
劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」福圓美里さんインタビュー|初恋を思い出すエリオスとちびうさの淡い恋
大人になって感じる敵キャラクターの魅力
――福圓さんはアマゾネス・カルテットがお好きだとお伺いしましたが、特にお気に入りのシーンや印象に残っているシーンはありますか?
福圓:前編のアマゾネス・カルテットの登場シーンです。空にサーカス団の船がゆらゆらと浮かんでいて、怪しげで楽しい音楽と共に現れるのがすごく好きで。サーカスという存在が何とも妖しくて大好きなんです。
みんなそれぞれ顔も衣装も可愛いですし、個性が際立って憎みきれないところもあって。彼女たちもまだ少女なので、自分たちがしていることがよくわかっていなかった部分も大きいと思います。
今までもいろいろな敵が登場してきましたが、アマゾネス・カルテットは1番ピュアな敵だと感じていて。幼さ故の過ちから4人の結束感へ繋がる部分も好きですごく可愛いです。
――そんな個性溢れるアマゾネス・カルテットですが、4人の中で特に好きなキャラクターはいますか?
福圓:私はパラパラが好きです。4人の中でも一番幼さを感じさせられるキャラクターで、アフレコでもパラパラが喋ると「可愛い~!」と声があがっていました。本当にナイスキャスティングだと思います。(諸星すみれさんが声優を務める)
――アマゾネス・カルテットはもちろん、前編に登場したアマゾン・トリオの3人もぴったりはまっていましたね。
福圓:本当に皆さんイメージにぴったりです! 今回は劇場版なので尺がギュッと凝縮されている分、皆さんの出番がどうしても少なくなってしまっていますが、1人1人しっかりとオーディションをして「これぞ!」という方をキャスティングされていて、イメージ通りの声でびっくりしました。
それもあって、より愛着が湧くのか、敵キャラクターでも憎めない。本当に、素敵なキャラクターばかりが登場しています。
――「美少女戦士セーラームーン」の敵キャラクターは全員魅力的だなぁ、と改めて感じました。
福圓:「美少女戦士セーラームーン」の敵って良いですよね! 原作もテレビシリーズのオリジナルの敵キャラもとても魅力的でした。
子どもの頃に観ていたときは全然敵の気持ちを考えたことがありませんでしたが、大人になって観るとより敵が魅力的に感じます。
素敵なレディになれるように
――後編で福圓さん自身が胸を打たれたシーンはありますか?
福圓:ついに、まもちゃんに見せ場が来る最後のシーンです(笑)。
――まもちゃんの見せ場……!
福圓:まるで戴冠式のようなうさぎちゃんとまもちゃんの2人の姿に、“こんなに2人は成長したんだなぁ”と感じるシーンがすごく好きで、アフレコでもうっとりと眺めていました。
あと、怒涛の展開をする最終決戦はもちろんですが、やっぱりちびうさとエリオスのシーンは全部素敵で自分にとっても印象に残っています。
ちびうさは「ブラック・ムーン」編で敵側に落ちてしまい、さらにはセーラープルート(冥王せつな)との別れを体験し、「デッド・ムーン」編でもほたるちゃんと別れてしまうなど、今までもいろいろな辛いことがありましたが、今回は本当に頑張りました。
泣くシーンは演じていて胸が打たれますが、その分、最後にはエリオスに満面の笑顔を向けるんです。これまでの過程を知っているからこそ、そのちびうさの笑顔が印象に残っています。とにかく、エリオスとちびうさの2人のシーンは全部観てほしいです!
――エリオスとちびうさのシーンだけを切り取ってダイジェストとして観たい気持ちがあります。
福圓:まさにアフレコではそういう状態です(笑)。松岡さんと2人で収録していくので、基本的にはエリオスとちびうさのダイジェストみたいな状態になっています。それはそれでとっても素敵なんです。何度も同じことを言って申し訳ないですが、エリオスは本当にずるい(笑)。
一同:(笑)。
福圓:ハッキリと言ってくれないところがすごく気になってしまって(笑)。乙女心をくすぐるばかりではなく、少し天然なところもあるんじゃないかな。
――もしかしたら“無自覚天然系”かもしれないですね!
福圓:そう! 無自覚天然系です!
――(笑)。
福圓:また松岡さんがすごくお上手なんです。いやらしくないというか、でもすっとぼけてもいなくて。松岡さんのエリオスからは「この人は何を考えているのかしら?奥が深い……!」と感じるので、ちびうさがちょっと心配になります(笑)。
――最後になりますが、改めて今回の劇場版で福圓さんが感じたちびうさの魅力を教えてください。
福圓:私もスラッと手足の長い女の子が羨ましいと思った少女時代を過ごし、小さいせいで馬鹿にされることもあれば子ども扱いされることもあって、自分にコンプレックスを持っていたのでちびうさの気持ちがすごくわかります。
でも、彼女も彼女の世界の中で諦めないで、なりたい自分に向かって歩みを止めません。もちろん、まだ未熟でワガママなところもあれば、力の面でみんなに及ばないこともあります。
それでもシリーズごとに頑張る姿、変わっていく姿はちびうさの最大の魅力で、少女らしい少女だなと感じました。
中には、“子どものままでいたら可愛いのに”と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それでも素敵なレディになれるように頑張るところ、一見ワガママでも心根が優しいところがちびうさの魅力だと思います。
作品情報
劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』《前編》/劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』《後編》
【公開日】
前編 2021年1月8日(金)/後編 2021年2月11日(木・祝)
【キャスト】
三石琴乃、金元寿子、佐藤利奈、小清水亜美、伊藤静、福圓美里、野島健児
皆川純子、大原さやか、前田愛、藤井ゆきよ、広橋涼、村田太志、中川翔子、松岡禎丞
渡辺直美、菜々
【スタッフ】
原作・総監修:武内直子
監督:今千秋
脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:只野和子
アニメーション制作:東映アニメーション、スタジオディーン
配給:東映
【主題歌】
「月色Chainon(シェノン)」
作詞:白薔薇sumire
作曲:小坂明子
編曲:月蝕會議
ももいろクローバーZ with セーラームーン(CV:三石琴乃)&セーラーマーキュリー(CV:金元寿子)&セーラーマーズ(CV:佐藤利奈)&セーラージュピター(CV:小清水亜美)&セーラーヴィーナス(CV:伊藤 静)