アニメーション映画『思い、思われ、ふり、ふられ』乾 和臣役・斉藤壮馬さんインタビュー|島﨑信長さん演じる理央と対比の効いた和臣の掛け合いや、由奈役・鈴木毬花さんのひた向きさに刺激を受けた収録
現在、大ヒット公開中のアニメーション映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(以下、『ふりふら』)。
2015年7月号より「別冊マーガレット」(集英社刊)で連載中の原作者・咲坂伊緒さんによる同名漫画を原作に、2020年8月14日(金)には実写版が公開され史上まれにみるW映画化で話題となっています。
そこで、アニメ版でWヒロインの1人・由奈の幼馴染・乾 和臣を演じる斉藤壮馬さんに、アニメ映画化にあたっての作品やキャラクターの印象、胸キュンシーンなどについてインタビュー!
本作は、恋愛に対して現実的で積極的な山本朱里(CV:潘めぐみ)、朱里の義理の弟で、ある葛藤を抱える山本理央(CV:島﨑信長)、朱里とWヒロインとなる、夢見がちで恋愛に対して消極的な市原由奈(CV:鈴木毬花)、由奈の幼馴染で真っ直ぐな好青年・乾 和臣(CV:斉藤壮馬)の4人が、高校生活の中で繰り広げる恋愛模様を描きます。
島﨑信長さんのインタビューはこちら!
思い込みですれ違ったり、うまくいかないながらも、もがきながら頑張る姿に共感!
――本作は『ストロボ・エッジ』『アオハロイド』に続く青春三部作の最後を飾る作品で“ピュアとリアルがぶつかり、成長する”がテーマになっていますが、彼らがぶつかり成長する“片想い”をどのように感じられましたか?
斉藤:キラキラしているという意味での青春的な要素もあり、すごく素敵だなと思う幸せなシーンもたくさんあったんですけど、タイトルに象徴されるように、すれ違ったり思い込みで行動してしまったりする彼らの青さ、若さのような、うまくいかないことがすごくよく描かれているなと。
彼らがうまくいかないながらも、もがきながら頑張っているところに共感して、グッとくるなと思い、とにかく最終的にはみんな幸せになってほしいという思いで「早く次の巻!」と、一気に読んでしまいました。
僕自身も、10代の頃は今よりも知っているものや見えているものが少なかったので、彼らのように自分の見ているものが真実であると思ってしまいがちで、自分の思い込みで誰かに嫌な気持ちを抱いたり、逆にすごく好意を抱いてしまったり。
しかも恋をしている彼らなら、思い込みによる行き違いは当然起こり得るだろうなと思いつつも、幸せになってほしいからこそすごくヤキモキするというか、もう少し丁寧に伝えれば「うまくいったかもしれないのに!」みたいな(苦笑)。
それくらい絶妙なバランスで、続きが気になってしまう咲坂先生の物語運びがとても巧みで、いち漫画好きとして「どうなるの!?」という思いで、どんどんページをめくりましたし、面白くて、魅力的な作品だなと思います。
また、恋愛とはちょっと違いますが、今回のアニメーション映画版は、本当は映画を撮りたいけど家庭の事情で難しいという和臣のキャラクターの軸もかなりわかりやすく描かれていました。
やりたいことがあるけど、いろいろな事情を考慮してできないかもしれない、なら自分が我慢をすればいいんだみたいに僕も昔考えていたことがあるなと思って、共感しながら収録を進められましたね。
――例えば、斉藤さんはどんなことを思われていたんですか?
斉藤:僕も声優の道に飛び込む覚悟がなかなか持てずにいた時期がありました。それでもありがたいことに、決意をして親に伝えてみたら、反対せずに受け止めてくれて。「自分の人生だから、やりたいことをやりなさい」と、「自分の人生だから自分で責任を取りなさい」という2つのことを言ってもらえました。
この作品は、恋なのか自分の将来やりたいことなのか、人それぞれいろいろな形で「1歩踏み出したいけど、なかなか踏み出せない」というもどかしさが、すごく丁寧に描かれていると思うんです。
最終的には、彼らが1歩踏み出せて良かったなと思いますし、10代のうちに自分の本当の気持ちを感じきるという経験ができて、すごくうらやましいなと思いましたね。