僕がイメージする『きらら』作品として作っています――秋アニメ『おちこぼれフルーツタルト』川口敬一郎監督 インタビュー│手描きのダンスシーンのこだわりも明らかに
舞台の東小金井はfeel.の地元のため、やりやすさと予想外のことも!?
――制作する上で意識した点やこだわった点、各スタッフに要望したことはありますか?
川口:原作の舞台が東小金井で、feel.の所在地でもあるので「これはやるしかないでしょ!」とスタッフ陣の気合が入っていたことを覚えています(笑)。普通のアニメ制作プラスご当地ものの部分も出していこうというオーダーもありました。
地元の方に協力していただけたらいいねと話していて、実際に小金井市全体でいろいろなキャンペーンをしてくださっています。でも制作を始めた時はまだ確定していなかったので、「きっと大丈夫だろう」と想定してシナリオを作っていたし、東小金井の風景もどこまで入れられるのかもギリギリまで決まらなくて。
物語の舞台として出さなくてはいけないところは許諾を得て、取材にも行かせていただきました。あとは女の子がたくさんでてきて、楽しい、久々のfeel.らしい作品だったので、みんなで楽しく作れたらいいなと。
――地元が舞台だとロケ班も遠出することなく、スタッフもよく知っているので描きやすかったのでは?
川口:といいながらも地域が開発中だったので、駅前など資料用の撮影をした時とちょっと変わってしまっているところもあって。聖地巡礼をされている方もいらっしゃいますが、Twitterでも「ちょっと違くない?」という書き込みも見られて。美術設定を制作したのは1年前なのでそこはご了承ください(笑)。
4コママンガのアニメ化で悩んだ点は「〇〇ないこと」?
――4コママンガが原作の作品をアニメ化する場合に難しさを感じることは?
川口:『きらら』特有かもしれませんが、4コマ目でオチないことが多くて。オチがなくていいのかなと考えさせられました。必ずしもオチがなくてもいいと思うけど、その判断が難しいかもしれません。
アニメの編集をしてくれている丸山さんから度々「これ、オチがないんじゃないですか?」と尋ねられるけど、「これはこういうものだからいいんです!」と説明すると「わかりました」と(笑)。
――あのテイストだからきっちりと締めたり、オトさなくても気にならないと思います。
川口:そこが原作の持ち味ですからね。変えていくとどんどん違うものになってしまうし。
若いアイドルの卵たちが借金返済のために頑張る物語ですが、それがメインではないし、あくまでセットアップ的な設定なので。あまり細かい部分を気にせず、楽しんでいただけたらと思います。