春アニメ『86―エイティシックス―』シン役 千葉翔也×レーナ役 長谷川育美 対談|刺さるシーンや胸に残るものが多いアニメ、レーナやスピアヘッド戦隊の日常シーンにも注目!
安里アサト先生原作の人気小説『86―エイティシックス―』(KADOKAWA「電撃文庫」刊)がTVアニメ化され、2021年4月10日より放送スタート!
本作は2016年に第23回電撃小説大賞《大賞」》受賞、2018年には「このライトノベルがすごい!」の新作部門1位、文庫部門2位を受賞し、シリーズ累計100万部を突破した作品。完全自律無人戦闘機械により侵攻を開始したギアーデ帝国に、隣国のサンマグノリア共和国も無人戦闘機械で迎撃。しかしその無人機にはエイティシックスと呼ばれる少年少女たちが搭乗し、戦っていた……。
そんなアニメ『86―エイティシックス―』に主人公のシン役で出演する千葉翔也さんとレーナ役の長谷川育美さんに作品の魅力やアニメの見どころ、2人がパーソナリティを務めるWEBラジオ『第85.5区情報局』などについて語っていただきました!
原作はライトノベルの枠を超えた作品。1巻の冒頭1文から引き込まれる世界観
――原作小説やコミックスを読んで感じた作品の印象や魅力をお聞かせください。
シン役 千葉翔也さん(以下、千葉):小説の雰囲気がライトノベルの枠を超えていると思えるほど、作り込まれた文章で、しかも自分が疑問を感じたところが後々、伏線になっていたり、気が付くと共和国の景色の中にいるような感覚になったくらい、引き込まれました。設定もシリアスで、目を背けたくなるような部分も多いけど、そうした部分を作中に登場する人々がどう受け止めているのか、時には淡々と描かれたりしてリアルだなと思いました。
レーナ役 長谷川育美さん(以下、長谷川):今までこういうジャンルの作品を読んでこなかったんですけど、まずストーリー設定がすごくおもしろいなと思いました。小説1巻がレーナの回顧録の1文から始まったところから「何これ? どういうこと?」とすぐに引き付けられました。描かれるストーリーもとことん残酷だからこそ、「エイティシックス」と呼ばれるみんなの未来が見たくなって。絶対に救われてほしいと思いながら読み進めたくなりました。
千葉:コミックスもすごく魅力的なんですよね。キャラクターの顔を見ると「少年たちなんだな?」とかイメージしやすくて。小説と並行しながら読みました。
無人戦闘機は実は有人機だったなどシリアスな設定と重厚なドラマ
――無人戦闘機械を駆使して侵略を始めたギアーテ帝国に対抗するために、シンやレーナのいるサンマグノリア共和国も無人戦闘機械で立ち向かうけど、実は有人機だったという設定が斬新ですよね?
千葉:無人なんだと言い張っている人の言葉を信じているうちに、事実を知っても何も言えなくなってしまったという。他人事とは思えない怖さを感じました。
長谷川:人間の怖さを見たというか。
――そして人種差別などリアルな問題も描かれていて。
千葉:共和国はたまたま髪の毛などの色で差別しているけど、もしかしたら年齢や性別など、差別のきっかけは何でもなりうるわけで。結局は人間同士の疑念が生み出していたものなのかなと。
長谷川:みんなが置かれている状況がシリアスだから、ドラマも重厚で。会話の1つひとつが重いので、毎回の収録も緊張感があるんです。
千葉:「明日」と言っていても、無事に迎えることができるかなんて、誰にもわからないから。