鈴木崚汰さんと総合プロデューサー2人が語る『AnimeJapan 2021』の魅力とオンライン開催への想い
2021年、『AnimeJapan』が帰ってくる。
キャッチフレーズは“アニメのすべてが、ここにある。”例年およそ15万人の来場者が訪れる世界最大級のアニメの祭典。それが、『AnimeJapan』だ。
2年ぶりとなる今回は、例年どおり東京ビッグサイトでの開催ではなく、オンラインのみでの開催になるという大きな変化があった。
一度はリアルとオンラインでの同時開催を発表していたが、2021年1月7日から再度発令された緊急事態宣言を受け、急遽、オンライン開催へと再始動した『AnimeJapan2021』。大変難しい中での決断であったことと推測するが、本イベントを待ち続けていたファンの方にとって、このニュースには嬉々たる思いもあるのではないだろうか。
『AnimeJapan』の公式サイトを覗いてみると、印象的なフレーズがあった。「アニメーションは、夢と勇気を与えるもの」だ、と。
胸を熱くするメッセージ。明るいニュースが少ない世の中にこそ、エンターテインメントの真価が試されるということだろう。
今回、『AnimeJapan 2021』の開催を記念し、声優の鈴木崚汰さん、総合プロデューサーを務めるエイベックス・ピクチャーズの寺田浩史さん、タツノコプロの中嶋俊介さんの座談会が企画された。
鈴木さんと『AnimeJapan 2021』の想い出についてから対談がスタート。
声を当てるはずがレポーターを務める急展開へ
寺田浩史さん(以下、寺田):鈴木さんはデビュー間もない頃から『AnimeJapan』に携わってますよね。
鈴木崚汰さん(以下、鈴木):そうですね。5周年(AnimeJapan 2018)のときにAJプレゼンテーションに起用していただいて、そこからずっとなので、4年くらい関わらせていただいてます。
中嶋俊介さん(以下、中嶋): (AnimeJapanの)オファーをいただいたときはいかがでしたか?
鈴木:毎回触れているネタなんですけど、もともとは「新しくできたマスコットキャラクター・Aくん、Jくんに声を当ててほしい」というオファーだったんです。
寺田:そうだったんだ(笑)。
鈴木:実は最初はそうだったんですよ(笑)。ただ、蓋を開けてみたら、まさか『AnimeJapan』を一身に背負って、ステージに本人として立つという。すごい大役を任されたと思ったので緊張しましたね。日本でも最大級のアニメイベントを任されたので、精一杯やらなくちゃいけない、と必死でした。
中嶋:デビューから日が浅い時期だと相当なプレッシャーがあったんじゃないですか?
鈴木:ええ。自分が携わらせていただいたアニメ作品のステージにも出させていただける、というのもあって、そういった縁に報いたいという気持ちで挑んだ感じでしたね。
寺田:あはは(笑)。鈴木さんがこれまで『AnimeJapan』に関わった中で、特に印象的だったエピソードを聞いてみたいです。
鈴木:うーん……。初めて出たときに、5周年記念企画として「AnimeJapan放送局ブース」というニコ生の配信を、僕と藤田茜さんと天津の向さんでやったんですけど、それがすごく印象深いですね。僕が各ブースに行って中継をつないでリポートする、というもので。
寺田:あ~あれか。なかなか挑戦的でしたよね。
鈴木:そうなんですよ(笑)。コスプレや「Production Works Gallery」など、いろんなところを巡ってリポートしていったのをすごく覚えてます。
寺田:カメラ片手に……みたいな感じで。
鈴木:今で言うフワちゃんみたいな。「どーもおはぴよ~! こんな感じで~す!」って(笑)。
中嶋:最初のオファーから全然内容が変わってますね(笑)。「声をあててください」が「レポーターをやってください」になるとは。
鈴木:そうなんですよ! しかも、そこから何年か経った今でも声はあててないですからね(笑)。
寺田:確かにまだ当ててないですね。
鈴木:4コマ漫画には出てきて、そこでちょっとばかしはやりましたけど、それだけなので。
寺田:ちなみに、ブースを回ってるときはマネージャーさんとかは付いていってたの?
鈴木:どうだったかな……?
寺田:ひとりで回したの!?
鈴木:いや、一応いた気はしますね(笑)。制作の担当の方とかにも付いてきてもらって。
寺田:だよね! さすがに「行って来い!」はね(笑)。
鈴木:さすがにヤバいですよ(笑)。タイムキープなんてできないですし。でも、改めてやってみたら面白いかもしれませんね。
中嶋:あら? そう言っていただけるのであれば、いろいろと企画を考えなきゃいけないですね。
寺田:あんまり言わないほうがいいですよ(笑)。他に印象深いことはありますか?
鈴木:やっぱり海外の方がコスプレされているのを見たときは「日本のアニメって世界のいろんな方が観ているんだな、届いているんだな」と感動しましたね。
もちろんそれまでも「日本のアニメは海外でも好まれている」というのは漠然と思ってはいたんですけど、よりリアルに感じたというか。
あとは「Production Works Gallery」。日本の方でも、どのように音響が付いて、画を作って、みたいなことに触れる機会ってなかなかないと思うんですけど、それが世界の方になればなおさらで。細かく細かく、キャラクターによるナビゲーションも付きながら、学んでいけるというのはすごいことだな、と。エモーショナルでしたね。
寺田:制作の中身の話を詳しくやるコーナーがあるんですよ。会場の一角にブースを設けて、『ガンダムNT』の音響とは? みたいな。どちらかというとクリエイティブ寄りなものなんですけど。
中嶋:それがたぶん2年前に、音声ガイドとかも付けて、すごくリッチにやった企画ですね。
鈴木:それです! 補足ありがとうございます。