『ローリング☆ガールズ』Blu-ray BOX ~5周年記念特装版~発売記念座談会|日高里菜(小坂結季奈役)×種田梨沙(響 逢衣役)×むとうやすゆき(脚本)【第2弾】
日高さんが経験したオーディションでの他ではあまりないエピソードとは?
――すでに『ロリガ』愛をひしひし感じているのですが、『ロリガ』に対して、どんな思い出がありますか?
日高:役者陣でのイベントとしては、隔週先行上映会というのは珍しかったなと思います。あとはスタンプ会という、来てくださるファンの方と短い時間ですけど、お話する機会があったのも、今の熱量につながっていると思います。あとはTHE BLUE HEARTSさんの歌を歌ったり、1クールとは思えないくらいいろいろな活動をさせてもらったなと思います。
でもやっぱり、作品の面白さ、そしてパワーが一番大きいです。放送が終わってから、何度も観返してきたし、今回のコメンタリー収録前にも観返しているし、何ならその前のスピンオフ本での小澤亜李ちゃんとの座談会前にも観返しているので、どれだけ観ているんだって感じですけど(笑)、それくらい面白いんです! だからこそ話したいことがありすぎるんです!
種田:最初「この4人がメインキャラなんですけど、モブです」と言われたときに、まったく意味がわからなかったんですよ(笑)。モブのお芝居ってどんなだっけ?と。でも実際に演じてみたら、全員が主人公なんじゃないかなという解釈もできるくらい、モブにも名前があって個性があって、全キャラクターに思い入れが持てる作品だったんですよね。
それって自分の好きな世界観だし、アニメもよく動いて、豪華な作りになっていたなと思います。私が演じていた逢衣の破天荒な感じも、あまり演じたことがないキャラクターだったんです。言ってしまえば男の子のような性格で、お芝居も自由に、ナチュラルな感じで、思うようにやってくださいと言われていたので、今聞いても、私含めてみんなの芝居が他の作品とは少し違う感じがします。ゲストキャラクターの声優さんも、2話しか出ていなくても、ずっと作品にいたかのような温かさがあったし、イベントの思い出もありますけど、私はアフレコもすごく鮮明に思い出せるんですよね。人数も多くて、みんなうるさかったなぁって(笑)。
日高:本当に豪華だったんですよね!
種田:あんなに声優さんたちが楽しそうな現場も多くないというか。1話だけで来ている方や、「番レギュ」という、毎回モブをやってくださる声優さんもいて、本当にみんなで作っている感が強かったので、家族みたいでした。
日高:ゲストの方々も「この作品面白いね」って、いろいろ聞いてくれたこともうれしかったなぁ。
種田:昔からお世話になっている声優さんが「いい作品に出られたね」と言ってくださったり、はじめましての声優さんも、キャラについてすごく語ってくれたりして、うれしかった。
日高:それと、オーディションの思い出もあるんですよ! テープオーディションからだったんですけど、結季奈と千綾を受けていて、2キャラでスタジオオーディションに進んだんです。その当時、結季奈みたいなキャラクターを演じることがなかったんですけど、印象的だったのが、音響監督のはた(しょう二)さんに、二役を演じたあと、「スタッフブースには声を返していないから聞くけど、どっちが自分にしっくり来ている?」って聞かれて! オーディション現場でそんなことあります? もし違うほうを選んだら、私落ちるの?みたいな(笑)。
当時、千綾みたいな小さい子をやることが多かったんですけど、なぜか結季奈でしっくりきたというか、ワクワクしたんですよね。「実は、結季奈が……」と言ったら、「きっと同じ気持ちだよ」と言ってくれて。え――! ってなりました(笑)。でも、もちろんその場で結果は出ていないのでわからなかったんですけど、自分に素直になって良かったなと思いながら帰った記憶があって、そういう意味でも印象的でした。でも普通、こんなことはないんですよ!
種田:うん、ない。
日高:やったことがないタイプだったし、みなさんの等身大のお芝居や、周りの尊敬できる先輩方のお芝居を見て、私も悩むことが多かったです。どうすれば結季奈の魅力が出るんだろうとか、もっと自然にできないのかっていろいろ考えました。今考えると少しは成長できたのかなって思いはあるし、あの現場だから、あの頃だから出せたものもあると思うけど、まだまだ演じていたいなぁっていう気持ちはあるんですよね……。
種田:リメイクではなく、新しいエピソードをやってみたいよね!
日高:スピンオフ小説を見ていただければわかるんですけど、まだいっぱい魅力的なお話があるんですよ。だからファンとしても観たいなと思います。
種田:!!!っ またむとうさんが、まったくしゃべっていない(笑)!
むとう:いや、なんか至福のときだなと思って(笑)。この歓びはこの立場になってみないとわからないと思います(笑)。これだけ語ってもらえたら、僕からは何も言うことはないです。
種田:せっかくの座談会ですから! 逆にむとうさんは映像化してほしいエピソードとかはありますか?
むとう:それこそ逢衣のスピンオフなんかは、長編でやってみたいですね。
種田:「エイトビート」! 私もやりたいです! 物語を書いているときって、役者さんの声が聞こえていたりするんですか?
むとう:書いているときは、みなさんの声がちゃんと聞こえています。なので、多分どれも声に出して読んでもらったらしっくり来る台詞になっているんじゃないかなと思っています。
種田:まだ出していないエピソードも、むとうさんの中にあるんですか?
むとう:やるんだったら、大きな企画のときが良いなと思って、取っておいてある話はあるかな……。
種田:今あるスピンオフ小説は、1キャラずつ焦点を当てたエピソードですもんね。
――たとえばイベントの朗読やドラマCDとかで、スピンオフの話を聴いてみたい気もしますよね。
むとう:いいですね。 新規の台詞を4人揃って、みんなの前で演ってくれたりしたら、ファンのみんなと一緒に僕も泣いてしまうかもしれないです(笑)。
種田:たぶんキャストも……。
日高:泣くっ!!
むとう:映像にでもなって、動いている姿が見られたら、みんなどうなっちゃうんだろう。
種田:これだけこだわって映像にしてくださったので、スピンオフ小説を読んでいても絵が浮かぶんですよね。もしかしたらこういう風になっているんじゃないのかなって。それが想像できるのも良さだなと思いました。