『Fate』ファンや『FGO』ユーザーなら楽しめること間違いなし!? 声優・関智一さんによる朗読『ギルガメシュ叙事詩』の続編『エヌマ・エリシュ』アプリ&オーディオブック配信記念インタビュー
『FGO』に登場する人物や武器など聞き覚えがある名前が随所に。アニメを見てから聞くとより楽しめるかも!
――エアや息子のマルドゥクがヒーロー的に描かれていますが、よくよく聞くと理不尽に感じることも。
関:教えや戒めのための例え話として神々の視点で描かれているんですけど、ちょっと猟奇的な描写もあるんですよね。刺激が欲しかったのかな?(笑) きれいごとばかり書かれても説得力がないし、「悪いことを考えたり、したりすれば、こんな目に遭ってしまうよ」とわかりやすくするためなのかもしれませんね。
――お気に入り、または興味が湧いた人物は?
関:主人公の1人、マルドゥクの名前をどこかで聞いたことがあるなと思ったら、『絶対魔獣戦線バビロニア』には“マルドゥークの手斧”が登場するんですよね。アニメでギルガメッシュが使った剣の名前も“乖離剣エア”だし、『エヌマ・エリシュ』では最上級の神様なんですけど、それにちなんで威力がある武器の名前になったのかな。
他にも聞いたことがある名前はたくさん出てきて。アニメでは武器や事象に名付けられていたり、差異はあるけどどれも感情移入しやすかったです。『エヌマ・エリシュ』を聞くことで、アニメで登場する様々な命名の由来を考察する楽しさもあるかなと思います。
――他に聴きどころや注目ポイントをお聞かせください。
関:すごくドラマチックなお話でもあり、教訓として捉えるもよし。あと『FGO』が好きな人は『絶対魔獣戦線バビロニア』のクライマックスに似た描写が序盤に描かれているのが聴きどころだと思います。『絶対魔獣戦線バビロニア』を見てから聴くとより楽しめるかもしれません。
同時収録の『洪水物語』は前作『ギルガメシュ叙事詩』で描き切れなかったエピソード
――合わせて収録された『洪水物語』はギルガメシュがメインのお話です。ご紹介や印象をお聞かせください。
関:前作の『ギルガメシュ叙事詩』は、ギルガメシュが旅をしたり、成し遂げたことが描かれていますが、今作は描き切れなかった部分を掘り下げている印象があります。あと世界中にはノアの方舟伝説など大洪水にまつわるお話がたくさんありますが、『ギルガメシュ叙事詩』にも残されていて。
『FGO』でのギルガメッシュは死んでもすぐに復活するので、死を恐れている印象がありませんが、『洪水物語』は友達の死から、死に対する恐怖を感じて。そこで大洪水に遭いながらも生き延びて神になったウトナピシュティムに教えを乞うお話です。
ギルガメシュ自身は前作も今回も変わっていないけど、前作よりも人間臭く見えるし、「神のような人やどんなに強い人でも死を恐れるんだ。だから恥じることもない」と安心感を与えてくれるんですよね。
――他に聴きどころや注目ポイントをお聞かせください。
関:ノアの方舟のお話って、「残骸がどこにある」のような都市伝説的な逸話を子供の頃から見聞きしてきたので純粋に興味があって。古代太古に残っている文献の1つを、今回詳細を知ることができるところがおもしろさであり、聴きどころなのかなと思います。外国の神話と日本の神話は繋がる部分や類似点、元になっているケースがあるので、興味を持たれた方は様々なノアの方舟伝説を調べてみるのもいいのでは?