『朝食会』コミックス1巻(最新刊)発売記念 渡邊ダイスケ先生・小林拓己先生インタビュー|『朝食会』の連載が始まったきっかけとは?
企画・原案を渡邊ダイスケ先生、イラストを小林拓己先生が担当している漫画『善悪の屑』。
本作に登場する榎加世子を主人公にした『朝食会』のコミックス第1巻が2020年11月30日(月)に発売となります。
アニメイトタイムズでは、1巻の発売を記念して、渡邊先生と小林先生にインタビューを実施。それぞれ活動範囲が異なる先生方から貴重なお話を伺いました。
「朝食会」の連載が始まったきっかけとは?
――まず最初に、『朝食会』発売、おめでとうございます。ノワールコミックの分野で活躍されている渡邊先生と、アダルトな作風が特徴的な小林先生と、活動範囲が異なるイメージの両先生ですが、どんな切っ掛けで「朝食会」を連載しよう、となったかを教えていただけますか?
渡邊先生:確か最初はお酒の席で編集さんから「加世子を主人公にスピンオフをやりませんか?」と声をかけて頂いたのを覚えてます。
僕は女性キャラを描くのが不得意なので「ぜひ、お願いします」と二つ返事で了承しました(笑)
小林先生:『善悪の屑』の頃から渡邊先生の作品が好きで、自分のマンガの背景にコソっとカモを描いたりしていました(笑)
まさか、スピンオフをやらせてもらえるとは思わず、担当さんに冗談で加世子描きたいなぁなどと言っていたのですが、渡邊先生より快いお返事をいただき、嬉しさのあまり、戸惑いました。
――『朝食会』の連載に当たり、両先生が一番気を付けている部分、こだわっている部分は何でしょうか?
渡邊先生:今回はおおまかな設定は僕が考えて後は、殆ど小林先生にお任せしてますので。僕も一読者として楽しませて頂いてます。
小林先生:まずは『善悪の屑』や『外道の歌』のリアルで生なカンジの世界観をこわさないようにってことが重要ですね。その上で、どう自分ならではの色を加えていけるかってことだと思っています。
加世子はこの作品中、一番ナゾが多い人物だと思っています。まず、これ程のお嬢様がどんな生活をしているのか、ちょっとリアルに想像できないし(笑)
その加世子の内面を私自身がどれくらい理解できるかが勝負だと思っています。
――まだ『朝食会』には未登場の中で、「このキャラは登場させたい」という『善悪の屑』『外道の歌』のキャラクターはいますか?
渡邊先生:もし描いて頂けるなら、どのキャラも見てみたいですね。とくに小林先生が描いたトラとか。
小林先生:誰を描きたいかって言われたら、やはりカモとトラですね。番外編とかでカモとトラのBLネタを…あ! これは冗談です(笑)
冗談はさて置いて、数年前すでに加世子とカモとトラは「ある事件」で間接的に関わっていたってエピソードとか入れたいですね。
――『善悪の屑』『外道の歌』のキャラクターで、次にスピンオフを描いてみたい、と考えているキャラクターはいますか?
渡邊先生:榊葉介というキャラクターがいるのですが、もし描く余地があるとしたら、あのキャラでしょうか。
あと『隣人トラブル編』で描いた尾賀というキャラクターの、その後がみてみたいです(笑)
小林先生:『善悪の屑』も『外道の歌』も魅力的なキャラばかり。その中でも特に、渡邊先生と同じく榊哲と葉介は気になる存在ですね。
あとは、ゲイバーのお姉さん。あの話は彼女の心情に泣きました。
――作品中、こういったところに注目してみる(読む)とより作品を楽しめるといったポイントがございましたら教えてください。
渡邊先生:なんといっても小林先生が描いてくださった『加世子』です。僕には描けない繊細さと美しさがあります。
小林先生:本来、私は渡邊先生のように、リアルな人間心理を「語らずして描く」ってタイプの作家ではないのですが、渡邊先生の手法にとても惚れ込んでいます。
自分なりに「語らずして描く」心理描写が出来たらと思っています。力不足ではありますが、そこを見てもらえたらうれしいです。