映画『HoneyWorks 10th Anniversary “LIP×LIP FILM×LIVE”』勇次郎と愛蔵の人間味あふれる可愛さに注目! HoneyWorksのGomさん、shitoさん、ヤマコさんインタビュー
どんどん膨らんでいった愛蔵と勇次郎の関係性
――勇次郎と愛蔵の2人の関係性も惹かれる部分ではありますが、最初から関係性は決められていたのでしょうか? それとも少しずつ構築されていったのでしょうか?
ヤマコ:仲が悪いというところと、ビジュアルもちょっと可愛い感じとカッコいい路線というのはすでに決まっていたので、そこから徐々に作っていきました。
shito:楽曲からどんどんキャラクターが出来上がっていきましたね。
作詞をしているときに、作詞の中でこういうことを言わせよう、ちょっと勇次郎だったら可愛く言うよね、愛蔵だったらカッコよく言うよね、とだんだん膨らんでいき、その延長線上でアニメになった感じです。
ヤマコ:こういうセリフを言っているなら、こういう表情でイケイケにしよう、すごく可愛くしようというように、少しずつ作られていきました。
Gom:キャラクターに関しては小説・アニメ・映画で掘り下げてくれている部分があるので、僕たちも刺激を受けて“じゃあ次はこういう曲を書こう!”という気持ちにつながるんです。今回の映画でも「LIP×LIP」の関係性が掘り下げているので、すごく良かったな、と思います。
――今回の映画では、脚本にも携わっているとお伺いしました。
ヤマコ:はい。一緒にどういう方向性で作っていくのか話し合いました。
Gom:プロット段階から“こうしたい”と意見を出し合って、出来上がった脚本を読ませていただき、そこからまたセリフの言い回しなど細かいところをみんなで相談しながら仕上げていきました。
――本作で魅せたいと思ったシーンを教えてください。
Gom:やっぱり歌唱シーンですね。アニメになるのでカッコよく見せたい気持ちはありましたし、自分の願望でもありました。実際に完成した映像を見て、ちゃんと表現できたんじゃないかな、と。歌唱シーンは見どころでもあり、気持ちが入っているシーンです。
楽曲制作とキャラクターの描き方
――「LIP×LIP」の楽曲はキャラクターの心情が現れていたり、物語にも紐づいていたりと魅力的な曲ばかりですが、どのような過程で「LIP×LIP」の楽曲が生まれているのでしょうか?
Gom:キャラクターに引っ張られているところもあれば、このキャラクターがこんなセリフを言ったら面白い、このパートは勇次郎よりも愛蔵だな、などいろいろな要素が出てきます。
shito:プロデューサー目線になってしまいますが、「LIP×LIP」の曲はどこまでキャラクターソングにするのか、どこまでアイドルソングにするのか、どこまでメッセージソングにするのかという分量のバランスにいつも悩んでいます。
完全なキャラクターソングだったらアイドルではなくなってしまいますし、アイドルソングでもメッセージ性のある楽曲だったり、キャラクターのニュアンスがちょっと入っていると人間味のある、感情移入しやすい曲になったり。
なるべくバランス良く落とし込みたい気持ちがあるので、そういう部分に気をつけながら作っています。
――楽曲のテーマや曲調によって、バランスの良い分量を探しているのですね。
shito:どちらかというと、サビとかはキラキラ要素やアイドル要素を多めにしますが、やっぱり作ったメロディーによって変わるので、哀愁感があるメロディーならちょっと落とそうかという話をよくしています。Bメロは落ちている率が高いです(笑)。
Gom:うんうん(笑)。
shito:人間の悩みや弱い部分がBメロの落ち込みに現れていて、「でも頑張ろう!」という気持ちのサビにつながっています。
――ヤマコさんは主にキャラクターデザインを担当されていますが、勇次郎と愛蔵を描く際に意識していることはありますか?
ヤマコ:愛蔵のほうが高身長で運動ができるということもあり、とにかくカッコ良くを意識しています。
勇次郎は可愛らしい見た目をしていますが、可愛すぎず、あざとくファンサできるキャラクター。あくまで男性アイドルなので、そこを意識して描いています。