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『2分の1の魔法』監督&プロデューサーインタビュー

誰かを「応援する」ということは、一歩前へ出ること!!|『2分の1の魔法』監督&プロデューサーインタビュー

コロナの影響で公開が伸びていたディズニー&ピクサーの最新作『2分の1の魔法』が大ヒット上映中です!

本作は、「かつては魔法があふれていたが、技術が進歩し魔法が消えかけてしまった」という一風変わった世界観の中で、「死んでしまった父が、魔法で半分だけ復活、それを完全に蘇らせる!」という冒険にでるというなんとも不思議な物語です。

主人公は、魔法の才能はあるものの何に対しても自身のない弟のイアン。魔法は使えないもののなんに対しても前向き(ときに向こう見ず)な兄のバーリー。この凸凹コンビの兄弟の目的は、ひとつ。「半分だけ復活したお父さんを蘇らせる」こと。しかも、タイミリミットは24時間。科学によって魔法が失われた世界で、性格も考えたも違う二人の兄弟の冒険は、行く末は?

今回、アニメイトタイムズでが、『2分の1の魔法』のダン・スキャンロンさん監督と、コーリー・レイ プロデューサーにインタビューを実施。本作のことはもちろん、日本のアニメーションのことも伺ってきました!

目次

誰かを「応援する」ということは、一歩前へ出ること!!

――今回の映画はどのようなところからスタートしたのですか? また映画を見た方にどんな思いを感じてほしいと思って制作されましたか?

ダン・スキャンロン(以下D):僕らはパーソナルなところから来たものを描きたかった。心に正直だと感じられるものをね。それで僕らは、僕が父親と兄と経験したことに基づいたストーリーにしたんだ。

コーリーと僕が、この映画でなによりも大切にしたかったことは、サポート(応援)するというアイディア、そして人生において、今の自分になることを応援してくれた人々に感謝するということだった。

それは彼らが期待されているものをはるかに超えたことをやってくれた人々なんだ。兄弟であろうと、親であろうと、友達であろうと、先生であろうとね。それは、僕らにとって、今作でもっとも重要なメッセージのひとつだった。

それと、人々にただ楽しんでもらいたかったんだ。一緒に笑って冒険をしてもらいたかった。でも、そういうサポートするというテーマを持ち帰ってもらいたかったんだ。

コーリー・レイ(以下、コーリー):その通りよ。

――何か足したいことはありますか?

コーリー:支援することについてよ。

映画のもう一つのテーマは、自分自身の直感を信頼することでもあると思う。自分自身を信じること。

そして、自分に自信を持つことを学ぶことでもあるわ。私たちみんなが自信を見つけたら、持っている才能や資質を使うことが出来るのよ。

なぜ、魔法世界と現代科学の融合した作品が生まれたのか?

――「剣と魔法の世界が科学によって消えてしまう」というのは、ディズニー&ピクサー作品にとっては、珍しい設定かなと感じます。どのように、このアイディアを思いつくことが出来たんですか?

ダン:僕らは、イアンとバーリーの父親が1日だけ復活できるというストーリーを語りたかったんだ。それが僕らを魔法というアイディアに導いてくれた。

そして、もし魔法の世界をやるなら、必ず現代を舞台にしたものにしたかった。なぜなら、映画のアイデアとなった僕の兄弟や父親、母親との実体験がとても現代的だからだ。

もし僕らが現代のファンタジーの世界を描いたらどうだろうか、という楽しいアイディアに導いてくれた。

もし今この時代に、ファンタジー・クリーチャーや魔法とかすべてが起きたらどうだろうか? それは僕らに、映画に欲しかったユーモアを与えてくれた。

そういうところからこのアイディアは生まれたんだよ。

――また、ファンタジーと日常が融合したような作品は日本のテレビアニメでは非常に多いんです。魔王がコンビニの店員になるような話もあります。

ダン:(笑)

好きな日本アニメーションの作品はなんですか?

――日本のアニメから影響を受けた部分などはありますか?

ダン:悲しいことに、コーリーと僕は、何かアイディアを考えて、この映画を開発しようとしていたから、とても忙しかったんだ。だから、どんな映画も出かけて行って観ることはほとんど出来なかった(笑)。

コーリー:(笑)

ダン:僕らは最近、他のアニメーションをほとんど観ていない。

僕らは2人とも、宮崎駿の映画のいくつかとか、そういうタイプのものは知っている。

でも、それ以上たくさんのアニメーション映画を観ていないんだ。

コーリー:その通りね。宮崎作品以外には観ていないわ。特にここ3年間はね。

私たちは悲しいことに、今流行っている作品や情報に疎いの。

でも、少し時間が出来たからこれから追いつければいいなと思っているわ。

――これはアニメイトタイムズですし、今、宮崎駿の名前が出ましたので、お好きな宮崎映画や、どういう部分が好きかもう少し詳しく話していただけますか? または、一般的に、日本のアニメをどのように見ていますか?

ダン:コーリーが今言ったように、しばらく宮崎作品を観ていないんだけど、僕は『となりのトトロ』が大好きだ。何年か前に観たよ。有名な作品の1本だよね。

彼の映画の叙情的なクオリティ、風変わりで美しく、魅惑的なリアリスト・スタイルはとても詩的だ。彼の作品にはどこかとても魔法のように魅惑的なところがある。それは間違いなく僕が好きなところだ。

コーリー:まったく同意するわ。私が観たすべての宮崎映画のどこが大好きかというと、もちろん、彼が作り出した世界のルックスや美しさ、スタイライゼーション(様式化)などよ。

でも作品が好きなもう一つの理由に、これまで一度も行ったことがない私の心の中の場所に連れて行ってくれるということがある。

彼のいくつかの映画には、そのメッセージ性やテーマなどを、とても深く考えないといけない側面があるわ。私は映画に深く入り込んで、映画に参加しないといけない感覚があるの。

そして映画が進むにつれて描かれていることの意味を発見して理解する必要があるわ。私は、彼が映画の中で新境地を開拓しているのが大好きよ。

そして時々、素晴らしい方法で複雑なストーリーを生み出しているのが大好きなの。それは、自分自身の考えや経験を映画に持ち込むのを可能にしてくれる。それが、彼の作品で私が大好きなことのひとつよ。


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