劇場版『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編Paladin; Agateram』川澄綾子さんインタビュー|獅子王は、アルトリアからもっとも遠いキャラクター
2021年5月15日より全国ロードショーとなる映画『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編Paladin; Agateram』。大人気スマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』(以下、FGO)のメインストーリーの中でも人気の高い、第1部第六章「神聖円卓領域キャメロット」を劇場アニメ化した、2020年12月に公開された前編『Wandering; Agateram』の続編にあたる作品です。
その劇場公開も間近に迫る中、今回は獅子王、フォウ役を務める川澄綾子さんを直撃。アルトリアと獅子王の違い、あの人気キャラクターが実装された時など、ゲームでの『FGO』の思い出を含め、様々なことを語っていただいたインタビューの模様をお届けしていきます。
第六・七章の熱量は、『FGO』の中でも特別
ーー収録を終えての心境を教えて下さい。
川澄綾子さん(以下、川澄):後編の収録はすごく印象深くて、このエピソードを演じられて良かったと改めて思えました。とくに後編のラスト付近のシーンはカタルシスを感じました。ベディヴィエールが獅子王の元にたどり着くという言葉で表すとシンプルな物語を、本当に丁寧に描いていただけていたので、自分が旅をしたわけでもないのに安堵感みたいなものがあって。ベディヴィエールに対しても「よく頑張ったね」と労ってあげたい感情が湧いてきましたね。
ーー原作アプリゲームも含めると素晴らしい物語を2度経験することができたということでもあり、すごく贅沢な体験だなと。
川澄:原作アプリゲームだと、ゲームシステム上エピソードが細かく区切られていたりもするのもあって、私としては受ける印象が結構違いましたね。劇場版はベディヴィエールの物語として、「こういう風に作りたい」という意図がしっかりと伝わってくるようになっていたので。
ーー最初に、第六章が劇場アニメ化されるという話を聞いた時はいかがでしたか?
川澄:いつか映像化したいというお話は4、5年くらい前にアニメ『Fate/Grand Order -First Order-』を収録した頃にお伺いしているのですが、その時、確かに映像で観てみたいなと思いました。そしてファンの皆さんの支持を頂き七章・六章がそれぞれTV・劇場アニメという形になったのも、各章のテイストにあっているなとも感じました。
ーー後編の収録には、奈須きのこ先生も来られたとお聞きました。
川澄:[HF]やバビロニアの時もそうでしたが、奈須さんは収録に立ち会ってくださるんです。今回の場合は、最初はリモートという予定だったのが、やはり直接の方がいいということで足を運んでくださって、直接お話をさせていただきました。
FGOに出てくるランサーのアルトリアと獅子王というのは別の存在であるので、獅子王を演じたのは、ラストバトルの女神ロンゴミニアド(獅子王)の音声だけだったんですね。その時にも奈須さんがディレクションをして下さっていたのですが、奈須さんご自身が女神ロンゴミニアドというキャラクターを大切にされていて、私にとっても演技の方向性など新しい挑戦といった感じもあったので、とても印象に残る収録になりました。でもその時は宝具やバトルモーションの音声しか収録をしていなかったので、今回の劇場版が初めて獅子王としての演技をする機会になることもあって、奈須さんや監督とお話ししながら、色々な方向性を試して、劇場版での獅子王のキャラクターを一から作っていきました。
ーー奈須先生とのディレクションなどを通して、新しく気づいたこともありましたか?
川澄:ベディヴィエールと対峙するシーンと、アグラウェインと対峙するシーンがあるのですが、その二人への獅子王の接し方の差がとても繊細でとても重要であったと思います。同じ円卓の騎士なのですが、それぞれへの気持ちは違うという部分を奈須さんに丁寧に説明していただけたのは、獅子王というキャラクターを理解する上でとても役立ちましたし、アルトリアとの違いなど気づくことが多かったです。