合わせやドラムについても、劇中バンドの放課後ティータイムが音を出していることを前提にして作られていた。
ちなみに、『けいおん!』の音楽は、80年代終わり~90年代中盤あたりまでのロック、しかもUKロックよりという監督のオーダーを受けて作られていたそう。
個人のイメージではあるが、日本にはバンド好きがいまだに多いし、09年ならなおさらにバンド人気は高かったので、それもあって爆発的な人気につながったのだと思う。天晴!
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ