『映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』プロデューサーが本作で伝えたかったメッセージ|今だからこそ見てほしい作品、何度も足を運びたくなるギミックも
現在放送中の『ヒーリングっど♥プリキュア』(毎週日曜 朝8:30-9:00、ABCテレビ・テレビ朝日系列)と、『スター☆トゥインクルプリキュア』、『HUGっと!プリキュア』の3作品の13人のプリキュアが勢ぞろい! 『プリキュア』シリーズの作品が夢のクロスオーバーする『映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』が2020年10月31日から全国公開!
今作は〈今日〉を繰り返してしまうという不思議な1日の中で映画オリジナルキャラのミラクルンとリフレイン、プリキュアの熱いバトルシーンなどが繰り広げられ見どころ盛りだくさん! 公開を記念して、本作のプロデューサーである東映アニメーションの内藤圭祐さんに3月公開予定から2度の延期を経て、遂に公開される心境や今作の見どころ、オリジナルキャラがどのように生まれ方などについて語っていただきました。
『プリキュア』シリーズは子供たちを夢中に勇気や感動を与える作品
――『映画プリキュアミラクルリープ』は3月公開予定から2度の延期を経て、10月31日の公開を待つばかりとなりました。現在の感想をお聞かせください。
内藤圭祐プロデューサー(以下、内藤):ようやく公開できるという安堵の気持ちと、待っていただいた『プリキュア』ファンの方、ご協力いただいた関係者の皆さんに感謝しております。
――これまで『プリキュア』シリーズに関わられてきた中で抱いていたイメージと、印象深い『プリキュア』シリーズ作品を挙げてください。
内藤:各TVシリーズや劇場版それぞれ、掲げているテーマは異なりますが、その時々で、お子さまたちを夢中にさせ、勇気や感動を与える作品じゃないかなと思っています。個人的に印象深い作品といえば、やっぱり自分が初めて『プリキュア』シリーズに関わらせていただいた『魔法つかいプリキュア!』になりますね。
初監督を務める深澤監督は魂を揺さぶる熱いフィルムを作る人
――『プリキュアミラクルリープ』で、深澤敏則監督を起用した経緯を教えてください。
内藤:監督は毎回、制作の編成を担っているセクションと協議して、タイミングやキャリアなどを考慮しながら決めていきます。今回、深澤監督にお願いしたのは、長期に渡ってシリーズディレクターとして『ONE PIECE』に関わられていましたが、ちょうどその交代の時期と本作のタイミングと合ったことでお願いすることができました。
――内藤プロデューサーが感じる深澤監督の特長や良さとは?
内藤:今まで女の子向けの作品にはあまり携わってこなかったとおっしゃられていて、実際に手掛けられた作品を見ても『デジモン』シリーズや『トリコ』、『探検ドリランド』など男の子向けのアニメが多いんですよね。でも今作では『プリキュア』として大事にしたいことをしっかり汲み取ってくれた上で、深澤監督の特長でもある熱くなるアクションやクライマックスのピークの持って行き方など、魂が揺さぶられる熱いフィルムを作っていただけたと思っています。
またパーソナリティの面でも頼もしさしかなくて。『プリキュア』の映画は基本的に1年に2本制作するスケジュールになっており、潤沢な時間は用意されていなくて。毎年シリーズが変わっていくので、その間に急ピッチでTVシリーズの様子を見つつ、時間がない中で作っていくんですけど、深澤監督はどんな時でもどっしり構えて動じず、制作スタッフのリーダーとして引っ張ってくれました。
作品のテーマは環境の変化などで不安を感じている子供たちに一歩進もうよというメッセージ
――どのように今作のテーマやストーリーの骨格を作られたのでしょうか?
内藤:当初は3月公開予定だったので、子供たちにどういったメッセージを届けたいかから考えました。春は子供たちを取り巻く環境が変わる季節で、例えば幼稚園に入るとか、卒園して小学校に上がるとか、転校や転園があったりとか、春の持つポジティブなイメージとは裏腹に一抹の寂しさやせつなさもあって。
また子供は敏感なので、時に思い悩んでしまうケースもあるそうで、そんな時期に公開する映画だからこそ、環境の変化によって不安や迷いを抱くことがあるかもしれないけど、一歩前に進むときっといいことがあるよと。プリキュアもそばにいるから一緒に進んでいこうよというメッセージを込めたいなと思いました。
――今作ではリフレインと、ミラクルンというオリジナルキャラが登場しますが、どのように構築されたのでしょうか? またキャスティングに関しても教えてください。
内藤:TVシリーズの映画であり、春の映画の特徴でもある3世代の作品が登場するクロスオーバーということもあって、みんなを繋ぐためにもオリジナルキャラクターが必要だと考えました。放送がはじまったばかりの『ヒーリングっど♥プリキュア』の後押しもしたいということもあり、世界観や背景はベースにしていますが、敵はシリーズのキャラクターだと描きづらいし、映画ならではの派手さやストーリーのためにも今作でもオリジナルキャラを登場させてます。
『プリキュア』シリーズの映画は見に来てくれたお子さんたちが見るだけではなく、プリキュアを応援したり、ミラクルライトを振って力を与えるという仕掛けがしばらく続いておりますが、そのミラクルライトの意味合いをより強くしたいと思って、ミラクルライトをキャラクターにしました。
キャスティングに関しては、まず敵のリフレインは、プリキュア13人に立ちはだかる強大さに加えて、悲哀や背景のドラマがあったので、感情の機微を演じ分けていただく必要がありました。そこで深澤監督に『ONE PIECE』で長期間ご一緒されて信頼できる役者さんで、キャラクター像にもピッタリ合うということで平田広明さんを上げてもらいました。
ミラクルンは『プリキュア』3作品のキャラとは世界観も考え方もまったく違うキャラなので、本職の声優さんではない方で違いが出せたらいいなと。いろいろ候補が上がった中で、かわいくて親近感を持ってもらえるキャラに合うのではと思って、子役で活動されている稲垣来泉さんにお願いすることにしました。