映画『がんばれいわ!!ロボコン』ロボコン役・斎藤千和さんインタビュー|東映特撮の名作『ロボコン』の令和版をどう演じる!?
鈴村健一さんの汁なしタンタンメン役は衝撃的! お芝居はいい意味で予想外!?
――今作ではロボコンとして主題歌「がんばれいわ!!ロボコン -U-LA-LA」も歌われていますね。
斎藤:曲を初めて聴いた時、私の中では正統派な子供向け番組の歌でした。自分の名前やタイトル名だけでなく、「ロボ根性」や「ウララ~」など全部入りで。すごく聞いた感がありました。
EDで流れるので、本編を最後まで観終わった後に、もう1回楽しさが来るような。歌ってても「こういう感じで」とアイデアがあふれ出てきたし、子供たちが歌っている映像も頭に浮かんできて。正統派のEDでした。オールスターキャストがそろう映像もお楽しみに!
――斎藤さんが感じるロボコンの魅力とは?
斎藤:全力感かな。私も自分の子供を見ていて思うんですけど、子供って「アホなの!?」と思うくらい、全力になってしまう時があるんですよね。眠くてしょうがないのに泣くとか、意味がわからない行動をいっぱいするけど、全力で生きている姿を見ていると元気になれたり、パワーをもらえることがあって、それが『ロボコン』にも通じる気がして。
今のヒーローはカッコよくてスマートだけど、ロボコンは何事にも全力で、オーバーヒートを起こしてバラバラになったりしますが、それが私の中でのヒーロー像なんですよね。
忖度せず、自分をカッコいいと思ったりせず……カッコいいことをしようとするけど、全然うまくいかなくて(笑)。そういうところもカッコいいし、ヒーローだなと思いました。
――大好きなロビンに対しても全力で。
斎藤:全力エロでした。(石田秀範)監督にも「エロく」と言われました(笑)。収録はソーシャルディスタンスで監督とは一瞬しかお会いできなかったんですけど、ダンディでカッコいいおじさまという感じで、とても『ロボコン』を撮る方には見えなくて(笑)。
でも職人っぽさは感じられて、私が抜いたお芝居をしたとしたら怒りはしないけど、冷静にNGを出しそうな、鋭さがある方でした。
石田監督と脚本の浦沢(義雄)さんというレジェンドのお二人が作られた世界がしっかりできているので、私がそこにロボコン感を必死にのせようとしなくてもいいかなと安心できました。
――『ロボコン』シリーズといえば、ガンツ先生と、ヒロインのポジションのロビンですが、今作では過去のロビンとは違うハチャメチャさも。
斎藤:個人的なことなんですけど、ロビン役の土屋希乃ちゃんがやっていた子供向け番組に娘がすごくハマっていて、私も全部を、3回から5回まわしくらいで見た気がします(笑)。
だけど、ロビンを演じる姿を見て、最初は気付かないくらい、印象がまったく違っていて。もちろんとてもかわいいけど、今回は変顔をしたり、普段ならしないようなお芝居をされていて。一生懸命にやっているのがまたキュンとくるんです。
今回のロビンちゃんは甘々な感じはあまりないけど、そのこびない感じもいいんですよね。大人っぽさもあって、今回、ロボコンは「ロビンちゃん」ではなく、「ロビン」と呼ぶんですけど、不思議と違和感もなくて。
むしろ「ロビンさん」と言いたいくらい(笑)。おもしろいバランスで、ピッタリだなと思います。
――いつもは優等生的で、ポジション的にもサイドにいる感じですが……。
斎藤:今回はなかなかの暴れっぷりで。ロビンさんは素敵でした(笑)。
――そして今作では中華料理たちがしゃべったり、動いたりして、汁なしタンタンメンがフィーチャーされたお話になっています。
斎藤:汁なしタンタンメンは物語の中で成長していく役ですが、鈴さん(鈴村健一さん)が担当されると知った時は大きな驚きと衝撃がありました。
そして続報の時、汁なしタンタンメンの声が入っていたのを聞いた時も意外でした。もっとかわいくやってくるのかなと思ったら、そのまんま、鈴さんで(笑)。
予想をいい意味で裏切られて、おもしろかったです。「これが正解!」というのではなく、「全部正解!」というのが素敵だなって。
――ちなみに汁なしタンタンメン役を演じた鈴村健一さんにインタビューした時、斎藤さんのロボコンは予想を超えるお芝居に感心されたそうで、斎藤さんは天才だとほめてらっしゃいました。
斎藤:うれしい! 直接言ってほしい(笑)。