【BLのことさらに知ってみませんか?】令和最前線の「受けの事情」! 受けはまだまだ発展途上!? の巻 【アニメイト編集部BL塾・応用編】
食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋……さまざまな「〇〇の秋」がありますが、今年は「BLの秋」にしてみませんか?……ということで!「アニメイト編集部BL塾」も第3回目の開校となりました。引き続きフリーライターの阿部が先生役、編集部員・石橋さんが生徒役となり、BLの世界をご案内します。
前回は令和最前線の「攻め事情」についてお話しました。生徒役の石橋さんもだいぶBLへの理解が深まってきた様子。
そして今回は、攻めとセットで語られなければならない「受けキャラクター」について講義を進行。「受けキャラクターの背景」や「似て非なる受けたち」などお話しています。これまで順調に進んできた講義でしたが、「受けの事情」はちょっぴり複雑で……。一体どうなっちゃうの⁈
本稿では、受けへの理解を深めながら、攻めとは異なる「受け事情」を読者のみなさんも一緒に考えてみてください。
では、早速講義スタート!
※BL事情は諸説あるため、本企画には個人的見解も含まれています。
●阿部裕華
フリーのライター。本企画の助っ人。石橋さんの飲み友達。BL愛好歴15年。『好きなものは好きだからしょうがない‼』に衝撃を受け、BLへ沼落ち。黒髪メガネ受けが登場する商業BLマンガは一通りチェックする。今回の先生役。
●石橋悠
アニメイトタイムズの編集部員。HIPHOPと百合と某王国を愛する。アニメ化したBL作品などを少し見てはいるが、ズブの素人と言っていいレベル。今回の生徒役。
連載:BL塾
アニメイトタイムズで連載中の「BL塾」が書籍化決定! 表紙イラストは森下suu先生! 書き下ろしを含めた決定版です! アニメイト特典は表紙イラストのカラーペーパー!連載バックナンバー
画像をクリックすると、関連記事にとびます。「受け」とは
石橋:第3回となりました! 本日もよろしくお願いします、センセイ!
阿部:よろしくお願いします!
石橋:初回(BLとは)は表面のBLの世界をいい距離感で見ていましたけど、前回(攻めの事情)の講義は一気にグッとBLとの距離が近くなりました。「あ、これがBLなんだ!」とBLの扉を隙間から覗けた気がしています(笑)。
阿部:石橋さんが徐々にBLと距離を縮めてきている……! うれしい! 宿題で読んでいた4冊もディープな作品揃いでしたね。かなり濃ゆい性描写の作品もありましたし。
石橋:自分でもかなり踏み込んだと思います(笑)。でも、意外と読めちゃうかも。
阿部:あのラインナップを読めるということは、大体の作品は読めるはず!
石橋:いい経験だった! ただ、石橋は痛い系(無理やりな性行為)が苦手だということに気がつきました……。自分の苦手を知ることができたのもよかったです。
阿部:好きな系統を知ることも大切ですが、同時に苦手な系統を知ることも大切です。いろいろな作品があるので、地雷を踏まないように自分を守るのもBLの楽しみ方かなと。
石橋:セルフメディケーションですね……!
さて、前回の講義は「攻めの事情」でした。今回は……?
阿部:はい。今回は、「攻め」とセットで語らなければいけない「受けの事情」についてお話していきます。
では、早速ですが「受け」とは何でしょう?
石橋:今回も質問きた!(笑) 「受け」とは、性行為において挿入される方ですね。
阿部:正解です!
石橋:質問くるのかなと身構えてました(笑)。
阿部:あははは(笑)。今回はどのような「受け」のキャラクターがBL作品に多いのかについてお話していきます。
「受け」のフォーマットをおさらい
阿部:攻めと同じく、「BLの受けといったらコレ!」というフォーマットがあります。
阿部:受けは攻めよりも背が低く、華奢な体格が基本。同じくらいの体格の場合もありますが、攻めよりも大きい受けはあまり見かけないですね。
内面は守ってあげたくなるようなヒロイン力強めのキャラクター。あとは流されやすい性格の受けも多いかな。
石橋:たしかに、前回読んだ4冊も流されやすい受けの人が多かった気がする。
阿部:一例ですが、仕事に関してはこんな感じ。
阿部:ガツガツ働く感じの仕事はあまりないですね。
ほかにも攻めと同業者の場合もあります。芸能人どうし、スポーツ選手どうし、会社員どうし……みたいな。ただ、攻めキャラクターの上に立つような仕事をしている受けはあまりいませんでした。
石橋:仕事の一覧を見ていると、何となく一昔前の女性が就く仕事という感じがしますね。
阿部:そうなんです。ではなぜ、このような受けのキャラクターが多いのか。
阿部:あくまでも私個人の意見ですが、このような理由があると思っています。また、書籍『BL進化論(※1)』で言及されている内容も参考に記載しています。
※1:BL進化論
太田出版にて刊行されたBL研究家・溝口彰子さんの評論書籍。BLの歴史や歩み、BLと社会との結びつきなど、BLにまつわる知識を学ぶことができる。
石橋:受けに女性的な側面を少し強く感じてしまうのはそういうことなのか。なるほどな……。