学芸大青春 主演3Dドラマ『漂流兄弟』シーズン2配信開始記念キャストインタビュー|自然すぎる演技の秘密は共同生活にあった
“当たり前”を再認識できる温かい物語
――相沢さんは『漂流兄弟』シーズン1を改めて見る上でどんなところに注目してほしいですか?
相沢:兄弟それぞれで性格やら何やらいろいろ違うと思うんですけど、愛の形、表現の仕方が一番違うな、と思っていて。
例えばマサ兄だったら、本当は兄弟のことが大好きで、大切にしたいし仲良くしたいけど、どこか素直になれなくて、うまく伝えられないから誤解されちゃう。ユウの場合は、兄弟に対して見下しているような態度で、ツンツンしている部分が目立ったりします。
兄弟全員、父さんと母さんが大好きで、家族を大事にしているという共通の思いはあるんですけど、表現の仕方がそれぞれ違うからすれ違ってケンカになっちゃう、というようなことが全編通して描かれていて。一人一人の性格によって愛の形は違うけど、受け止め方もまたいろいろあるんだ、ということが話数が進むにつれてどんどん分かってくるのかな、と思います。
南:愛の化身だね。
一同:(笑)
相沢:ふふ。兄弟だからこそ素直になれない、みたいな部分はすごく共感してもらえるのかな、と思ってます。
――確かに、ユウも実はマサを認めている、ということが端々には見えていたりしますよね。
南:そうなんです! 実はね。
相沢:「クソ兄貴」と呼ぶように、基本的には見下しているような感じなんですけど、心のどこかでは認めている部分もあると思います。
南:第4話で、実はマサが一人でピラミッドを直してくれて、みたいなシーンがあるんです。
内田:伝説のシーン。
南:そんなことがあったのでマサは家で倒れてるんですけど、他の兄弟は気づかずに帰ってきて。そこでユウが「マサ兄は俺たちのことなんてほっといて、一人で自由にすればいいんだよ」っていう台詞があるんです。
一見悪口に聞こえる台詞なんですけど、実は「俺たちのことなんて気にしないで、もっと自由になってほしい」みたいな、ユウなりに兄への愛を込めた台詞なのかな、という気がしましたね。
相沢:素晴らしいです。
内田:あのときマサ兄は聞こえてないけど、内田には聞こえてたんで。その台詞は刺さってます。
相沢:第4話のあのシーンは、まさにそういうシーンだったね。あの台詞はマサ兄の目の前では言えないことだったので。普段だったら絶対出ないような言葉というか。そういうところを考えるのも、ひとつの見方かな、と思います。
――流石、クレオパトラを口説いた男は違いますね。
一同:(笑)
相沢:あはは(笑)。ちなみに、第4話でクレオパトラの誘惑を受けて家を出ていくシーンがあって、その時にそれぞれ置き手紙を残していくんですけど、実はその手紙って実際に俺らが書いたものになってるんですよ。
――へえー! そうなんですね。
相沢:字を綺麗に書くのが苦手なので、「実際に書くよ」と言われたときは、正直恥ずかしいから嫌だなって思ってました(笑)。しかもユウは綺麗に書きそうじゃないですか。
でも、急に上手くなるわけもないので、とにかく精一杯丁寧に書きました。「ああ、頑張って書いたんだな」と思って見ていただければと思います(笑)。
――確かにあのシーンを見たときに「なんか字が可愛いな」と思ってました(笑)。そういうことだったんですね。
相沢:そうなんです。頑張って書きました。
――仲川さんはいかがですか?
仲川:10分のショートドラマ、1話完結、YouTubeとTwitterなので無料、と見やすいものになっていると思うので、まずはぜひ気軽に見てほしいです。
第5話のレンの台詞は、今後の展開において重要になってくるようなキーワードも出てくるので、そういった部分にも注目して、しっかり見ていただけたらより嬉しいですね。
――なるほど。素晴らしいまとめをありがとうございます。ですが最後にもう一人、内田さん、お願いします。
内田:えーー、そうですね……。
南:おっと、大丈夫か?
一同:(笑)
内田:みんなが言っちゃったからなあ。
ただ、そうですね、自分たちが演技初挑戦というのも含め、10分の中にホントにたくさんの温かいストーリーが詰まってるな、と思います。シーズン1、2通して観てもらえれば、勇仁の話にあったような愛の形だったり、身近なものだからこそ薄れてしまう“当たり前”の大切さに改めて気付けるんじゃないかな、と。
――技術は最先端だけど、お話としては普遍的な、ハートフルなものになっているのがいいですよね。
内田:そうですね。ほっこり温かいです。