秋アニメ『アクダマドライブ』アクダマのひとり・“運び屋”を演じる梅原裕一郎さんにインタビュー! “運び屋”はこれまでのクールキャラクターの中でも最たるもの!?
己の生き方を貫く悪人たちの物語が、スタイリッシュな映像とともに描かれる『アクダマドライブ』。ゲーム『ダンガンロンパ』シリーズでタッグを組んできたシナリオライター・小高和剛さんとキャラクターデザイナー・小松崎類さんが再び手を取り合うオリジナルTVアニメーションがこの秋よりスタートします!
高度に発達しながらも歪んだ社会を舞台に、犯罪者“アクダマ”たちのクライムアクションが見どころとなる本作。今回、“運び屋”を演じる梅原裕一郎さんにインタビューを実施! 我が道を行く仕事人を演じるにあたって意識したポイント、演じていて面白かったことなど作品に関するお話を伺っています。
“運び屋”のキャラクター性を発揮するには……
――オーディションで作品資料をご覧になったときの印象はいかがでしたか?
“運び屋”役・梅原裕一郎さん(以下、梅原):世界観が完成されていて、スタイリッシュでクールな作品だなという印象を受けました。オーディションでは“運び屋”を受けさせていただいたんですが、資料を見るととにかくどのアクダマも強烈で……。個性がひしめき合う中で、“運び屋”のキャラクター性を発揮するにはどうしたらいいかと考えました。
――オーディションではどんなディレクションがありましたか?
梅原:テープオーディションのあとにスタジオオーディションがあったんですが、その段階では特にディレクションはなかったと思います。 “運び屋”はそんなに喋らないキャラクターなので、音響監督さんが「セリフ少ないね」という話をされていたのが印象的でした(笑)。
――出演が決まったときの心境はいかがでしたか?
梅原:オリジナル作品は先の展開がわからないのが醍醐味であり、アフレコをしながらキャラクターや作品のことを知っていくのが面白いので、まずは自分が楽しみたいなと。ほかのアクダマを誰が演じるかも楽しみでした。
――実際にアクダマのキャストを知ったときはいかがでしたか?
梅原:アクダマたちに勝るとも劣らない個性のある役者さんたちですし、これは絶対に面白い作品になるだろうなと感じました。また、収録時は世の中がまだ現在のような状況ではなく、全員でアフレコできたのも本当によかったです。
――ちょうど追加キャストの発表もありました。“処刑課師匠”役の大塚明夫さんや“ボス”役の榊原良子さんなど、豪華な役者陣が名を連ねられています。
梅原:そうなんです。『アクダマドライブ』は大先輩をはじめいろいろな年代の方がいらっしゃる現場で、とても勉強になりました。
「狭い振り幅の中でいかに感情を見せるかを意識するようにしました」
――舞台であるカンサイの設定についてはどんな印象をお持ちになりましたか。
梅原:サイバーパンクのようでもあり、海外の方が好きな架空の日本のような雰囲気もあり、一見しただけで作品の雰囲気が伝わってきますよね。僕は関西人ではないので詳しい地理はわかりませんが、(美術ボードの)道頓堀のような場所を見ると、きちんとロケハンされて現実の大阪をベースにしていることがしっかり伝わってきて。この少し荒廃したカンサイの中で、悪い奴らがカッコよく生活しているんだろうなと想像できました。
――“運び屋”の印象についても聞かせてください。
梅原:“運び屋”は自分の仕事が第一で、ほかのアクダマには興味がなく、あまり積極的に人と会話をしないタイプです。徐々に人となりや考えていることが明らかになっていくキャラクターなので、特に序盤は「我が道を行く仕事人」という印象が強いんじゃないかなと思います。
――キャラクター紹介にもありますが、仕事に関しては自信家なんですよね。
梅原:そうですね。自分の能力といいますか、仕事にプライドを持っていて、絶対に失敗はないと言い切るくらいの自信を持っています。
――演じる上で意識されていることはどんなことですか?
梅原:他人に興味がなく、何を聞かれても簡潔に答えるだけ。表情豊かに話すキャラクターでもないので、ぼそぼそとした喋り方とまではいきませんが、クールなところを強めに出すようにしました。ただ、仕事に対しては真摯なので、それを邪魔されたときの怒りの感情はちゃんと持っているんです。狭い振り幅の中でいかに感情を見せるかを意識するようにしました。
――“運び屋”は、梅原さんのこれまでのキャリアの中でも難しいタイプのキャラクターですか?
梅原:声質などもあって、クールなキャラクターを演じさせていただくことが多いんですが、その中でも最たるものですね。まわりのアクダマたちが前に前に出てくる派手なキャラクターばかりなので、埋もれないかなという心配がありました(笑)。
――特に難しいと感じたのはどんなところでしょうか?
梅原:どこまで声を張ればいいか、その案配が難しかったですね。会話のシーンでも戦闘シーンでもスタイリッシュなSEやBGMがガンガン鳴ることが想像できますし、キャラクター同士の物理的な距離感を考えて声を張らないといけないところも当然出てきますから。でも、張りすぎると今度は“運び屋”ではなくなってしまう。序盤では、声を張りすぎて「クールなままでいいです」というディレクションをいただき、微調整することもありました。
――“運び屋”を演じていて、面白いなと感じる部分はどんなところですか?
梅原:彼の人間味が見えるところは演じていて面白いなと感じます。例えば、たこ焼きを食べるシーンや徐々に増えていく“一般人”と話すシーンがそうですね。“一般人”は人と人の壁をぶっ壊していくタイプなので、彼女との会話が増えていくと“運び屋”も感情で動いていることや、人間らしいところがあるとわかって面白いと思います。