秋アニメ『NOBLESSE -ノブレス-』新垣樽助さん、平川大輔さんインタビュー|新人時代から切磋琢磨してきた2人が、振り切った演技でスタッフを苦悩させながらも“一を聞いて百を知る”主従関係役で共演
口数の少ないライジェル、感情過多にならないよう意識したフランケンシュタインも、新垣さんと平川さんのアドリブで面白さUP☆
――そんなキャラクターを演じるに当たって、アフレコで意識した部分があれば教えてください。
新垣:収録は現在のような状況になる前に行ったので、基本的には全員そろっての収録でした。
ライジェルに関しては、先ほどもお話した通り、口数が少ない中で気持ちを込めた方が伝わるのか、込めないで相手に察してもらうシーンなのかを、よく考えながらセリフを話していましたね。
あえて気持ちを込めないで、ボソッと言ったひと言から、フランケンシュタインみたいに百を理解して「わかりました」となった方が主従関係というか、「NOBLESSE」としての在り方に相応しいのかもしれないと思うところとか。
現代の人間の進歩に対して少年のように感想を言うところは、もっと気持ちが出てもいいんだろうなとか、自分の中では、そういうところで調整しながら演じていました。
わりと、相手に掛けるセリフは少なくて、独り言に気持ちがこもるセリフと、こもらないセリフという感じで、そこは周りのキャストのかたには演じにくかったのかなと(笑)。
平川:ふふっ(笑)。
新垣:キャッチボールでボールがトン、トン、トンと転がってしまうみたいに、届かない言葉をみんながワッと拾いに行ってくれるので、普段の演技とはまた違いましたけど、僕からは不自由なく、自由にやらせていただきました。
すごく周りのかたに恵まれたなと思いながら、収録していましたね。
平川:基本的には、(フランケンシュタインは)説明するようなセリフが多かったので、クールとまでは言いませんが、あまり感情を過多になりすぎないように、心掛けていた部分がありました。
その反面、マスターに関する言動やちょっとしたコミカルなシーンでは、まず思い切り振り切ったところでやってみて、ディレクターさんにジャッジしていただいて「やり過ぎなので抑えてください」とか(笑)。
一同:(笑)。
平川:そういうところでバランスを取っていました。
普段の彼は、いろいろなことに関しても俯瞰で見えていたり、理解して自分の中で考えて、計算してどうこうしようという感じだったり。
あと、周りが学生たちや「ユニオン」の実験体M-21などで、経験値みたいなことで考えると、圧倒的に自分(フランケンシュタイン)が上という感覚を持っているんじゃないかと思ったので、彼らに対して感情的に何かを言うことはあまりなくて、むしろ淡々と説明していくところを意識してお芝居していました。
マスターに対しては、セリフ上では“一を聞いて百を知る”ような感じでしたが、個人的には「樽、ラクしおって、くそ~」と思いつつ収録していました(笑)。
もちろん冗談ですけど、「今日もセリフ少ないね、樽」と茶化して言ったり。
新垣:「ごちそうさまです!」と返していました。
一同:(笑)。
――ちなみに、アドリブなどはいかがでしたか?
平川:セリフにない、表情が変化しているところや動きに息で入れることはありますけど、特別何か、言葉として「ここで入れよう」というアドリブはないですね。
代わりに、Cパートと呼ばれるエンディング後のコミカルシーンなどで、まず振り切るくらい弾けてやってみて、(スタッフさんたちの)ジャッジを仰ぐと。
新垣:その後、だいたい監督さんたちの「どうしよう」みたいな、長い会議が始まるんですよ(笑)。
平川:僕の演技に対しての会議が始まって、抑えてくださいとディレクションが入ることも多かったんですけど、ラフ映像を見たら最初にやったテイクが使われているところも結構あって、「よし!」と。
一同:(笑)。
新垣:ライジェルも、第3話のCパートで「使われないかもしれない」と言われていた息だけのアドリブが、ラフ映像に入っていたので「やったー!」と思って。
平川:(新垣さんに笑顔で)使われていましたね。先ほど、「ラクしおって」とは言いましたけど、(新垣さんは)息を入れられそうなところはすべからく入れていて、そういうところは「さすがだな」と尊敬しました。
新垣:要らなかったら「切ってください」と、あえて入れていきました。