「思うままに気持ちをぶつけました」最終回のつもりで挑んだ禪院家の姉妹対決の胸中が明らかに! アニメ『呪術廻戦』瀬戸麻沙美さん×小松未可子さん×井上麻里奈さんインタビュー
ようやくこの時が来た!禪院家の姉妹対決
ーーでは、第2クール目の話もしたいのですが、真希と真依について、それぞれどんなことを演じるときに大事にしましたか?
小松:真希は最初、棘とパンダ(CV.関 智一)と一緒に出てきたんですけど、この作品、結構女子キャラクターの口が悪いじゃないですか(笑)。口が悪い中でもちょっと違う、乱暴ではないけど粗野みたいな、そういう差別化を図りたい気持ちが、なんとなくありました。
あと、強い印象はほしいんですけど、釘崎に慕われているところもあったりするので、強さだけではないものが出せたらいいなとも思いました。ニュアンスにはなるんですけど、おざなりになり過ぎないように、丁寧に作っていきました。
瀬戸:小松さんのそういうお芝居もあって、真希さん好き!ってなっちゃいますよね。最初の登場シーンも、釘崎と伏黒からすれば、虎杖が死んでしまって本当にお通夜状態だったのに、それを知らずに「お通夜かよ!」と言っちゃったり……。
そこでパンダたちに指摘されて、「げっ!」ってなるところとか、この人は本当は優しい人なんだなと感じたので、個人的には、そこでの小松さんのお芝居を聞いたときから、好き以上に、付いて行きたいと思える真希さんでした。
井上:真依は正直な所、最初の印象は個人的にはあまり良くなかったです。けれど読み進めていくうちに「この人、情の深い方なんだな」という感覚に変わり、その思いでオーディションを受けさせて貰いました。
真依の根底に必ずあるのが真希の存在で、真希に執着しているので、それを忘れないようにというのは気をつけながら演じていますね。
ーー釘崎は第8話でいきなり喧嘩をふっかけられていましたが。
瀬戸:最初は本当に分かりやすく煽られていましたね。
井上:そうそう。もうやっちゃってくださいと(音響さんに)言われていたので、分かりました!と(笑)。
瀬戸:分かりやすく腹を立てさせられて、売り言葉に買い言葉でちゃんとキレていたんですけど、釘崎目線ではなくイチ視聴者として見ると、ふたりの関係性も知っているので、真依も個人的にすごく好きなキャラクターなんです。本当に面倒くさい女じゃないですか! そこがいいんですよね(笑)。
井上:結構、こじらせてるね!(笑)
瀬戸:ちゃんと芯があって、でも弱い部分もあって、それが育った環境に起因しているんだけど、しっかり強い。強そうに見えて弱いではなくて、強そうに見えて弱い部分もあって、本当に強いというのが真依だなって思っています。
井上:あははは(笑)。そうだね。
瀬戸:ふたりが戦って分かりあえたときに、真依かわいいな!って思う人もいるはずですが、それに騙されちゃいけないですよ。本当にこの女は強いぞ!って言ってやりたいです。
ーーちなみに瀬戸さんは、西宮 桃(CV.釘宮理恵)との戦いがありましたね。
瀬戸:釘宮さんが演じる西宮も、いい感じに神経を逆なでしてくる感じなんです。西宮は正論ぶつけ女という印象で、私の信念が正しいでしょ!っていう感じだったので、釘崎は、売り言葉に買い言葉というより、「この女とは気が合わないわ!」って分かった上で、冷静に切り替えしていたなと思いました。
ーー釘崎は真希を慕ってて、西宮は真依を慕っていたから、絶対に合うわけがないんですよね(笑)。そしてある意味、この鼎談の本題ですが、禪院家の姉妹の戦いについて聞きたいと思います。アフレコは一緒に録られたのでしょうか?
小松:みっちりふたりで収録ができましたし、ある意味、ふたりのクライマックスをここで出せたかなって思いました。
井上:自分の中では、ここが最終回です!(笑) ここを演じるためにこの役になったと思っているので。このシーンはオーディションでもあって、そのときから楽しみにしていたんです。最初は最悪の印象だったんですけど、オーディションで感情移入ができたので……。
このシーンは、すごくやりがいを感じていたので、ようやくこの時が来たかと思いながらのアフレコでした。真依にとっては真希の存在が、すべての行動の根底にあって、ようやくここで、過去だったり今の自分に向き合うことができる。
真希と対峙することで、その思いをぶつけられたというのが苦しくもあり、個人的には、スッキリしたシーンでしたね。本当の解決ではないんですけど真依にとっても、ようやく過去としっかり向き合うことができたので、また違う道を歩く覚悟もできたと思います。
ーー実際に小松さんと掛け合うことで、自分でイメージしていた演技と変わったりもしましたか?
井上:そんなに用意して行ったわけでもなくて、思うままにぶつけていったので、そこでやりたいことは全部できたと思います。どういう音になっているかは、私もオンエアを見ないと分からないんですけど、そのときに思った感情は全部ぶつけられて、勝手に涙が出てくるようなシーンでした。
小松:この姉妹のシーンって、目線としては、真依目線で進んでいって、モノローグなどに、とにかく真依の大きく揺れている感情が出ているんです。
モノローグだから、真希には聞こえていませんが、戦っていく中でその感情の揺れは感じていて。真希としては取り繕うとか、誤解を解こうとかではなく、ただその思いを受け止めつつ、自分も先に向かわないといけないので、ようやく覚悟を決めて戦えたシーンだったのかなって思いました。
ちょこちょこ過去の回想シーンを挟むのですが、とても印象的で、その流れがあったからこそ、あの台詞が言えたような気がしますし、それでふたりとも前に進むことができたのかなと思います。
ぶつけにぶつけ、受け止めに受け止めたという感じがしたので、ホント、最終回でしたね!
井上:やっぱり思ったのは、話し合いって大事だよねってことでした(笑)。
[取材・文/塚越淳一]
《第2クール:インタビュー記事バックナンバー》□01 虎杖悠仁役・榎木淳弥×東堂葵役・木村昴
□02 パンダ役・関智一×究極メカ丸役・松岡禎丞
□03 釘崎野薔薇役・瀬戸麻沙美×禪院真希役・小松未可子×禪院真依役・井上麻里奈
《第1クール:インタビュー記事バックナンバー》
□01 虎杖悠仁役・榎木淳弥
□02 両面宿儺役・諏訪部順一
□03 五条 悟役・中村悠一
□04 釘崎野薔薇役・瀬戸麻沙美
TVアニメ『呪術廻戦』作品情報
放送情報
毎週金曜日深夜1時25分からMBS/TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて好評放送中!
イントロダクション
少年は戦う――「正しい死」を求めて
辛酸・後悔・恥辱
人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む
呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導く
そして、呪いは呪いでしか祓えない
驚異的な身体能力を持つ、少年・虎杖悠仁はごく普通の高校生活を送っていたが、ある日“呪い”に襲われた仲間を救うため、特級呪物“両面宿儺の指”を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう
呪いである“両面宿儺”と肉体を共有することとなった虎杖は、最強の呪術師である五条悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……
呪いを祓うべく呪いとなった少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす―
スタッフ
原作:芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:朴性厚
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史
副監督:梅本唯
美術監督:金廷連
色彩設計:鎌田千賀子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:兼田美希・木村謙太郎
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳圭介
音楽:堤博明・照井順政・桶狭間ありさ
音響監督:藤田亜紀子
音響制作:dugout
制作:MAPPA
オープニングテーマ:Eve「廻廻奇譚」(TOY'S FACTORY)
エンディングテーマ:ALI「LOST IN PARADISE feat. AKLO」(MASTERSIX FOUNDATION)
キャスト
虎杖悠仁:榎木淳弥
伏黒恵:内田雄馬
釘崎野薔薇:瀬戸麻沙美
禪院真希:小松未可子
狗巻棘:内山昂輝
パンダ:関智一
七海建人:津田健次郎
伊地知潔高:岩田光央
家入硝子:遠藤綾
夜蛾正道:黒田崇矢
五条悟:中村悠一
東堂葵:木村昴
禪院真依:井上麻里奈
三輪霞:赤﨑千夏
楽巌寺嘉伸:麦人
吉野順平:山谷祥生
夏油傑:櫻井孝宏
漏瑚:千葉繁
花御:田中敦子
真人:島﨑信長
両面宿儺:諏訪部順一