アニメ映画『思い、思われ、ふり、ふられ』山本理央役・島﨑信長さんインタビュー|“片思い”は切ないからこそ美しい
和臣が好きなことに語っているシーンに共感
――“どの年代の方が見ても実体験からの共感が生まれる、リアリティを持った作品”だと公式コメントでおっしゃっていましたね。
島﨑:はい。お父さんやお母さん“この部分分かる~!”というところがいっぱいあって、“あるある”が本当にたくさんあります。
――島﨑さん自身、共感したキャラクターやシーンはありましたか?
島﨑:和臣が好きなことについて語っているシーンです。僕も好きなことを話しているとき、早口になってしまったり、楽しそうにまくし立ててしまったりするところもあるので、和臣の好きなことを語るシーンはすごく分かります。
作中では、朱里ちゃんが「この顔好きだな」となっていましたけど、僕はただ「こいつオタクだなぁ~」と思われているかもしれませんが(笑)。僕よりも早口ではありませんでしたし(笑)。
一同:(笑)。
島﨑:僕もやりたい仕事をずっとやらせていただいているので、和臣の好きなものに対して夢中になる感じや、好きなものに関わりたいという気持ちはすごく近いものを感じました。今だからこそ、よく分かる気持ちなのかもしれません。
“思い、思われ、ふり、ふられ”のオーディション
――タイトルにちなみ『思い、思われ、ふり、ふられ』のエピソードを教えてください。
島﨑:作品との“縁”です。
――“縁”ですか。
島﨑:まさに、オーディションは毎回『思い、思われ、ふり、ふられ』です。
この声優というお仕事は、入社試験を毎年たくさん受けるようなものなのですが、原作から大好きでこの役を絶対やりたい!と思うときほど振られたりします。
たとえば、気持ちが強すぎて、自分の中で固めすぎちゃっていて、スタッフの皆さんが思い描いている作りたいものとズレてしまったり、作り込みすぎてその先の可能性が見えなくなったり。
自信があった役が受からなかったり、自信がなかった役が受かったりすることもあります。もちろん、思い入れがあって、そのまま決まることも。本当にオーディションは一期一会なんです。でも、それがまた素敵な縁に繋がることもあって。
ありがたいことに、声優という仕事はたくさんの作品に関わらせていただけるので、いろいろなところで、思ったり思われたり、ふったりふられたりしていますね。
――画面越しでも島﨑さんの熱い想いが伝わります……!
島﨑:本当にいくつになっても青春をいっぱい演じさせていただける、素敵な仕事です。これからもお仕事を頑張って、世の中に求め続けていただければ、僕が40歳や50歳になっても高校生の男の子として青春ができるかもしれないと思うと、すごい仕事だと思います。
――何度も青春を謳歌できるって、羨ましいです!
島﨑:ありがとうございます(笑)。自分の見た目関係なく声だけで表現できるのは面白いところだと思います。声の芝居さえ磨いていれば、いろんなものに挑戦させてもらえますし、動物など人間以外のいろいろな声に挑戦できるのも、この仕事ならではと思います。