音楽
SparQlew(上村祐翔×千葉翔也×保住有哉×堀江瞬×吉永拓斗)2ndシングル『ヘルベチカ』インタビュー

SparQlew、全3曲収録2ndシングル『ヘルベチカ』 上村祐翔さん、千葉翔也さん、保住有哉さん、堀江瞬さん、吉永拓斗さんにインタビュー

2020年9月16日(水)、上村祐翔さん、千葉翔也さん、保住有哉さん、堀江瞬さん、吉永拓斗さんからなる5人組ユニット・SparQlew(スパークル)が、リード曲『ヘルベチカ』、『雲に閃光弾』、『I’ m for you』の全3曲を収録した2ndシングル『ヘルベチカ』を発売! 2ndフルアルバム『evergreen』から約2カ月でリリースされるかたちとなりました。

『ヘルベチカ』リリース間近ということで、SparQlewのみなさんに聴きどころやレコーディングの様子、撮影秘話などを伺いました!

5人の想いが色濃く反映された2ndシングル『ヘルベチカ』

――それぞれの曲の聴きどころを教えてください。

千葉翔也さん(以下、千葉):今回『ヘルベチカ』を制作するにあたって、みんなですごく話し合いました。今回から「どんな曲調を選ぼう」というところに、最終的に僕らの意思が反映された部分が多いので、どうなるかなと期待していました。『雲に閃光弾』はロックな感じで、今までよりも個性が出せています。

『I’ m for you』はユニゾンが多いのが意外でした。でも、『evergreen』を経たからか、そこもひとつ聴こえ方が変わったなと個人的には思います。

保住有哉さん(以下、保住):リード曲はキラキラしたものや「THE・リード」というものを選びがちだったんですけど、今回は曲の選定から参加させていただいて、「どんなリード曲にする?」って5人で話し合ったときに、『ヘルベチカ』の音源だけリードっぽくなくて、一癖ある感じで。

ちょっと変化球を狙ったんですけど、けっきょくいいリードになったなという印象です。

いつもと違うけど、ちゃんとリードとして存在感のある曲が出来上がったなっていう。それに負けないカップリングのちょっと強い曲やコンセプトソングが出来上がって、3曲なのに3曲以上の聴き応えがあるシングルになったんじゃないかなと思います。

上村祐翔さん(以下、上村):『evergreen』の楽曲は、けっこう優しい雰囲気だったり僕たちの等身大の温かみだったりが曲の中で表現できていたなかで、『ヘルベチカ』では新しいSparQlewとしての魅力を歌声にのせて曲として見せられたらいいなということで話し合いました。

今まで歌ってきた曲ももちろん思い入れはあるんですけど、ひとつひとつ自分たちが関わって作ったという意味では、『ヘルベチカ』はすごく思い入れのある曲になってます。

『ヘルベチカ』から『雲に閃光弾』、『I’ m for you』の流れがすごく聴き応えがあるよねってみんなで話し合って、曲を選ばせていただきました。『evergreen』を経たからこそ、さらに広がりのある感じ。

それぞれが自分の殻を破って取り組んだということが、曲を聴いてすごく伝わってくるものになっているので、きっと聴いてくださったみなさんに「SparQlewが新しい一面を見せてくれたな」と思っていただける仕上がりになったと思います。

堀江瞬さん(以下、堀江):『evergreen』から間を空けずにリリースさせていただくということで、受け手の印象として、ものすごく勢いを感じていただけるんじゃないかなと思っていて。今後のSparQlewの活動の勢いを感じてもらえる、いいブランクの空き方だったなと思います。

今回の3曲は、ぶつけるのにふさわしい曲になったんじゃないかなと感じていて。全3曲の印象は、前回のシングル『勝利の歌』とはまた違う印象です。『I’ m for you』が入ることによって、より振り幅が広がった感じ。

「この曲のあとに、これが流れたらどうか」という話をたくさんした結果、3曲がこの並びで入ったということで、僕たちも思い入れがあるので、早くみなさんに聴いていただいて、僕たちの勢いを感じてほしいです。

吉永拓斗さん(以下、吉永):早くお客さんに聴いていただいて、どう感じたか感想を聞くのがすごく楽しみです。

『I’ m for you』はファンのみんなが好きだと思ってくれるようにレコーディングをしたんですけど、『I’ m for you』を聴き続けた結果、『雲に閃光弾』や『ヘルベチカ』が好きっていう人もたくさん出てくるだろうと思います。

逆に『雲に閃光弾』や『ヘルベチカ』っていう新しいスタイルのSparQlewを大切にしてくれる人が増えつつ、やっぱりポップに励ましてくれる『I’ m for you』を聴きたいと思ってくれる人もいるでしょうし。

ものすごくバランスがいいシングルでありつつ、新しい僕たちの存在感を見せつけられたんじゃないかなと思います。

 

――レコーディングをしたときの手ごたえはいかがでしたか?

千葉:『evergreen』の中でしてきたアプローチとはかなり変わっていて。『ヘルベチカ』と『雲に閃光弾』は曲だけ聴くとロックンロールだったので。

いままでは“SparQlewらしさ”でアプローチするディレクションが多かったんですけど、「らしくないほうがこの曲らしい」と言いますか。

より自分に寄せたというか、あまり他のメンバーとバランスを取ろうと考えずに臨んだんですけど、それが逆によかったのか、すごく統一感のある仕上がりになりました。

『雲に閃光弾』は特に「こんなにやっちゃってもいいのかな」ってくらい、1人で勝手にストーリーが出来上がっていたというか(笑)。

それをぶつけられたのが、すごくよかったです。いつもそうですけど、より思い残しがない形で投げ込んだ感じです。

保住:『evergreen』から続けてレコーディングさせていただいたので、自分が馴染んできたというか、馴染んできた最後のほうのタイミングだったので、本当に気持ちよくやらせていただきました。

今までは「きらびやかに」とか「かわいいエッセンスを」とかを考えていたけれど、『ヘルベチカ』や『雲に閃光弾』では本当に考えずに等身大で歌ったっていうことで、各々の個性が出ていい曲になったのかなと思いますね。

『ヘルベチカ』は各々で別のことをしているんですけど、その散らかり具合がひとつにまとまっていて、すごくおもしろい。『雲に閃光弾』は各々のかっこよさが出ています。

『I’ m for you』はみんなの「おめでとう」の伝え方、人に対する祝い方のアプローチが違っていて、ひとつにまとまろうとするのではなく、違う方向にいったものが最終的にひとつにまとまっていい作品になった感じがあります。

今までの作品に比べて、より等身大に近いというか、歌声やアプローチが、より今の自分たちの気持ちに近いものになったんじゃないかなと思います。

上村:今回の3曲に関しては自分の中でもちょっと遊んでみようという意識があったんです。ディレクションでも「節とかちょっとしたアクセントを出してもらえると、もしかしたらいい方向にいくかもしれない」とおっしゃっていただいたので、“歌詞をデフォルメする”じゃないですけど、わざとらしく「ここを強調したいんだよ」「この言葉をたてたいんだ」ってことを自分なりにやっていって、歌う以上にお芝居に似ている感じというか。

「このセリフを自分だったらどう言うだろう」と、いろいろな正解がある中でそれを探りながら、楽しみながら歌った印象が強かったです。特に『ヘルベチカ』はそうでしたね。

『ヘルベチカ』は「普通を壊していこう」というコンセプトがあるので、曲に対する取り組み方から『ヘルベチカ』に入り込めたことがすごくうれしかったですね。

その流れで『雲に閃光弾』、『I’ m for you』も、自分だったらどうするかなということをじっくり考えつつ、でも「こうしなきゃ」ということよりも、もっともっと可能性を広げていくというか、視野を広くして臨んでいった感じです。

堀江:『evergreen』の収録曲『SHELLBREAKER』と『アカ・アオ・キ・ミドリ』の2曲を収録したときに、「ここまでやっていいんだ」「ここまで振り切っていいんだ」っていうヒントを得て、すぐに『ヘルベチカ』に臨んだおかげで、そのヒントをすぐ生かす機会に恵まれました。

上村くんが言ったように、僕も挑戦というか「ここをもっとこうしてみよう」とか、そういうことをいろいろと取り込んでみた3曲になったと思います。

それまではSparQlewのなかでの自分の役割や「個々人はこう」というディレクションをいただいていたんですけど、そこを飛び出した、いい意味で「らしさ」を捨てるというか、そういうことができて、それをふんだんに試した3曲です。

仮メロや音源を大幅に変えずとも、ちょっとだけ自分の癖で変えて歌ってみたところもあって。『ヘルベチカ』の2番のサビの僕のパート「そう ルールなんてないのさ そのままでDIVE」っていうところも、メロディはほぼ一緒なんですけど、癖でちょっと変えるという遊びをしていて。

『I’ m for you』に関しても、今までの僕だったら地の歌声の低いところで歌っていたけれど、ちょっとベース高めに歌ってみたり、いろいろな挑戦ができたので、手ごたえがある3曲になりました。

吉永:『Bring it on!』や『勝利の歌』のレコーディングのときに「それはちょっとやりすぎだから押さえてほしい」といわれていた表現を、今回は逆に求められるようになって、「それじゃ足りない」「もっと出して」「もっと出せるでしょ?」っていうディレクションを受けるようになったときに、「あ、SparQlew自体の楽曲の軸がどんどん変わっていってるんだな」と感動しましたね。

だから今回は、どちらかと言うと『I’ m for you』よりも『ヘルベチカ』や『雲に閃光弾』で求められるクールな表現をどう絞り出していこうかなと悩みました。振り返ると、以前の僕と楽曲の捉え方が逆転していたなって思います。


 

――今回はクリエイティブなところから作品に関わっているということですが、そうなった経緯は、みなさんからのアイデアだったのでしょうか?

千葉:今までもずっと僕らの中でそういう話はあったんです。より思い入れを持ちたいし……。

保住:もっと曲を好きになりたいというか。今までの楽曲も好きだけど、イチから関わったらもっと好きになって、ライブとかのパフォーマンスも変わってくるんじゃないかな、と。

千葉:たとえば、制作陣の思う「明るい」と僕らの思う「明るい」が、そんなにズレてはいないんですけど、違うということが『evergreen』で明確になって。

保住:人から見た「等身大」と自分たちが思う「等身大」がけっこう離れてたりして。

上村:いろいろな楽曲と出会ってきて、自分たちが今この瞬間はこれをやりたいよねってものが、それぞれから出てきたから、楽曲を作るにあたって一回すり合わせをしたいよねっていう。

堀江:結果、感覚のすり合わせもできたし、すごくやってよかったなって。「王道」という言葉ひとつとっても、人によって感じる「王道」の在り方が違うと思っていて。そういうことを話し合いでけっこうすり合わせることができたのは、今回ありがたかったなと思います。

吉永:スタッフさんやプロデューサーさんは、「今回はけっこう攻めたんだけど大丈夫かな」っていう話をされていたんですけど、レコーディングをしてラフを聴いたときに、みんなしっくりきてたのがよかったですね。

SparQlewらしい咀嚼ができて、やりたいことができて、ファンの人が喜んでくれそうな『I’ m for you』という曲も生まれて、よかったと思います。

千葉:「2ndシングルはこうしよう」ということは一回投げていただいたんですよ。その言葉を聞いて、「僕たちも本当に同じことを思っているのかな」っていうことがきっかけになったと思います。

今までを踏まえて「こういこう」というものでしたが、僕らの中にあったものを提示するために、明確に考えるきっかけになりました。

保住:軸は崩さずに、僕たちの中の解釈をすり合わせて。

吉永:ちゃんとね、スタッフさんたちにお時間をとっていただいてZoomでオンライン会議をさせていただきました。

保住:5人の意見が交わって新しく見えるのが、今回の2ndシングルがちょうどよかったんじゃないかなって。今までやってきたものとは違うし、十数曲溜まってきたところで各々がやりたい1枚が作れたのは大きいなと思います。

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