TVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』後半クール直前!フェイ役・喜多村英梨さんインタビュー|人間サイドのヒロインはフェイと思えるほどの存在感!後半クールでは彼女の成長を見守っていて――
TVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』の地竜フェイを演じるのは喜多村英梨さん。前世は漆原美麗という少女で、主人公である蜘蛛子こと、「私」(CV:悠木碧)と同じく、魔物に転生した1人だ。今回はそんな役を演じる喜多村さんに今後、物語のキーを握ってきそうなキャラクターについて、たっぷりと語ってもらった。
オーディションのエピソードと悠木碧が演じる蜘蛛子の魅力
――TVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』は、すごく面白い作品ですね。
喜多村英梨さん(以下、喜多村):第1話の放送のとき、タイムラインを追って皆さんの反応を見ていたんですけど、あおちゃん(悠木碧)祭というのと、EDテーマ(「がんばれ!蜘蛛子さんのテーマ」)の破壊力の話題性、あと個人的には、「喜多村はまた人外か」というコメントもありましたね(笑)。フェイに起こる、後々の展開は楽しみにしていてほしいなとは思いますけど。
それと、堀江瞬くんが演じるシュンが、兄様が亡くなってから、病んで濁っている感じがしたので、あおちゃんとの明暗がすごいなと思いましたね。プロ・フィット勢の明暗というか、ブチ上げのあおちゃんと、ブチ下がりの堀江くんのコントラストが面白いなぁって。
――声優事務所視点での楽しみ方があるんですね(笑)。喜多村さんは、オーディションでこの作品を知ったんですね。
喜多村:そうですね。異世界転生モノが多くある中で、オーディションのお話をいただいたんですけど、数ある転生モノの中でも、タイトルにパンチがあるなと思いました。しかも蜘蛛か!と。それが転生モノの設定の面白さではあるけど、台本を開いて、こんなにも人ではないキャラの台詞が多い作品も珍しいな!と思いました(笑)。
――確かに。
喜多村:そのくらいモンスター(魔物)がたくさん出てくるけど、制作スタッフさんたちは虫とかモンスターとか魔物をたくさん描いて、心が折れたりしないかなと心配になったくらい、尖った作品だなと思っていました。
――魔物はCGでしたね。
喜多村:そうなんですよ。魔物の多さと、ヌルヌル動く蜘蛛子の足の感じ。なめらかで素早いみたいな感じは、CGの技術を駆使したものだなって感じています。
――オーディションの思い出はありますか?
喜多村:カティアとフィリメスを受けたあとに、何の説明も受けず「とりあえず竜の声を何パターンかください」と言われて。絵もないから大きさも分からないし、フェイとも知らされていなかったので、「ドラゴンというのはどのくらいの大きさなのでしょうか?」と聞いたら、「大きいのと小さいの、それぞれ自由にやってください」と(笑)。
――アバウトな(笑)。
喜多村:「じゃあ、とりあえず大きいのを今から何発かやってみます、そのあと小さいのをやりますね」と言ってやったんですけど、その際は特に強い手ごたえを感じたわけではなかったです。ところがブースを出たところで、板垣(伸)監督が「面白かったです」と声を掛けてくださって。どのキャラに対して言ってくれているのかな?と思いながらも挨拶をして帰ったんです。
結果、フェイ役に決まったと聞いて、大きいのも小さいのもやっておいて良かったぁって(笑)。キャラクターのデザインもいろいろなパターンがあって、おいしい役じゃんって思いました。
――作品は、蜘蛛子のテンションが魅力の作品だと思いますが、実際に映像を見てどんな印象がありますか?
喜多村:あおちゃんじゃないとできないキャラクターだなって感じました。蜘蛛子の持ち味は、ネットスラング、ヲタスラング的なものがふんだんに散りばめられた台詞だと思うんです。
役者さんであれば、この役ももちろんできると思うんですけど、現在進行系のヲタのサラブレットのあおちゃんがやるからこそ、その処理能力というか、台詞回しのニュアンスが出せるのではないかと思うんです。1話からの怒涛の1人語りで、長い台詞の中にあるヲタ用語を、聞き手に伝わるように処理できているのは、本場の人だからこそだなと、完成した映像を見たときに感じました(笑)。
――悠木さんだからこそ、あの物量でも伝わってくるのかもしれません。確かにスッと入ってきます。
喜多村:だから、一緒には録れてはいないですけど、スタジオですれ違ったときに「ギャラ、3人分もらっておいたほうがいいよ」と言いました。だって、台本の半分か2/3くらいあおちゃんなので。「酸素をとにかく吸ってね!」って話したのを覚えています。