声優
茅原実里15周年ライブのBD発売記念インタビュー

茅原実里さんがリリース順に全シングルを熱唱した15周年ライブのBD『15th Anniversary Minori Chihara Birthday Live ~Everybody Jump!!~』発売記念インタビュー! 毎年恒例の河口湖ステラシアターでの野外ライブファイナルは8月7、8日に開催!

声優アーティストとして17年目に突入した茅原実里さんの15周年ライブの模様を収録したBD『15th Anniversary Minori Chihara Birthday Live ~Everybody Jump!!~』が6月2日にリリース!

本公演は2019年11月18日、茅原さんの誕生日にZepp Tokyoにて行われたライブで、ランティスでの音楽活動のスタートである「純白サンクチュアリィ」から「エイミー」までの全26枚のシングル曲をリリース順に披露。

更に15周年記念ソング「We are stars!」も初公開。茅原さんの熱唱と激しいパフォーマンスは声優アーティストとして一線で活躍してきた魅力とパワーを感じられ、多くのタイアップ曲はそれぞれ胸に刺さるものばかり。

そしてライブハウスならではの熱気は今の状況下では懐かしくもあり、あの空間を取り戻したいと思わせる内容になっています。

8月7、8日には河口湖ステラシアターで野外ライブのファイナルが決定! 過去12年間数々の感動を刻んできた会場で、茅原さんのパフォーマンスを目に焼き付けつつ、最高の夏を過ごしましょう!

 

 

あっという間だった15年。充実した音楽活動ができたのは多くの出会いと支えのおかげ。

――2019年にデビュー15周年を迎えましたが、その時の心境をお聞かせ下さい。

茅原実里さん(以下、茅原):10周年を武道館で盛大にお祝いしましたが、あっという間に次のアニバーサリーがやってきたなと(笑)。デビューした頃は、こんなに長く仕事を続けられるなんて想像もしていなかったので、声優として歌手として15年間もお仕事を続けてこられたことが感慨深かったです。

――路上で歌っていたこともあったのに、ソロで武道館や横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナでの単独公演も成功させてきました。

茅原:高校時代から歌手になりたいという夢があって、養成所に入ったことがきっかけでお芝居と出会いました。アニメのオーディションに合格して2004年に声優としてデビューした後、同じ年に歌手としてもデビューさせていただいて。でも音楽活動をうまく軌道に乗せることができなくて、くすぶっていた時に路上ライブをしていました。

振り返ればあの頃は思い通りにいかないことだらけだったけど、チャレンジ精神にあふれていました。自分の向かうべき場所がはっきりしていたから、紆余曲折あったけどすべてを楽しみながら乗り越えていくことができたし、そういう時代があったからこそ、今年で17年目を迎えることができたと思っています。

――2007年にランティスで歌手活動を再開されるわけですが、女性の声優アーティストとして栗林みな実さんや新谷良子さんと共にけん引してきた存在だと思います。

茅原:私がランティスさんで活動を始めた頃はまだ女性の声優さんでアーティスト活動をしている方もそこまで多くなかったような気がします。私の転機になったのは、TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』でランティスの音楽プロデューサーの斎藤 滋さんと出会えたことです。茅原実里の音楽性は斎藤さんが築いてくれたものだし、クリエイターのみなさんや出会うミュージシャンにもとても恵まれていました。バックバンドのメンバーには、右も左もわからない頃から優しく育ててもらいました。宇宙一素敵なファンのみんなに支えられながら、本当に充実した音楽活動をさせていただいたと感謝しています。

――ここまでのアーティスト活動の中で印象深い出来事を挙げるとすれば?

茅原:たくさんありますが、自分の中で大きかったのは2009年に河口湖ステラシアターで、ずっと憧れていた野外ライブをさせていただいたことです。そしてそれが毎年の恒例行事になったことでより特別なライブ、より特別な場所になっていきました。8月になると河口湖にみんなで集まってライブを楽しんで一緒に花火を見て夏休みを満喫するんです。河口湖町のみなさんとの交流も含めて10年以上かけて築き上げられてきた絆があるので、私にとっては第二の故郷であり聖地と言える場所です。

年間の音楽活動の計画を立てる時も軸にあるのがこのサマーライブなんです。毎年帰れる場所があるということはとてもありがたいし、私の励みになっていました。

――ステラシアターでのライブが終わった直後に翌年の宿を予約する人が多いという話も。

茅原:宿だけではなく、飲食店もすぐに予約でいっぱいになるそうです(笑)。みんなが地元の方たちと仲良くされていて、私が知らないところでたくさんのご縁が生まれて大切に育まれていて…。そんなお話をラジオのメールやファンレターで教えてもらうたびに私も幸せな気持ちでいっぱいになるんです。ここまで継続してこれたのはファンのみんなや地元の皆さんの協力があったからです。一緒に作ってきた長い歴史には本当に感謝の気持ちしかありません。

――12年も続けてきたとなると会場でのライブ回数はトップでは?

茅原:他にも公演数が多いアーティストさんもいるそうですが、トップ3には入っているかもしれません。そう考えると純粋に、みんなと一緒にここまで積み重ねてきた時間に感動しちゃいます。あと印象に残っているのは茅原チームの夢だった、初めての武道館公演(2010年)ですね。まさかこんなに早く実現できるなんて信じられなかったです。私を応援してくれるみんなの強い気持ちが武道館に導いてくれたと思っています。

そして2度目の武道館はデビュー10周年記念のライブ。自分の誕生日に開催させていただいたんです。集客の心配もあったし「平日だからどうしよう?」っていう葛藤はあったけど、誕生日当日に武道館でライブできる機会なんてなかなかないし、この日に会場が空いていたことも運命だと思いました。あんなにたくさんのファンのみんなに誕生日と10周年をダブルでお祝いしてもらえて、私は宇宙一の幸せものだなって思いました(笑)。

――個人的には2010年のツアー『Sing All Love』の初日の会場の三郷市文化会館で、本番前の通しリハーサルを見て取材することになって。受付でおなじみの旗を渡されて、「振って応援してください」と言われたことを覚えています(笑)。

茅原:懐かしい〜!あの時はめちゃめちゃ緊張しましたよ! 客席には数列スタッフさんとプレスの皆さんしかいない状態だったので、不思議な感覚でした(笑)。

 

 
 

モチベーションを保つのが難しかった2020年。無観客ながら野外ライブができてよかった。

――2020年は、5月開催予定だったオーケストラコンサートが2度の延期を経て、今年の9月開催に。ステラシアターでの『SUMMER CHAMPION』が無観客配信になるなど、影響が大きな年になりましたが、どう思われ、音楽活動に臨まれたのでしょうか?

茅原:活動と呼べる活動もほぼできなかったし気持ち的にはものすごく難しかったです。ほとんどのお仕事がストップして、打ち合わせだったりラジオやコメントの収録もリモートになって、一人で家にいる時間をどう過ごせば良いのか分からなくなって参っていました。自分の「モチベーションをどう保てばいいんだろう?」って。「やれることをやろう!」ってポジティブに考えるよりも、「どうしたらいいんだろう…」っていう不安や迷いのほうがどんどん大きくなって、とても苦しかったですね。アイディアが何も思い浮かばなかったし、自分の存在意義が分からなくもなりました。

その中でも河口湖ステラシアターでのライブができたことは大きかったです。例年通りみんなに会場に来てもらうことができなくて寂しかったけど、「来年もこの場所で会おうね!」ってみんなとした約束も守れたし、モニター越しにはなるけど、みんなに歌を届けられたこと、気持ちを伝えられたことは、あの時の私にとっては大きな大きな救いでした。

プロデューサーをはじめ、チームのスタッフや、受け入れてくださった河口湖町の皆さん、ファンのみんなからの応援、本当にたくさんの人のご尽力のおかげで開催することができたので言葉にできないほど感謝しています。私にとっては立たせてもらったステージだったし、あのライブは絶対に忘れません。それから11月にはファンクラブの配信ライブイベントがありました。現実的に何かをしようとしても配信にせざるを得ない状況っていうのは悲しかったし、1年を通して、みんなに会えなかったのは本当に辛かったです。世の中も大きく変わってしまったような気がしたし、これからの自分の生き方を見つめ直すきっかけにもなった1年でした。

――2019年11月18日にZepp Tokyoで開催された記念すべき15周年ライブの映像が約1年半後にリリースされることになりました。今の心境をお聞かせ下さい。

茅原:素直に嬉しいです! リリースを心待ちにしてくれていたファンのみんなには「お待たせしました〜!」 っていう気持ちでいっぱいです!音楽活動の節目になる大切なライブをこうしてひとつの作品としてパッケージに残すことができるっていうのはすごくありがたいことだなって思うので…。家で過ごす時間の中に、このライブも仲間に加えてもらえたら嬉しいです!ベストアルバム的なプログラムでアニソンもたっぷり詰まっているので、茅原実里の歴史を感じつつ、ぜひ、エネルギーチャージしてもらえたらなって。

 

 

――ライブハウスということで、皆さんとの距離の近さも感じられて。

茅原:ライブハウスっていいですよね。みんなの表情もよく見えるし、あの一体感や距離の近さはホールやアリーナと違った良さがあって。ライブハウスの中でしか生まれないものって絶対ありますよね。ライブからまだ1年半くらいしか経っていないけど、客席はみんなの笑顔で埋め尽くされていて「ウォー!ウォー!」って大きな声で大合唱したり、掛け合いしていたことが夢みたいで…。懐かしいですね。

――リリース順でのセットリストになりましたが、ライブのコンセプトや演出等で意識されたことは?

茅原:「アニバーサリーに相応しいスペシャルなプログラムにしたかったので、現時点までリリースされているシングル曲をすべてリリース順に唄っていくのはどうでしょう?って提案しました。プロデューサーはすんなり「OK」を出してくれて。その後の打ち合わせでMVを全曲背負うアイディアが出たりして。15周年という節目のライブなので、写真のアルバムをめくるようにファンのみんなにもこれまでの思い出を振り返りながら茅原実里の音楽を楽しんでもらえたらいいなって思っていました。

――シングル曲はどれも熱量が高いのに、それを26曲続けるなんて、かなりのチャレンジですよ!

茅原:ジェットコースターみたいなセットリストになってしまいましたね。私も「なんて無茶な提案をしたんだろう?」ってリハーサルがはじまってから後悔しました(笑)。限りあるリハーサルの中で、最後までまともに唄いきれた日は1回もなくて、「本番、本当に大丈夫かなぁ…?」って本気で心配でした。

――しかも初MCは激しい5曲を歌った後。その次は8曲ぶっ通しで。

茅原:曲数が多かったので、時間との戦いでもあって。極力MCは少なめに進行させなくちゃいけなくて。でも正直私だけじゃなくて、CMB(バンドメンバー)の体力も心配でしたよね(笑)。もちろん絶大な信頼を置いているんですけど、それくらいハードでした。それにしても、本当にアニソンは強いなぁ…って実感しましたね。楽曲とのガチンコバトルみたいでしたよね(笑)。

――MCも減らし、ムダな部分を削ぎ落しても、30曲歌って余裕の3時間越えでした。

茅原:とにかく喉がもつか最後まで不安でした。終盤の『みちしるべ』や『エイミー』は、しっかりと気持ちを込めた歌声で届けたいなって思っていたんですけど、ペース配分を計算できるような簡単なプログラムではなかったので、とにかくどうなっても自分の気持ちだけは途切れないように最後まで伝えよう!っていう強い気合いで臨みました。無事に唄いきることができて本当にホッとしました〜。

 

 

 

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