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春アニメ『86―エイティシックス―』千葉翔也×長谷川育美 対談

春アニメ『86―エイティシックス―』シン役 千葉翔也×レーナ役 長谷川育美 対談|刺さるシーンや胸に残るものが多いアニメ、レーナやスピアヘッド戦隊の日常シーンにも注目!

長谷川さんの声とお芝居はレーナのイメージ通り。難しいシンを絶妙に演じる千葉さんはさすが

――お互いのキャラクターについての印象とお芝居についての感想をお聞かせください。

千葉:レーナには銀鈴の声という描写があって、そのきれいな声ゆえに僕らスピアヘッド戦隊も戦いを知らない箱入り娘という印象を持つんですけど、本当に思い描いていた通りの声と自分の中の正義を信じている話し方だったので、まさしくレーナだなと。

長谷川:嬉しい!

千葉:会話していても、シンが共感できる部分と刺さらない部分が明確にあるけど、レーナのお芝居もあざとくなく、ナチュラルなので、こちらも自然とリアクションがとれます。

長谷川:ありがとう。シンの印象は、つかみたくてもつかめない、みたいな人で。他のスピアヘッド戦隊のメンバーに比べると、レーナに対してしっかり対応してくれるし、一見優しく見えるので、レーナも最初は舞い上がったところがあります。

でもレーナに興味がないからそういう対応になるし、シンは自分自身についてもどこか希薄なので、レーナがどれだけ言葉を投げかけても、何も響いていないのが分かるのですが、毎回、シンを見ているとせつないような、もどかしいような気持ちにさせられます。

シンは口数も少ないし、感情もほとんど出さないけど、時折にじませる時があって。演じるのが難しいはずなのに、毎回絶妙に演じているので、「さすが素晴らしいな」と。

千葉:本当? よかった!

長谷川:しかもドラマCDなど自分の間でできるけど、アニメでは尺が決まっているので、そこにあてはめていく作業はめちゃめちゃ苦労しているんだろうなと思いながら見てました。

あとシンはいろいろな経験をしてきていて達観しているので、実年齢よりも大人びて見えていたけど、千葉さんの声がつくことで、年相応のあどけなさが出ていて。「この戦場にいるのは少年なんだ」というのがアニメになったことで、更に刺さるようになったなと思いました。

 

アフレコも作中のレーナとスピアヘッド戦隊の距離感のような収録方法!?

――収録時の印象的なエピソードを教えてください。

千葉:スピアヘッド戦隊のキャスト陣は大きめのブースで、レーナは隣の小さめのブースで同時に収録してます。

長谷川:まさに作品の中のレーナとシンたちみたいで、シチュエーション的にはピッタリ(笑)。

千葉:僕らの会話は聞こえている?

長谷川:聞こえてない。収録が終わった直後は繋がっているけど、すぐにサウンドモニターが切れちゃうから。だからセリフがない時も1人、イスに座ってじっとしているので、いつも孤独で(笑)。

千葉:あと藤原夏海さんが演じるセオがカッコよすぎて。セオがすごく感情的になるシーンを、僕と長谷川さんと他のキャストさんとでロビーで聞いていたとき、すごくその場が湧いていました。

長谷川:また噛んだときもカッコよかったよね。

千葉:すごい長ゼリフで、うまく言えなかった時に漏れてきた声までカッコよくて。

長谷川:「もう1回、お願いします!」って。

千葉:これがクレナ(CV:鈴代紗弓さん)のときなら「かわいい!」って。収録ブース外でもみんなでリアクションを取り合っています。


 

原作の安里アサト先生もリモートで毎回収録をチェック

――原作の安里アサト先生とお会いしたことは?

千葉:千葉:現場ではお会いしていませんが、毎回収録を(感染症対策としてアフレコ現場の人数を最低限にしているため)リモートでご覧になっていただいているそうです。

長谷川:一度、直接ごあいさつしたいんですけど。

千葉:でも小説のあとがきを読むとミステリアスな方だなと思ったので、このままミステリアスなままでもいいのかも。きっと温かくて優しい方なのはわかるんです。特番の時にいただいたコメントもユーモアがあるし。だけど作品がハードなので、ギャップを感じてしまいそうで。

長谷川:収録がもう少し落ち着いてからのほうがいいのかも?

千葉:「僕のシンはどうですか?」と直接お聞きしたい気持ちもあるけど、僕らもスタッフさんも予想がつかないところでこだわってくださっているみたいで。またメンバーによってはアドリブが多くて、原作ものではアドリブを入れるのは難しいんですけど、先生から太鼓判をいただけているのは信頼していただいているからかなと思っています。

 

予想を遥かに超えるカッコよさと泣かせるPV。映像を見て収録により気合が!?

――PV等で映像をご覧になった感想をお聞かせください。

千葉:最高ですね。予想を遥かに超えてくるカッコよさというか。レーナ側の人たちの髪の毛の色が一緒で、シン側の人は違う色でという部分も映像になったことで、より鮮明に見られて。アニメになった意義を実感できました。

長谷川:PVの段階から泣けるんです。原作を読んでいない方も気になるセリフばかりで、「アニメを見てみようかな?」と思っていただけたかなと。実際にそのセリフの数々をアニメを見て、回収していただけたらいいです。

千葉:あとメカバトルも無機質かつスピーディさがあって、3DCGの技術力の高さならではだなと。メカ同士の戦いなので表情が見えない分、カッコいいけど、怖さもあって。シンたちが乗るジャガーノートは派手さはないけどリアルさがあって、強さと危うさが凝縮されているなと思いました。

長谷川:戦闘シーン以外は2Dなのに、全然違和感がないのもすごいです。

千葉:スタッフさんのこのシーンはこう見せたいという熱意が感じられて。PVを見た後には、「もっと読み込んで演じなくては」と思いました。リハーサルビデオでは絵は完成していないけど、PVで映像を見たからイメージできるので、「あのメカが目の前にいるということはもっと焦らなくてはいけないな」とか、逆に「今はそれほどピンチではないな」とか。PVの映像のおかげで、演じる深みも出たと思うし、スマホでもモニターでも何度も見てしまうほど、お気に入りです。


 

(C)2020 安里アサト/KADOKAWA/Project-86
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