【連載】TVアニメ『ゾンビランドサガ』山田たえ役 三石琴乃さんインタビュー【SAGA. 05RE】|1期最終回後も2期を予感させる空気感とキャスト&スタッフの熱さ
2018年のアニメシーンを代表する作品の1つとなったTVアニメ『ゾンビランドサガ』。その続篇『ゾンビランドサガ リベンジ』の放送まであと1か月!
約2年半ぶりのTVシリーズ復活を祝して、アニメイトタイムズで掲載されていたインタビュー連載も復活! 今回ご登場いただくのは山田たえ役の三石琴乃さんです。作品の印象や3話までシークレット扱いだったことなど1期について振り返っていただきつつ、2期への意気込みを語っていただきました!
どんなジャンルでもハマる懐が広く、一度見出したら止まらない作品
――『ゾンビランドサガ』を演じる前、オファーの段階で作品について持っていた印象はありますか?
山田たえ役 三石琴乃さん(以下、三石):最初にキャラ表をいただいて、「あっ、アイドルものなんだ」。そこにはゾンビバージョンもあったので、「どうやらゾンビらしいぞ」と。絵から推測するくらいの情報しかなかったんです。
タイトルの「サガ」も「性」を表わしているようにも思えて意味ありげだし。あとで資料をいただいたら佐賀県を救うお話で、制作サイドに佐賀県出身の方がいて、地元を救いたいという想いからなのかなと。ちょっと素敵だなと思ってしまってしまいました(笑)。
――全貌がはっきりしない状態でも、かつて知ったる境 宗久監督の作品だから大丈夫という安心感もあったのでは?
三石:安心感と信頼感がありますし、どんな境ワールドなのか楽しみでした。実際に収録を重ねていくとコメディでもハマるし、オカルトやホラーでも、シリアスでもハマるという懐が広いタイトルで、いろいろなエッセンスが詰め込まれていて、8話のように泣かせてみたり、振り幅が大きい作品。濃厚な12話でしたよね。ジェットコースターのような展開で、一度見出したら止まらなくなる作品だなと思いました。
ハリウッド映画のゾンビ作品のイメージで、他のメンバーとのギャップも意識
――ご自身のキャラをどんなイメージで演じようと考えて収録に臨まれたのでしょうか?
三石:音響制作の方からご連絡をいただいて、「セリフはないんですけど……」と言われて「しゃべらない役なんだな」と。そして台本をいただいたら、たえのセリフに「ぐわあ」とか「うぉー」しか書いてなかったので、ハリウッド映画のゾンビもののイメージで収録に臨みました。
――以前、境監督とロメロ役の高戸靖広さんの座談会では、「外国のゾンビものをずっとイメージしてて、あのかわいい絵に違和感を出したいと思っていて。『あぅ』と書いてあっても、滑稽にならないように肉を食いに行くつもりでしゃべってます」とおっしゃっていました。
三石:女の子たちがかわいいので、たえはあえて怖いほうのゾンビに振ってキャップを表現したかったんです。日常でゾンビである事を忘れないようにする存在だと思っています。
ただ3話で「フランシュシュ」と言葉めいたことを言うシーンが難しくてどうやろうか悩みました。ロメロと同じ立ち位置でいようと思っていましたが、でも「まっ、いいか」と出たとこ勝負でした(笑)。
――境監督は「たえもロメロも言葉をしゃべらないからこそ表現力が必要だと思って。お2人にお願いした」とおっしゃっていましたが、オーダーやディレクションはあったのでしょうか?
三石:特になくて。まずやってみて、何も言われなければ「大丈夫だったんだな」と。その繰り返しでした。
――収録していく中で発見したことや変化を感じたことはありますか?
三石:たえは、1期では段々、フランシュシュのメンバーへの安心感や信頼感が増していって、彼女たちの希望に沿うように頑張ろうという気持ちが芽生えてきたように思いました。
終盤で過去の記憶を取り戻したさくらに必死に呼びかけようとしたシーンで名前を口に出そうとしていますが、言葉らしきことを発したのはたぶん3話の「フランシュシュ」以来ではないでしょうか。「さくら!」と呼びかけても「あぅあ!」になってしまうんですけど(笑)。
若い現場では自分が新人だった頃の先輩のように。気付いたことはアドバイスも
――愛役の種田梨沙さんはこの作品に出演して嬉しかった点の1つに三石さんなどレジェンド声優の方が出演していたからとおっしゃっていました。
三石:本当ですか?(笑)
――キャストの皆さんは、三石さんや、幸太郎役の宮野真守さんのお芝居を見て、「ここまでやっていいんだ」と安心して収録に臨めたし、アドリブも入れられるようになったと。
三石:アドリブは入れられると思ったら編集でカットされてもいいので、入れていくようにしています。私が新人の時に一緒に共演していた周りの先輩がやっていたことなので、そう感じていただけて、引き継いでもらえたのなら嬉しいです。
――他のキャストからアドバイスを求められることはあったのでしょうか?
三石:求められたことはないですけど、気付いたり、思った時は声をかけるようにしていました。ただ委縮しちゃうとかわいそうだなと思ったけど、言わないよりは言ったほうがいいかなと。私自身も昔、先輩に言われたことは今でも覚えているんです。
――さくら役の本渡 楓さんが毎回、冒頭で前話のあらすじを早口で言うところでもアドバイスをされたとか。
三石:「距離感」とか「ブレスを減らすと早口に聞こえる」などお伝えしました。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会