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TVアニメ『魔道祖師』木村良平&立花慎之介インタビュー

TVアニメ『魔道祖師』木村良平&立花慎之介インタビュー|自由奔放な“魏無羨”と信念に忠実な“藍忘機”。真逆の二人が惹かれ合う理由とは……

噛めば噛むほど味が出る作品

――『魔道祖師』は壮大なストーリーはもちろん、世界観もすごく魅力的です。作品のこういうところが好きだ!というポイントがありましたら教えてください。

木村:やっぱり異文化を感じられる部分だと思います。アニメ的な話でいうと色使いや音楽、剣の扱い方、服装、術の表現など美しさがあり独特。声をあてていても画のお芝居や見せ方が日本の作品とは違っていて、その新鮮さを感じながら表現することがすごく楽しかったです。

あと、何か出来事が起こってからキャラクターが反応するまでにワンテンポあるというのも独特で、その見せ方が演出的に僕が好きな部分でもあります。

リアルでは爆発したら同時に驚くものですが、この作品では爆発したら一回場面が変わり、キャラクターの驚く姿が映し出されます。

リアルとは違いますが、『魔道祖師』ではそういう演出が結構あって、そのテンポ感がすごく分かりやすくて良いな、と。

テンポの良い作品で同時にいろんなことが起きると追いついていけないところがありますが、この作品は丁寧に見せているので、そこから感じられる親切さがすごく好きです。

立花:キャラクターがよく動いたり、背景の描き方だったり、声が入っていなくても楽しめて良いな、と思える部分もたくさんあります。

また、『魔道祖師』は話が進むにつれて、いろいろなことが起きる作品です。学校のようにわちゃわちゃしていた話だったのに、一族の関係性が入ってきてピリピリしたり権謀術数がめぐらされたりと壮大なストーリーになっていくので、そういうところも今後楽しみにしてもらえる要素だと思います。

――本当にアニメ映像が芸術的というか、見入るシーンばかりですよね。

立花:どこを切り取っても1枚の絵になると思います。また、キャラクターがよく動きますし、自分たちが普段触れている作品との表現の違いも映像から感じられますよね。

“日本だとこういう表現をするだろうところを、こう表現するんだ”と新鮮に感じる部分が結構あるので、そういった点に注目してみるのも面白いと思います。

――また、本作は海外での人気も凄まじいものがありますが、その理由はなぜだと思いますか?

木村:僕はその理由は2つあると感じています。先ほども言ったように、やっぱり異国の空気を楽しめること。自分の国とは違う世界観に浸れるところが楽しいんじゃないかな、と。

そしてもう1つは、キャラクターが生きていてドラマがある面白さ。これは全世界で共通している感覚だと思います。

面白さを感じられるドラマはきっとどの国で見ても面白いですし、クオリティーが高ければどこにいっても評価してもらえる。国境を越えて楽しめるのは、エンターテインメントならではだと感じます。

立花:僕は『魔道祖師』を一言で表すとすれば、「スルメイカ」だと思っています。

――「スルメイカ」ですか。

立花:噛めば噛むほど味が出る。想像が膨らむ部分もたくさんあるし、伏線がいっぱい散りばめられている作品でもあるので、物語がどんどん広がって、繰り返し噛み締めていると点と点が繋がります。

それが意外なところで繋がったりと、ミステリー要素もあるので、何度も楽しめる作品という意味で、海外でも人気があるんじゃないかな、と。

ただ単に人と人の絆や繋がりだけではなく、謎解き要素などいろいろな楽しみが入っている作品だからこそ、世代関係なくいろいろな人、いろいろな国でヒットしているのだと思います。

中国に行ったことがあるお二人。そこで感じた異文化とは?

――『魔道祖師』は中国のWeb小説です。お二人は中国に行かれたことがあるそうですが、実際に異国の文化に触れてみて感じたことはありましたか?

木村:僕は、日本のアニメーションというものを“外のもの”としてではなく、純粋に作品として受け入れて楽しんでくれているように感じました。

僕のことも“外国人”としてではなく、“よく来たね~!”と家族のように受け入れてくださって、愛情の強い国で、懐が深いんだなと思いました。

あと、ご飯がすごく美味しかったです。

――へぇ〜!何が美味しかったですか?

木村:日本でも当たり前に食べているようなものでも、「やっぱり本場のものって良いな」と思えるものもありましたし、全然知らない料理でもすごく美味しかったです。

やっぱりその土地のものをその土地で食べるとすごく美味しいなと旅をするたびに思います。もちろん、日本でも同じものを輸入して食べても美味しいですが、その土地の空気の中で食べるのはより一層美味しいですよね。

立花:ちなみに、紹興酒は飲んだ?

木村:もちろん!

立花:紹興酒、美味しいよね。

木村:美味しかった~! 現地の方がすごく美味しいお店に連れて行ってくれました(笑)。

――いいですね〜!

木村:中国に行ったとき、どうしてもザリガニが食べたくて、ザリガニが美味しいお店に連れて行ってもらって、絶滅するんじゃないかというぐらいめちゃくちゃ食べました。

一同:(笑)。

立花:中国のザリガニは日本と同じ形?

木村:同じでしたね。

立花:へぇ~!そんなに美味しいんだ。唐揚げで食べるの?

木村:僕が食べたのは蒸していました。ガーリックなど何種類か味付けがあったような気がする。

立花:え、どんな味がするの?

木村:エビ、カニ系に近いかな。

――お話を聞いていると食べたくなってきました……。立花さんは中国に行かれた際、感じたことはありましたか?

立花:僕は中国の国土の広さを感じました。北京空港に着いたとき、「空港の端が見えないってどういうこと!?」と。

木村:あはははは(笑)。

立花:本当に広くて大きいんです。なので、飛行機を降りて荷物を受け取って電車に乗るまでに30分くらいかかりました。

中国の広さを感じると逆に、東京はよく狭い土地の中にたくさんの観光地を作ったな、と。だからこそ、小さなところに密集させて高く積む技術が日本はすごく秀でているとは思うのですが、日本人は“広さ”というものをあまり体感できないんですよね。

地平線を見たくても目の前はビル(笑)。日本と違って中国は道も広いですし、広大な土地を持っているからこそ、地平線ってこんな感じなんだなと広さや大きさを強く感じました。

――現地に行ったことがないのでわかりませんが、そんなに東京と違うものなのでしょうか?

立花:もう全然違います! 道幅はもちろん、全体的にゆったりしているというか。ただ、その分国内を移動するとなると結構大変だったりしますが、土地に困らないって良いな、と思います。

土地があるからこそ、自由に何か作れたり広げられたりする余地が中国にはまだまだたくさんあるんだろうなと思いました。

国土が広い分、都市と都市が離れているので、数日訪れただけでは他の都市になかなか行けないというところもあって。

きっと都市ごとにかなり色が違ってくると思うので、いろいろな都市に行って楽しみたいです。

――このご時世、なかなか自由に旅行できず、異国の文化も肌で感じることができなくなっていますが、また自由に異文化を味わえる日が戻ってきたら、行ってみたい国はありますか?

木村:せっかく『魔道祖師』をやっているので、この空気を味わうために中国に久しぶりに行きたいですし、僕個人としてはキューバにも行きたいです。

立花:キューバ!?

木村:はい。80年代や90年代の空気感のあるキューバを感じたいなぁと。

立花:キューバに行きたい人、初めてかも。

木村:映像とか見てもキューバは良いですよ~。ほらほらこういう感じ。

(スマホで調べて立花さんに見せる木村さん)

立花:お~!

木村:こういう古き良き感じ、わかります!?

立花:わかるわかる!ちょっとヨーロッパ感がありつつも、60年代のアメリカのような雰囲気も感じる。キューバってそんな感じなんだ~!

一同:(笑)。

立花:う~ん……キューバも気になってきましたが、カナダも気になります。普段行かない国は興味ありますね。あとは寒いところ、南極とか行きたいです。

木村:思ったより寒いところが出てきた(笑)。

一同:(笑)。

立花:確か車で行けるはずなので南極点に行ってみたいです。南極点に行った声優さんはいないと思いますし(笑)。あと、一度オーロラを見てみたい。

木村:僕、飛行機から見たことありますよ。

立花:えっほんと!?

木村:キャビンアテンダントさんが来て、「あの~、もしよろしかったら窓の外を……」と言われたので外を見たら、あのグリーンのカーテンがキラキラと輝いていました。

立花:上からでも見えるんだ!

木村:そうそう。また下からゆっくり見るのとは違うかもしれませんが、オーロラを見られたのはすごく嬉しかったです。

――オーロラって必ず見られるものじゃないと聞きますし、さらに飛行機からというのはすごいタイミングですね……!

立花:確かに、なかなかない。

木村:キャビンアテンダントさんも、僕が寝ているかもしれないのにわざわざ伝えてくれたほど、ものすごく興奮されていたんだと思います(笑)。

立花:あはははは(笑)。それほどレアってことなんだろうね。一生に一度でもいいので、いつかオーロラを見てみたいですね。

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