日常系だけど非日常!? 　放送直前テレビアニメ『アイドールズ！』Vtuberとしても活躍する新人声優にインタビュー

老舗アニメーション制作会社・シンエイ動画と、大手声優事務所・81プロデュースが共同で展開するオーディション企画“アイドールズプロジェクト”。その結晶ともいうべきテレビアニメが、1月8日からBS朝日で放送を開始します。

放送を間近に控えた今回は、メインキャラクターを演じる“あいな”役の留冬藍名さん、“あみ”役の水野亜美さん、“しおり”役の花岡志織さん、“るか”役の屋代瑠花さん、4人の新人声優にお話をうかがいました。

“諦めムード”で臨んだ公開オーディション　ファンの声援に支えられて壇上へ

――テレビアニメ『アイドールズ！』放送まであとわずかです。放送を間近に控えた今の気持ちは？

留冬：まだ実感がわかないんですけど、あと1ヶ月もないんだと思うとドキドキしますね。自分の声がテレビから聴こえてくるって考えると、緊張するね。

一同：わかるー!!

屋代：でも、早くみんなに観てもらいたいっていう気持ちもある！

花岡：動き出してから長いプロジェクトで、その間にもいろいろやっていたので「そっか、まだアニメは始まってなかったんだ！」っていう感じすらあります。

水野：だよね（笑）。わたしたちにとってはアニメがゴールじゃないからね！　私はアニメの後もみんなと一緒に、いろんな活動ができたらいいなと思って過ごしてるからね。

留冬：もっと、いろんなところへ行きたいな。これまで、直接（ファンの）みなさんのお顔を見る機会が一度もなかったので、生放送でいつもコメントしてくださる方とか、ぜひ会ってみたい。

水野：なかなかこのご時世で難しいんですけど、落ち着いた先のことはたくさん考えてます。

――みなさんは、多数の新人声優が参加した“アイドールズプロジェクト”でのさまざまな活動を経て、2019年に開催された公開オーディションで『アイドールズ！』のメインキャストに選ばれましたが、合格時の気持ちは？

留冬：私は半ば諦めムードだったんです。“赤”を受けていたのは、みんな魅力的な子ばかりだったので。でも「私のお芝居を見てほしい！」という気持ちだけでオーディションのステージに立ちました。生放送中だったので楽屋でコメントを読めたんですが、私を応援してくださっている方のコメントを見て「負けらんねえ！」って泣きそうになりました。みなさんのおかげで「勝ちたい！」という気持ちが大きくなっていって、ステージで私の名前が呼ばれた時は、本当にみなさんが選んでくれたんだなと。すごくうれしかったですね。

水野：私は逆に「気にしすぎるのもよくないな」と思って、自分のオリジナリティをキャラクターと連動させることだけを集中してオーディションに臨みました。それで、監督や周りの方が「ピッタリだった」と言ってくれたので、「この役をやってもいいのかな」って。でも、不安な気持ちはありましたね（笑）。

花岡：私も「もうダメだ！」って思ってました。公開オーディションの前のウェブ投票では1位をいただいてたんですけど、生のお芝居を見ていただいての評価となると自信がなくて……。でも選んでいただけたので、他の参加者の子や、見てくださっている方、それぞれに思っていることがあるはずだから、その思いをこぼさないようにしたいなと。だから、私が『アイドールズ！』の活動に真剣に取り組むことが、他の子たちの思いを引き継ぐことになるんじゃないかと思ってます。

屋代：私も受かると考えていなくて、「最後だし、楽しんでお芝居しよう」という気持ちで挑んでいたので、発表時には「誰が受かるのかな。おめでとうございます」って思ってたんです。「屋代瑠花さん」って呼ばれても、「屋代瑠花さんおめでとうございます……」って。理解するまでにしばらくかかっちゃいました（笑）。でも、とってもうれしくて、泣きながら親に報告しました。実は、こうしてみんなと活動していることが、いまだに夢みたいです。みんな優しくて、いいメンバーに恵まれて……こんなに幸せでいいのかなって感じです。

「よくわからないままでいい！」謎に包まれたテレビアニメ『アイドールズ！』の見どころ

――テレビアニメ『アイドールズ！』は、公式サイトに「目指せ！　ほいほいホール！　この物語は、空席祭りなアイドルがキャパ100人のライブハウスを満席するために奮闘する、10日間の熱くてゆる～い物語である！」とありますが、実際のところ、どんな作品になるのかよくわからないところがあります。

留冬：よくわからないままでいいと思います。“ガチ王道アイドルアニメ”という感じじゃないので……。“アイドルアニメ”なの？　って（笑）。“アイドルの日常アニメ”なんですよ。

水野：日常アニメだけど、非日常のシーン多くない？

留冬：ツッコミどころが多いの！　台本に目を通しても「えっ!?」ってなることが多いかも。

花岡：「どうして、ここでこういう展開になるの!?」っていうことがあるよね（笑）。

屋代：ギャグアニメであり、ホームドラマでもあるのかなって。

留冬：きっと、見たらびっくりすると思います（笑）。

屋代：新しい形のアニメだと思います！

花岡：最近ではVtuberさんのアニメもあるけど、それとはまたちょっと違った感じで。ガチガチの台本が用意されているし。

屋代：ストーリー性があるけど自由度も高い。もしかして、すごい作品なんじゃ……。

花岡：監督が私たちの意見を求めてくださるんですよね。「このキャラならこう言うだろうな」っていうようなことを自分たちで考えて、それが本当に採用されちゃう。

屋代：アドリブも多いので、そこも見どころのひとつです。

――キャラクターは3DCGで描かれていて、みなさんがモーションキャプチャーで動きも担当しているんですよね。

広報担当：その話題については、本日（12月5日）公開のPVが完成しているので、そちらを見てもらった後のほうがいいですね。みなさんまだ見たことないですよね？

水野、屋代、花岡：**まだ～！

留冬：私はナレーション収録したから見てます。すごいよ！

※PV鑑賞中……

水野：えー、待って待ってやばいやばい！

屋代：アイドルアニメじゃんこんなの！

花岡：かわいい!!

水野：収録のときとCGがぜんぜん違う！　ツヤツヤに光ってる!!

留冬：めっちゃダンスうまく見えへん……？

花岡：動きがリアル！　これが全部私たちの動きなんだと思うと感慨深いです。

水野：私たちの動きが反映されているからこそ、アニメっぽくもあるし、人間みもあるっていう。それが、すごくおもしろい!!

留冬：モーションキャプチャーだから、私たちそれぞれの個性が見られるんです。もちろんキャラクターを意識して演じてますが、「今の瑠花っぽい」みたいな“中の人”が透けて見える部分もあると思います。「今回はしおりに注目！」みたいに、何度も視点を変えて見ていただくのもおもしろいと思います。

――みなさんが演じるキャラクターはご自分と同じ名前ですが、役に共感する点などはありますか？

留冬：私は全部です。あいなは自分に自信が持てない子で、なかなか前に出られなかったり、周囲に合わせてしまったりするんですが、その中にたまに自分の意志が出てくるところが、すごくよくわかります。オーディションでキャラ表を見たときも「これ、めっちゃ私だな……」って思っていました。あえて（あいな役で受けるか）選ぶか悩むくらい共感できる子でしたね。

水野：藍名の内側に秘めたものが、素直に出ていた気がする。私はもう、あみは自分だと思ってます（笑）。

留冬：そうそう。私たちはキャラにそっくり（笑）。

水野：もとから似てるのもあるけど、もっと一緒にしたいなと思って、自分からあみに歩み寄ってます。

花岡：しおりのキャラマクター設定が“かわいい”こと以外は謎に包まれているので、「似てないな！」って思ってたんです。でも、台本を読んでいくと、しおりのイメージがどんどん変わっていって。しおりは意外とリアリストなところがあって、「わかっているけど、みんなが口に出さないようにしている厳しい現状」みたいなのを、ズバッと言うタイプなんです。

水野：大人だよねえ。

花岡：最年少キャラなんだけどしっかり考えていて、それを言える子なので、メンバーの中での立ち位置的には似ているのかなって思います。

留冬：あいなは一応『アイドールズ！』のリーダーということになっているんですが、私自信はまったくリーダーらしいことをしていないんですよね（笑）。

水野：自覚はあったんだね！

留冬：あるよ！　そういう亜美だって副リーダーじゃん!!　……どちらかというと、志織がリーダーとしてみんなを引っ張ってくれる感じがあって、すごく助かってます。

屋代：うんうん、志織に頼っちゃう。私は、るかが“クール＆ミステリアス”という設定なので、性格はあまり似てないかなと思ってます。私自身は、にぎやかでわかりやすいタイプなので（笑）。でも、キャラクターとかけ離れているからこそ、客観的に演じやすいですね。私の声質は落ち着いている方なので、そこもるかには会っているのかな。

留冬：見た目は似てるよね。黙っていればキレイで大人っぽい女性だもん。るかも、しゃべるとちょっとアレだから……やっぱり似てるのかも!!

屋代：あ、ありがとう……？　るかは、結構天然で変なことも言うもんね。

留冬：そして、それをあいなが真に受けちゃう（笑）。

屋代：教育には悪いかも。