春アニメ『フルーツバスケット』The Final 本田 透役・石見舞菜香さん|透くんがくれた経験や気持ちは大きな財産【声優インタビュー第21回】
2021年4月より、テレビ東京・テレビ愛知・テレビ大阪ほかで放送中のTVアニメ『フルーツバスケット』The Final。
本作は2019年4月より新スタッフ&キャストにより全編アニメ化となったTVアニメ『フルーツバスケット』の最終章となっており、ついに“十二支の呪い”を軸に繰り広げられてきた物語が結末を迎えます。
アニメイトタイムズでは最終回に向けて、キャスト21名のメールインタビューを毎日連載でお届け! 最後となる第21回目は、常に優しい心で受け入れる本作の主人公、本田透役の石見舞菜香さんです。
※一部ネタバレを含みますので、予めご了承ください。
心に染みた物語最後のセリフ
——The Finalで心を鷲掴みにされたシーンやセリフ、好きなシーンなどがあれば教えてください。
石見舞菜香さん(以下、石見):透くんのシーンでも、他のキャラクターのシーンでも、沢山ありすぎて、あげるのが難しいです……。
透くんがいるシーンだと、6話の透くん自身の閉じ込めていた本心を口にするシーンや、9話の、慊人さんに語りかけるシーン、夾くんへの想いのモノローグ、12話の、夾くんが未来を語ってくれて、それについて行きたいと言うシーン……心がじーんと、ぎゅーっとなったシーンが、セリフが多すぎました(笑)。
『フルーツバスケット』の物語の最後の、「一緒に、手をつないで うれしいことや、かなしいことをくり返して……そうやって……歳を重ねていくんだよ」というセリフは、締め括りとして、とても心に染みてきて好きです。
——これまでのシーズンとは違い収録形式にも変化があったと思いますが、アフレコ現場の様子はいかがでしたか? ディレクションや印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
石見:最後だからこそ、皆さんと同じ空気感を感じながら演じたいと思っていたので、バラバラでの収録はとにかく寂しく、心細かったです。
これまでのseason以上に、Finalでの透くんは激しく心が動くので、透くんの気持ちを自分の中に落とし込むのが、毎話とても苦しくて、難しくて、必死すぎて、実はほとんど覚えていないんです(笑)。
自分の力では届かなかったところを、監督やスタッフさんがしてくださるディレクションに助けていただいて、何度も何度も挑戦させて頂いたシーンが多かったと思います。
セリフには書いていない透くんの感じていることを自分なりに想像して、台本のセリフの近くに書いてみたり、とにかく必死に食らいつきました。ブースの中に1人の時は、収録後に涙が止まらないこともありました。
——本作のクライマックスともいえる草摩慊人と対峙するシーンについて、石見さん自身どのような気持ちで挑まれたのでしょうか? また、収録で気をつけたことや意識したことなどがあれば教えてください。
石見:透くんの気持ちのまま言えるように、意識が自分に帰ってこない様に、とにかく集中しました。
今まで分からなかった慊人さんを、ようやく捉えることが出来て、ただただ寂しくて強がりな女の子なんだと気づいて、とにかく、抱きしめるような気持ちで言葉を伝えました。
透くんも慊人さんも同じで、自分が、周りが変わってしまうことが怖かった。慊人さんを特別な人じゃなく、隣に立つ人として、言葉を掛けました。
実はこのシーンは、坂本真綾さんと一緒に収録ができなかったのですが、慊人さんの声を頭の中で想像して、聴いて、実感しながら、演じました。
この話数のセリフは、ここのシーン以外でも、音響監督の明田川さんから、ボールドを気にしなくていい、と言って頂き、私の感じるペースでセリフを言うことが出来ました。
……結果、12カットくらい大幅にセリフが零れてしまい、それでもそのテイクでOKを頂いて、心のままにやらせて頂けた環境が本当に有難かったなぁと思います。