劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」松岡禎丞さんインタビュー｜難しさを感じたエリオスの「乙女よ……」というセリフ

難しさを感じたエリオスの「乙女よ……」というセリフ

――劇場版を拝見させていただきましたが、松岡さんの「乙女よ……」というセリフが本当に素敵です。

松岡：「乙女よ」は結構難しいセリフでした。乙女というワードを使ったとき、言い方を間違えると言葉そのものが持つ感情が伝わってしまうんです。

たとえば、好意を持って乙女と言うのか、また異性に対して乙女と言うのか。いろんな「乙女」の言い方がありましたが、ここはあえて男女関係なく対等な立場として「乙女」という言葉を使うことを意識しました。

ちびうさに対して「乙女」と言いつつも、そこには上も下もないという対等さを伝えたかったので、本当に難しかったです。

――また受け取り方も人それぞれですからね。

松岡：そうなんです。エリオスのような繊細な役を演じるときは、今の僕ができる全力の中に役を置いて、そこを軸にしています。言葉で説明するのが難しいですが、僕ができるすべての力で役を包み込むような感じです。

そうすると、（エリオスの）繊細さの中にも自分が今まで培ってきたものをちょっとずつ表現することができるんです。どんどん（演技の）引き出しが増えていきますし、自分が求めている演技が瞬時に出てきやすくなります。

エリオスは下手をすると、ただ単に抑揚のない子になってしまいますが、抑揚が少し必要なシーンもあります。そこで、エリオスのまわりを自分で覆ってしまえば、“こうしたい”と思ったときに引き出せるんです。

――なるほど。エリオスを演じる際は、これまで松岡さんが経験してきたものからも引き出せるように意識されていたのですね。

松岡：これだけ緻密に演技プランを立てたり、現場で神経を張り巡らせてお芝居をさせていただいたのは本当に久しぶりでした。

もちろん、どの現場でも緊張はしますが、初めて行く現場でこれだけの大役を任せられたというプレッシャーもありましたし、現場でうまくできるのかな？という不安もあって。

収録スタジオも声優人生で4～5回しか行ったことのない場所でもあったので、いつものルーティーンができないんです。本当に緊張しました。

――収録が終わったときは本当にホッとしたことでしょう。

松岡：疲れや安堵でもなく、心がムズムズするような安心感でした。「あ～！終わった～！家帰ったらハイボール飲もう！」と。家にストックしていた1番いいハイボールを空けました(笑)。でも本当にその日に飲んだハイボールは美味しかったです。

――ありがとうございました！

作品情報

劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』《前編》／劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』《後編》

　
【公開日】
前編 2021年1月8日（金）／後編 2021年2月11日（木・祝）

　
【キャスト】
三石琴乃、金元寿子、佐藤利奈、小清水亜美、伊藤静、福圓美里、野島健児
皆川純子、大原さやか、前田愛、藤井ゆきよ、広橋涼、村田太志、中川翔子、松岡禎丞
渡辺直美、菜々

　
【スタッフ】
原作・総監修：武内直子
監督：今千秋
脚本：筆安一幸
キャラクターデザイン：只野和子
アニメーション制作：東映アニメーション、スタジオディーン
配給：東映

　
【主題歌】
「月色Chainon(シェノン)」
作詞：白薔薇sumire
作曲：小坂明子
編曲：月蝕會議

ももいろクローバーＺ with セーラームーン（CV:三石琴乃）＆セーラーマーキュリー（CV:金元寿子）＆セーラーマーズ（CV:佐藤利奈）＆セーラージュピター（CV:小清水亜美）＆セーラーヴィーナス（CV:伊藤 静）

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