同時に“夢”を持つ喜びを知れた――劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』アマゾン・トリオ / 日野聡さん、豊永利行さん、蒼井翔太さんインタビュー
この3人で良かった
――お芝居の面でお互いに影響された部分はありましたか?
日野:先陣をきってくれたのが翔ちゃんでした。
豊永:うんうん!
日野:フィッシュ・アイの戦う様を見て、それに続く我々も非常に強い影響を受けていました。
我々アマゾン・トリオは元は動物とはいえ、人の姿になり、夢を持つことの喜びを知る役どころなので、そこで自分たちの夢に対するエネルギーや叶えたい思い、彼らなりの正義を持っての戦いでした。
フィッシュ・アイが散り、仇を取りたいという思いも自分の中に秘めつつ、私も散ってしまい、ホークス・アイへと続きます。
豊永:そうですね。ホークス・アイはちょっとだけ夢を持つことができた、そして夢が叶ったというところで……
日野:そこはまた悲しいエピソードですよね。
――アマゾン・トリオはスピンオフ作品が欲しくなるほど、まだまだ3人の姿を見ていたい気持ちがあります。
日野:そうなんです。今後、スピンオフ作品は出ます!
一同:!?
日野:と言い続けていたら、夢が叶うんです。
一同:(笑)。
日野:もしかしたら人間として生活している姿が描かれるかもしれない。
豊永:描いてほしいですね!
蒼井:本当に見てみたいです! アフレコの時は、動物から人間の姿になって、自己紹介として一言ずつ言って、3人で声を合わせたときに、僕自身“この3人で良かった”とすごくホッとしました。
事前に、タイガーズ・アイとホークス・アイは日野さんと豊永さんが演じることはお伺いしていまして、いつも良くしていただいている方々なので……
豊永:いつも良くしていただいている(笑)。
蒼井:本当に仲良くしていただいている先輩方なので、すごく安心感がありましたが、実際にアフレコがスタートすると、アマゾン・トリオの仲の良さがそこでピタッとはまった感じがして、その時点で泣きそうになりました。
すぐ簡単に叶ってしまう“夢”にはトゲがある
――今回の劇場版でご自身が1番惹かれたキャラクターを教えてください。
蒼井:身内贔屓になってしまうかもしれませんが、やっぱりタイガーズ・アイとホークス・アイです。
日野さんが演じていらっしゃるタイガーズ・アイの夢に対する想い、勢い、そしてインパクトというものがキャラクター自体にもあってカッコいいんです。
火野レイちゃんことスーパーセーラーマーズと対峙して、戦っていく姿もカッコよくて、僕の中ではタイガーズ・アイの外せないシーンでもありました。
豊永さん演じるホークス・アイの夢には儚さがありますし、最後のシーンは今回の劇場版でのアマゾン・トリオの儚さをすべて物語っている気がします。
なので、もしかしたら手を取り合えたのかもしれない……という思いにさせてくれるシーンもあって、お二人が演じているキャラクターがとても印象に残っています。
――実際にアフレコでお二人の演技を身近で感じると、さらに思いが強まりますよね。
蒼井:(身を乗り出しながら)もう大好きです!
日野・豊永:(笑)。
蒼井:それこそアフレコで日野さんと豊永さんの3人でアマゾン・トリオを演じられて良かった、と心から思いました。
お二人が演じられているキャラクターに背中を押されたり、3人だからこそのフィッシュ・アイでもあるので、感謝の気持ちでいっぱいですし、お二人が演じられているタイガーズ・アイとホークス・アイは大好きです。
日野:翔ちゃんがアマゾン・トリオの話をしてくれたので、違う視点からですと、僕はジルコニアおばばが印象に残っています。最初、どなたが声を担当されているのか分からなかったんです。
蒼井:僕も知りませんでした。
豊永:僕も知らなかったです。
日野:最後のテロップでキャストを見たときにびっくりしました。すごく衝撃的で。
豊永:渡辺直美さんって……え?あの渡辺直美さん!?って(笑)。
日野:そして、菜々緒さんが演じていらっしゃるネヘレニアも、声を聞いてもまったく分からなくて、どなたがやっているんだろう……?と。なので、違う観点で衝撃的だったのがネヘレニア様とジルコニアおばばでした。
――ジルコニアのキャストが発表されたときもSNSを中心に話題になっていました。すごく声もぴったりで、まさか渡辺さんが担当されていたとは……。
豊永:本当にぴったりですよね!
日野:菜々緒さんもまったく分からなくて、皆さん自然と役に入り込んでいらっしゃいました。
――豊永さんは印象に残っているシーンはありますか?
豊永:僕はちびうさちゃんとうさぎちゃんがまもちゃんのお見舞いに行くシーンが印象に残っています。
そこでうさぎちゃんとまもちゃんのやり取りを見て、いろいろな思うところがあるちびうさぎちゃんだったり、ちびうさちゃんが初めてエリオスに会うシーンも印象的です。
あと、うさぎちゃんとちびうさちゃんが子供と大人に入れ替わるシーンがあるんですけど、一見チャーミングに描いているところもあれば、ちょっと歪んだ夢のようにも見えて。そこも“夢”として繋がっているところがあるな、と感じました。
子供から大人に、大人から子供になってしまうのは、見た目的にはすごくサービス力の高いシーンではあると思いますが、そこで改めて2人が思っていること、2人の“欲望”というものを逆手に取られてしまったシーンだと思うんです。
そのシーンから、意外と”夢”というものは、モノによってはすぐ簡単に叶えてしまうところにはトゲがあるよ、毒があるよということを描写してくれているんじゃないかな、と。
そういう意味でも、うさぎちゃんが子供になり、ちびうさちゃんが大人の姿になるシーンは印象的です。