「これでこそテイオーだ!」と誇れる復活のレース――Machicoさん&大西沙織さんが振り返る、ウマ娘たちの挫折と復活の物語│冬アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』キャストインタビュー【連載第14回】
「挫折と復活」の繰り返しで感じた話の魅力
――そのほか、第13話で好きなシーンを挙げるならどこでしょうか?
Machico:私、有馬記念でテイオーが1着になって、みんなが祝福して「テイオー!テイオー!」となっている時に、カイチョーも優しく「テ・イ・オー」ってコールするところが好きなんですよ。
大西:(台本のト書きを確認して)ほんとだ! 「小さく」って書いてある。
Machico:口元がアップになって、カイチョーのペースで「テ・イ・オー」って。私はそこがグッときました。カイチョーもマックイーンと同じように、常にテイオーのことを気にかけてくれていたじゃないですか。でも、ずっと信じているけど、信じるにはちょっとハードルが高すぎるレースでもあったと思うんです。有馬記念の奇跡の復活は。このシーンにはそれを成し遂げた安堵感と、いろいろな気持ちが入り混じっていて、すごく印象的でした。
あと、この話数だけじゃないですけど、第2期では(チーム<スピカ>の)トレーナーさんがいい人すぎてどうしようと思いましたね(笑)。
Machico:こんなにみんなのことを思ってくれているのかっていうぐらい。
――第1期ではもっとおちゃらけていたというか、そういう面が多かったですよね。もちろん、いざという時は決めていましたけど。
Machico:そうなんですよ。『ウマ娘』の世界観だと、めちゃめちゃ物語に関わる貴重な男性キャラで、こんなにもウマ娘たちと変わらない人気を誇る愛らしさ。それは沖野さん(沖野晃司さん)がトレーナーさんを演じていらっしゃるからこそ出せる魅力だなと思いました。あのなんとも言えないやれやれ感というか。おハナさんの気持ちがよくわかります(笑)。
――では、第13話以外のこともお聞きします。大西さんはインタビュー第9回で中盤の話数のことをお聞きしましたので、Machicoさんの中盤で印象的だったシーンやウマ娘を教えて下さい。
Machico:やっぱり、ライスシャワーとミホノブルボンのところは良かったですね。この話数は2人(石見舞菜香さんと長谷川育美さん)と一緒にアフレコしたんですが、なんとも言えない空気感で「ヒーローなんです」と言っているのを聞いて、格好いい!と思いました。ミホノブルボンはトレーナーさん(黒沼)からプレッシャーをかけられ、勝つことが当たり前という中でレースをやってきたウマ娘ですし、そんな彼女がライスシャワーにかけたセリフでしたからね。
サイボーグチックな雰囲気のあったミホノブルボンが見せた、人間らしさというか生き物らしさ。人の言うことを聞いているだけではなく、ちゃんと自分の意思で心配して声をかけたところがすごく印象深くて、2人の演技を生で見られて本当に良かったなと思います。
やっぱり、これまで自分たち以外のウマ娘の絆を見る機会があまりなかったので、それを見られたのは嬉しかったです。この2人もそうですし、メジロパーマーとダイタクヘリオスとか。こっちは常にウェイウェイ系、イエーイ!ズッ友!一心同体!みたいな感じでしたけど(笑)。
――第2期ではさまざまなライバル関係が描かれましたからね。大西さんは改めて全体を通しての印象はいかがですか?
大西:最初に第2期はテイオーとマックイーンが主軸の話ですと聞いた時に、どうなるんだろうと思いました。私はそんなに競馬に詳しいわけではないので、競馬ファンの皆さんのように「きっとここであのレースがあって、このレースが……」ってパッと想像できなかったですし。
でも、実際にはこんなにも挫折と復活を繰り返していくお話で。「挫折と復活」って言葉だけだと、単純に同じことを繰り返しているだけに見えてしまいますが、同じ挫折でも失っていくものが違っていたり、復活の中で得るもの、周りの対応やサポートの仕方が違っていたり。その違いをすごく素敵に見せているお話だなと思いました。13本全く飽きずに、それどころか何回も見たいと思うクオリティになっていますので、ぜひ繰り返し楽しんでいただきたいです。
――その中で、特に想い出深い話数を挙げるなら?
大西:やっぱり第12話です。一番気持ちをぶつけた回だったと思います。それまでは自分が前を歩いていく立場でしたが、それが逆転した時の余裕のなくなり方、現実を突きつけられた時の心の折れ方はずっと演じてきた自分も初めて見たなって。マックイーンは意外と泣くんだなと思いました。