春アニメ『東京リベンジャーズ』花垣武道役・新 祐樹さん&佐野万次郎役・林 勇さんが語る、作品の斬新さと熱量のすさまじさ/インタビュー
武道は素直で流されやすいけど、仲間のために立ち向かえる男
――ご自身が演じられるキャラクターの印象とご自身との相違点、共感できる点をお聞かせください。まず武道についてお願いします。
新:武道に共感できる部分が多いですね。彼は素直で信念があるけど、流されやすい部分もあって、僕もすぐに他の人を受け入れてしまうので似ているかなと思います。また何事も仲間のために行動していて、逃げ続けてきた自分を変えたいと思った理由も仲間を救うためで、どんなに怖くて逃げだしたくなるような状況でも立ち向かっていけるところは素晴らしいなと思います。
――26歳の武道はフリーターで、どうしようもない生活を送っていたけど、中学時代の武道を見ると、人がよくて、不器用なゆえにそうなってしまったのかなと。
新:26歳になるまでのルートは描かれていませんが、純粋だからこそ調子づいて生きてきて、気が付いたら年齢を重ねてきてしまったんでしょうね。でも、自分を変えようと思えたのは元々持っていたもので、きっかけがなかったとか、周りに恵まれなかっただけなのかもしれないなと思いました。
マイキーはケンカ無敗で子供っぽさも。新さんいわく「無邪気なところは勇さんと同じ」
――次はマイキーについてお聞かせください。
林:共通点は子供っぽさかな。僕はもういい大人だけど、いまだにピーターパン症候群みたいなところもあるし、成長しきれていないので。
新:僕も、勇さんの無邪気さはマイキーと似ている気がします。
林:それとケンカ無敗のところ。といっても、僕はケンカしたことがないので無敗なんですけど(笑)。あとマイキーは自分ですべて抱えてしまいがちで、相棒のドラケン(龍宮寺 堅)に甘えることもあるけど、根っこの闇の部分は人にさらせないんですよね。人に弱みを見せられることも強さだと思うんですが、彼にはそれが欠落していて。僕も弱みを人には言いたくなくて、自分の中で消化してしまうことが多いので、ある意味、プライドの高さも共通点かもしれません。
――誰もが恐れる「東京卍會」の総長だけど、強くて怖いだけではなく、武道を気に入って「タケミっち」と呼んだり、フランクさもあって。そこがまだ底知れなさにつながっているような。
林:先天的にケンカが強くて、誰でも一発で倒せてしまうけど、道を外さず、まっとうな不良の道を突き進めているのはドラケンがストッパーになってくれている部分が大きいと、回を追うごとに痛感します。
武道は序盤はクズのままに!? 現代の武道の年齢と同じで演じやすさも
――武道を演じる時に意識されたことを教えてください。
新:1話から3話のあたりでは、「武道は逃げ続けてきた26歳のままなので、クズのままでいてください」というディレクションをいただきました。また武道と自分は似ていると思っていたので、余計なことを考えず、ありのままの自分で演じようと。タイムリープした世界は、昔過ごした時間ではあるけど、起きることすべてに新鮮な驚きがあるだろうし、変に委縮するのではなく、楽しめてしまうのも武道なのかなと思いながら演じました。
――26歳の記憶を持ったまま、中学生の武道を演じることは難しいのでは?
新:僕は先日、27歳になったんですけど、1話収録の時はまだ26歳だったので、そんな僕が中学生の武道を演じるのはまさに作品の状況と一緒かなと。そしてやっていくうちに環境に順応していくし、怖い人は怖い人のままで。武道は中学時代の同級生や年上を気にしているシーンが多いんですけど、素直さゆえに中学生になった時は気持ちも自然とそうなれているんじゃないかなと思うし、26歳になっても大人になり切れていないからなのかなと。
林:周りのおかげもあるよね。
新:そうですね。周りが普通に接してくれるなかで、それにのっかっていけばいいし。それでも「モノローグの中は26歳で」というディレクションをいただいたり、日向に「大人の顔だね」と言われた時には年下の好きな子を見るような意識で演じました。
林:武道っていいよね。他のキャラクターは強面が多いけど、武道はお調子者でヘタレ感があるからとっつきやすいし、みんなからイジられて。自然と武道の周りに人が集まってくるような。ある意味、人たらしなのかもしれないね。
新:溝中5人衆でたむろしていた頃はそうじゃなかったと思うんですよね。バカで調子ずいていたけど、痛い目にあって、腐っていって。
林:人って、ちょっとの勇気だけで、すごく変わったりするからね。そこはこの作品に教えられた気がする。