アニメ『彼女、お借りします』古賀一臣監督 インタビュー! 声優のお芝居に大きな影響を与えたアフレコ方法とは? “バズり”を意識したOPダンスのこだわりについても!
ダメダメ大学生・木ノ下和也と魅力的なヒロインたちの無鉄砲ラブストーリーが描かれる、「週刊少年マガジン」にて連載中の漫画『彼女、お借りします』(以下、かのかり)。本作のTVアニメが2020年7月よりMBS・TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて放送・配信されました。
個性豊かなヒロインたちと、和也の人間ドラマがドキドキ・ハラハラ満載で描かれた本作。最終話ではお話が一段落すると思いきや、より複雑に……!? そんな先が気になる展開の中、第2期制作が発表されました!
そこでアニメイトタイムズでは、本作のキャスト、スタッフにインタビューを実施! 今回は古賀一臣監督です。
本作へ参加したきっかけや制作時の印象深いエピソードなど、第1期が放送された後だからこそのお話を伺っています!
アニメ化の最大の要望は「ヒロインを4人全員出したい」
──改めて原作の第一印象を教えてください。
古賀一臣監督(以下、古賀監督):可愛い女の子と冴えない童貞男子の恋愛漫画という意味ではとても王道で、そこにレンタル彼女という新しい切り口で2人の関係性の変化を見せていくのは面白いなぁというのが第一印象でした。
「レンタル」という関係が2人の繋がりであり物語が進むにつれ枷にもなっていくところが宮島先生は相当考えて設定を作ってるなと思いましたね。
──監督が本作に携わることになった経緯をお聞かせください。
古賀:今作の制作をしているTMS(アニメ制作:トムス・エンタテインメント)の山川Pとは以前別作品で何度か仕事をしていたので、その時の縁で僕に依頼が来た形ですね。とはいえ僕が最初……というわけでもなかったようなので色々運に恵まれたと言えるでしょう(笑)。
──アニメ制作にあたって原作者・宮島礼吏先生とはどんな打ち合わせをされたのでしょうか。キャラクターのデザイン、ストーリー進行など先生側からの要望、もしくはアニメ制作サイドとしての提案などありましたか?
古賀:宮島先生とは最初の顔合わせの後は脚本会議くらいで聞きたいことは大体LINEで直接やり取りしてた気がします。キャラクターデザインはkappe(平山寛菜)さんが出してくれたコンペ用のキャラが一発で先生のお気に入りになったので特には……。
ストーリー進行に関してはやはりヒロインを4人全員出したいというのが先生側というかクライアント側からの最大の要望だったかなぁ……アニメ制作サイドというか、僕からは毎話の引きを原作のように大事にしたいというのと、1クール12話として構成する際に【原作7巻|満足度50|夢と彼女❶の千鶴の「ばーかっ」】までやりたい!というのは提案しました。
──メインスタッフのスタッフィングの経緯についてお聞かせください。また、音楽を担当するヒャダインさんは、アニメファンにとって数々のタイアップ曲などで知られています。ラブコメ作品である本作にオファーした経緯を教えてください。
古賀:メインスタッフは殆どTMSが老舗コメットプロダクションに依頼をして集めて頂いたのですが、キャラクターデザインの平山さんだけは僕が『かのかり』の監督をするという話をした後に自分で原作を読んでコンペを受けさせて欲しいと直訴してくれたので、その場で快諾しました。先に話した通りコンペで出してくれたキャラが素晴らしい出来だったので、彼女は実力でチャンスを掴んだんですよ!
音楽を担当して頂いたヒャダインさんは(僕が古参のニコ厨で前からファンというのもあったのですが(笑))今や殆どの視聴者がテレビだけでなくPCやスマホやタブレット等で配信や動画を観る時代で、イヤフォンやヘッドフォンで音楽を聴く人が増えてるので、そういった層の耳に残るキャッチーなサウンドを作れる人にお願いをしたかったんで、DMMさんにオファーをして貰いました。受けて頂いて本当にありがたかったです。
──制作は多くの作業が並行していたかと思います。本作の制作過程において特に楽しかったエピソード、および苦労したエピソードがあればお聞かせください。
古賀:特に楽しかったのはオールカラーのアフレコで演者が楽しく素晴らしい芝居でキャラに命を吹き込んでくれて宮島先生やクライアントが絶賛して速攻で収録終わった後の呑み会です。スケジュールも順調だったので普段アフレコに呼ばれない部署のスタッフも呼びましたね。自分達の作ったフィルムのコンディションが良好な事が如何に演者の芝居に影響を与えるかを知って欲しかったんです。
苦労したエピソードは特にありません。いや、本当に無いんです(笑)。