音楽
絶望に絶望したことのある全ての人に、ReoNa『unknown』を聴いてほしい

「それは優しいあなたのせいじゃない」。“絶望系アニソンシンガー”ReoNaとして、名もなきお歌で、名もなき絶望を歌った1stアルバム|インタビュー

“ReoNaチーム”だから作れたお歌「絶望年表」

──これまで多くの楽曲を手掛けて来た毛蟹さんと、ハヤシケイさんが作詞・作曲・編曲で共作した「絶望年表」(M9)は、まさに生まれるところからはじまっていきます。

ReoNa:そうなんです。「BIRTHDAY」という言葉は意図したものではなかったので、偶然にも同じアルバムにこの2曲が入りました。

──「絶望年表」はトイピアノのからスタートしますね。

ReoNa:実は私が弾いてるんです。わざとひとさし指だけで。初めての楽器のレコーディングになりました。「絶望年表」はデモの段階から関わらせてもらったんです。そして、「絶望年表」の三本あるギターのうち、ストロークのギターをケイさんに、印象的なフレーズを毛蟹さんに弾いていただき、毛蟹さんとケイさんに初めて、音にも参加してもらいました。

──カントリー風のサウンドになっていますが、これもReoNaさんの希望だったのでしょうか?

ReoNa:そうです。私、カントリーミュージックを、そういったジャンルがあることを知る前から好きで聴いていたんです。例えば、ザ・バンド・ペリーさんの「If I Die Young」や、テイラー・スフィフトさんの初期の楽曲だったり。だから、ReoNaに焦点を当てたお歌を作るなら、カントリーは大切なルーツになると感じて、そういうサウンドにしたいと、トラックメイクの時に毛蟹さんへお願いしました。

──音の段階からいつも以上に関わったとのこと。レコーディングも特別なものになったのではないでしょうか。

ReoNa:はい。楽器のレコーディングのときに、ミュージシャンの方々に「大切な楽曲です。ReoNa自身を投影した楽曲です」とお伝えさせていただきました。そしたら何度も試行錯誤していただき、寄り添いたいと思っている私自身にも寄り添われているんだなって。楽器のブースにケイさんと毛蟹さんがいてくれることにも新しいものを感じました。

──年表というだけに、今までの曲の要素も散りばめられていますよね。

ReoNa:「怪物の詩」だったり、「トウシンダイ」だったり、「おやすみの詩」だったり、「Lotus」だったり…今までのお歌があって、毛蟹さんとケイさんがいたから生まれたお歌です。 “ここまで私自身を反映したお歌なのに、なんで私が全部やってないんだろう”と、悔しく感じる瞬間もあったんです。

でもそれは違っていて、「私1人だったらできてなかったんだな、今までReoNaをずっと一緒に作り続けてくれた人たちだから、できたんだな」と強く思うようになりました。同じLIVE LAB.の仲間で、“ReoNaチーム”だから作れたお歌だと感じています。

──<どこにもいけないことに気づくだけ>という言葉には、「ミミック」を重ねました。

ReoNa:まさにそこは、「ミミック」の歌詞通り<想像するだけ>ですが、ケイさんのことだから、意識的に入れているのかなとも思います。ケイさん曰く「言いたいこと全部詰めたら、これだけの尺になった」ということでしたが、どこも変えられないし、どこも削れないなって思って。そして、説明しすぎてもいけないように感じたんです。

自分の楽曲が出来上がったとき、いつもは言葉を追いかけて聴くことが多いんです。でも、この曲は、歌詞を閉じて聴きました。ケイさんが弾き語りで録った音を聴いて、目を閉じて、光も遮断して。そしたら自然と涙がこぼれて。

最初に聴いたときのその感覚を……誰かに伝えられたらいいなと。これだけ痛みのある物語でも、お歌になったとき、誰かに寄り添うためのものになれたり、誰かが楽しむものになれたらいいなって、かみしめながら歌いました。

──ラストのトラックは大切なデビュー曲「SWEET HURT -plus unknown-」です。

ReoNa:絶望系シンガーReoNaとして初めての、かけがえのない、色褪せないお歌です。実は「SWEET HURT」「forget-me-not」はアルバムにするにあたって音を変えたんです。

──あ、やっぱり!? 音そのものの質感が違いますよね。低音が特に違う印象があって、録りなおしたのかなと思いました。

ReoNa:いえ、アナログテープで通した音を使っているんです。アナログテープに変えると、温かい音に変わるんです。そのかわり、完全な無音というものがなくて。耳を澄ませると、曲が始まる前にテープが回る音、空気の音が小さく入っています。今作は全曲、テープを通した音に変えました。

──ジャケットはどのようなコンセプトで撮影されたのでしょうか。

ReoNa:『unknown』というタイトルなので、もしかしたら、自分自身の顔を見えなくしたほうが良いんじゃないか、シルエットだけにしたほうが良いのかな、とも思っていたんです。

でも1stアルバムだし、私自身だし……と思ったときに、ひとつ「アノニマス」という言葉が上がってきたんです。アノニマスは仮面が特徴的な匿名集団なんです。

おそらく、皆さん写真を見たらわかると思います。匿名だから中身は知られてないはずなのに、みんな顔は知ってる。なるほどなって。それで、今までになく明るい場所で、白という無垢な色をまとって「今の私を残そう」と。等身大の今を残した写真たちになりました。

──フォトブックレットはどのような内容になっているんでしょうか。

ReoNa:街の中、屋上、公園、高架下……1日かけて、いろんな表情の空の下で撮影してきました。どこにでもある景色の中で、どこにでもいて、誰でもなくて、でも私自身で……そんな写真が撮れました。

ミュージックビデオも同じ日に撮影したんです。屋上で撮ったのですが、今までにないくらいカメラが近くにあって。基本的に周りにひとがいなくて、ひとりを感じる状態で表情が切り取られていきました。

──パッケージも含めて楽しみにしています。貴重なお時間をありがとうございました。

[インタビュー&文・逆井マリ / 撮影・相澤宏諒]

ReoNa“初”のフルアルバム「unknown」発売情報

■アルバムタイトル:「unknown」(アンノウン)
■発売日:2020年10月7日(水) レーベル:SACRA MUSIC

■商品仕様:
【完全数量生産限定盤(CD+Blu-ray+フォトブックレット付豪華仕様)】VVCL1744-46 / ¥5,500+税

 

  

【初回生産限定盤(CD+Blu-ray)】VVCL1747-48 / ¥4,000+税

 

 

【通常盤(CD)】VVCL1749 / ¥3,000+税

 

 

CD収録楽曲

 01.unknown
  作詞:傘村トータ(LIVE LAB.) 作曲:傘村トータ(LIVE LAB.) 編曲:PRIMAGIC
 02.forget-me-not TVアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション」2ndクールEDテーマ
  作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:rui(fade) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
 03.Untitled world スマホRPG「アークナイツ- 明日方舟-」中国版1stアニバーサリー主題歌
  作詞:草野華余子 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:堀江晶太
 04.怪物の詩
  作詞:毛蟹(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
 05.Let it Die
  作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
 06.BIRTHDAY
  作詞:堀江晶太 作曲:堀江晶太 編曲:堀江晶太
 07.いかり
  作詞:傘村トータ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
 08.心音
  作詞:傘村トータ(LIVE LAB.) 作曲:rui(fade) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
 09.絶望年表
  作詞:毛蟹(LIVE LAB.)・ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.)・ハヤシケイ(LIVE LAB.)
  編曲:毛蟹(LIVE LAB.)・ハヤシケイ(LIVE LAB.)
 10.ANIMA TVアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」2ndクールOPテーマ
  作詞:毛蟹(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
 11.Till the End 「ソードアート・オンライン」原作小説刊行10周年テーマソング
  作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
 12. SWEET HURT -plus unknown- TVアニメ「ハッピーシュガーライフ」EDテーマ
  作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 編曲:PRIMAGIC

Blu-ray収録映像内容

 ・Music Video(完全数量生産限定盤・初回生産限定盤に収録)
 01.unknown -Music Video- / 02.SWEET HURT -Music Video- / 03.forget-me-not -Music Video- /
 04.怪物の詩 -Music Video- / 05.トウシンダイ -Music Video- / 06.ANIMA - Music Video-

 ・「ReoNa ONE-MAN Live “Birth 2019”」ライブ映像(完全数量生産限定盤のみ 収録・ライブより8曲セレクト)
 01.怪物の詩 / 02.forget-me-not / 03.カナリア / 04.ピルグリム / 05.虹の彼方に / 06.トウシンダイ /
 07.ALONE / 08.Till the End ※2019.10.20 Zepp Tokyoのライブ映像となります。

ReoNaプロフィール

ReoNa(レオナ)/10月20日生まれ。陰のある少女らしいルックスながら、繊細で深い、少年の様な歌を歌うシンガー。“応援者”ではなく、「背中を押さない」「手も引かない」、”代弁者”として“絶望系アニソンシンガー”を掲げる新時代の女性アーティスト。

TVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』にて、劇中歌アーティスト「神崎エルザ」の歌唱を担当、「神崎エルザ starring ReoNa」として2018年7月4日(水)にミニアルバム「ELZA」をリリース(初登場8位を獲得)。ダウンロード部門「レコチョク年間ランキング2018」、新人アーティストランキング1位に、「神崎エルザ starring ReoNa」が選ばれるなど、活躍を見せる。

2018年7月放送開始のTVアニメ『ハッピーシュガーライフ』のエンディングテーマ「SWEET HURT」にて、8月29日(水)にソロデビュー。

“静寂”を武器にした独特のライブスタイルが話題を呼び、10月に行われた初のワンマンライブは即時完売。2019年2月からは初のワンマンライブツアー「ReoNa Live Tour 2019 “Wonder 1284”」を開催、全会場Sold Out。

2019年1月クールのTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のエンディングテーマアーティストに大抜擢され、セカンドシングルとして「forget-me-not」を2月6日(水)にリリース。

6月には世界の癒しのピアノマン、ダニエル・パウターの7年振りの来日ライブにて、ステージでのコラボレーションを実現させる。

6月26日(水)には、神崎エルザ starring ReoNa名義のシングル「Prologue」を、さらに8月28日(水)にはReoNa3rdシングル「Null」をリリース。9月からは初の全国ツアー「ReoNa Live Tour 2019“Colorless”」を開催、そして10月20日(日)、自身の誕生日に初のZepp Tokyoでのワンマンライブ「ReoNa ONE-MAN Live“Birth 2019”」を開催し、チケットは即時Sold Out。

2020年7月クールのTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』2ndクールのOPテーマ「ANIMA」と家庭用ゲーム『ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス』OPテーマ「Scar/let」を収録した4thシングルにて、オリコン週間シングルランキング(8/3付)にて初登場4位を獲得し、今後の活動が期待される、女性アニソンシンガー。

ReoNa オフィシャルサイト
ReoNa Offcial YouTube Channel

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