『冨永みーなのPrecious Time』再配信記念:冨永みーなさんインタビュー後編|今と昔を比較して感じる声優の意識やなり方の変化
声優の冨永みーなさんが男性声優を毎回お招きして歩みや魅力をひも解いていくトーク番組『冨永みーなのPrecious Time』の期間限定の再配信が4月よりRakuten TVにてスタート!
冨永みーなさんは『サザエさん』のカツオ役をはじめ、多くのアニメや外画への出演するほか、『開運!なんでも鑑定団』などのナレーション、ラジオDJ、音楽活動など多岐に渡って活躍。2018年に声優生活45周年を迎えた声優界のトップランナーの1人です。
そんな冨永さんが現在活躍中で、冨永さんが興味が持っている男性声優を招いて、歴史や魅力をひも解くトーク番組が『冨永みーなのPrecious Time』。2020年からRakuten TVにて配信が始まり、浪川大輔さん、森久保祥太郎さん、吉野裕行さん、三木眞一郎さん、関智一さん、速水 奨さんをゲストにお招きしていましたが、今年の2月に好評のうちに配信終了。たくさんの再配信を望む声に応えて、4月1日から5月31日まで期間限定で再配信されることが決定しました!
それを記念して、冨永みーなさんへの独占インタビューを前後編に渡ってお届けしています。後編の今回は三木さん、関さん、速水さんの収録裏話や今の声優シーンについて、再配信の見どころなど語っていただきました!
三木さん・関さん・速水さんの気になる収録エピソードとは?
――では前回に続いて各回の収録エピソードのご紹介を。今回は三木さん、関さん、速水さんについてお願いします。
冨永みーなさん(以下、冨永):三木さんは、すごく女性にモテる方だなと思っていましたが、そのワケが少しわかりました(笑)。優しさが深いし、丁寧な方だし、仕事への真摯さもうかがえました。その反面、ご自身のレーシングチーム「VART(Voice Actors Racing Team)のことを語っている時の瞳の美しさはぜひ見ていただきたいです。
関さんとはひと言で言うと波長が合っているなと思いました。もしくは関さんご自身が人に波長を合わせる天才なのか。それは終わった今でも謎なんですけど、私自身は波長や相性の良さみたいなものを感じました。また本当とウソがバランスよく混在している印象があって、そういう方だと楽なんですよね。
それと裏話になりますが、この回に私がメイク道具をすべて忘れてしまってあわてていたら、関さんが既にスタンバイされていて。私は人をお待たせできないタイプなので、「このままでいいや」とメイクや髪を整えないままの収録に入ってしまいました(笑)。
あと以前、関さんから「三ツ矢雄二さんとお食事したいんです」と頼まれたことがあって。「一緒に番組をなさっているんだから自分で言えばいいのに」と思いつつも、私を入れることで居心地が良くなるのかなと。そして今年の年賀状に「三ツ矢雄二さんとのお食事権 当選」と書いて関さんにお送りさせていただきました。
実はここまでの5人の方とは、昨年10月に公開された3DCGアニメ映画『トロールズ ミュージック★パワー』の吹き替え版で共演させていただいて。別録りではありましたが、すごい偶然ですよね!
そして速水さんは、久しぶりに大人の方とじっくりお話しさせていただいたなと。こういうトーク番組やイベントでは、MC担当の私がOPでテンポやリズムを作って、そのまま本編にという流れで。だからOPで、ゲストの方とチューニングを合わせるんですけど、速水さんの時は私がOPでもつかみ切れなくて、むしろ速水さんのリズムやテンポで進めていったほうがいいなと悟ったんです。
前5回と違って年上のゲストだからというだけではなく、違ったテイストの回になったと思います。お話しさせていただく中で、「そこ突っ込んでいいんだ!? それは私、得意なのに!」とわかったのが既に終盤で。「あと1時間あれば」と思ったので、シーズン2があれば2回目のゲストは速水さんですね(笑)。
配信後は「こんな〇〇さん、初めて見ました!」の声が多数。冨永さんにも嬉しい反響も!?
――配信後のどんな反響や反応がありましたか?
冨永:たくさんの反響をいただいて、どの回でも共通していたのは「こんな〇〇さん、初めて見ました」という声が多くて。あと「冨永さんはおもしろい人なんですね」とか(笑)。カバンの中身を拝見させていただけたことにも驚きが多かったみたいで。そして「貴重=Preciousです」という声をたくさんいただけてよかったです。ファンの方に「Precious」と感じていただくことがこの番組の一番の目標だったので嬉しかったし、また調子にのっている私がいます(笑)。
今の声優さんは様々なシーンで活躍していて頼もしい
――現在、声優の活動分野が広がり、注目が集まっていますが、冨永さんはどのように思われていますか?
冨永:私は子供と一緒によくアニメを見ていて、今だと『呪術廻戦』とか『約束のネバーランド』なども見ていますし、子供の頃から声優のお仕事をさせていただいていますが、求められる役割やあり方など時代によって少しずつ変化していく中で今、活躍されている方は頼もしいなと思っています。活躍の場を選ばずして、すごく才能を発揮されているし、声のお仕事とは別のパーソナルな部分でも人を楽しませたり、求められていて。
――今はお芝居の他、歌やダンス、トークも求められて、声優はいわば「エンターテイナー」として見られているので、そこに応えなければいけない皆さんは大変でしょうね。
冨永:そう思います。元々、お芝居のこともやりたかった方はいいけど、声の仕事やお芝居だけやりたかった方には逆にハードルが高くなってしまっている気がして。「声優」と言っても昔と今ではまったく違う感覚もあります。
アイドル歌手を売り出すのに、声優としてキャラクターを演じさせながら主題歌も歌わせるという手法は30年前からありましたが、基本的にはアイドルという見方は変わらず、声優を本業にされている方しかファンの方も受け入れない空気がありました。
まずはアニメがあって、キャラクターがあって、そして声優を知るという流れが大事なんですよね。今回お招きした5人の方もそのベースがあって、作品の中で演じるキャラクターが活き活きとしていたり、作品ごとに演技を変えるスキルもあって。関さんなんて、気が付かなくて、あとでクレジットを見て知ることも多くて。私もそこを目指している最中で。