声優
内田彩「Pale Blue」インタビュー「私が音楽活動をやってるから生まれているつながり」

内田彩さん「Pale Blue」インタビュー|青春時代やファンへの熱い気持ちが溢れ出す「私が音楽活動をやってるから生まれているつながり」

マグカップと細かい演出と

ーーありがとうございます。では、今回のMVについても聞かせてください。

内田:このような社会状況のなかでどう魅せるかを考えてコンパクトに撮影し、面白い仕上がりになったと思います。

ーー大きなマグカップに入ってましたね。

内田:あのマグカップがあるだけで世界観ができあがりましたね。『やくも』のエンディングテーマですし、作品とリンクした象徴があって嬉しかったです。

ーー実際、タイアップの楽曲だとしてもMVと作品って必ずしもリンクしていないじゃないですか。今回はモチーフがあったりと近いなって感じがありました。

内田:完全にリンクさせて撮影しよう!って訳でもなかったのですが、色んなところで共通点があって。「Pale Blue」は青春がテーマの曲ですけど青春って「青」が入ってるじゃないですか。

青春を「Pale Blue」って表現するhisakuniさん素敵だなあって思ってたら、なんと真土泥右衛門もですね……うっすらペールブルー(笑)

ーー確かに(笑)。

内田:たまたま「Pale Blue」のレコーディングの直前に、真土泥右衛門の次回予告収録があったんです。結構時期がバラついちゃうことも多いので、今回同じ日に撮れたのはすごいことですよね。

ーー運命的な感じありますね。

内田:「実は、今回のエンディングテーマには真土泥右衛門が出てくる」ってそこで教えてもらって。

ーー実際にエンディングを見ると、真土泥右衛門メインでしたね。

内田:もし、レコーディングする時に多治見市の風景が流れるって聞いてたら少しアプローチが変わってたと思うんです。映像が可愛いんだったらこういった雰囲気でもいいかな?とか、イメージが湧きやすかったですね。

MVの打ち合わせでも、アニメのエンディングは真土泥右衛門がろくろで回るんですってお話したら、じゃあMVでは内田さんが回ってみようか?って話になったり。

ーー確かに!

内田:見る人が見たら気づいていただけるリンクって面白いですよね。

MVではスタッフさんが作ってくださった真土泥右衛門“みたいな”小物も登場するんです。くるくる回ってるシーンがあるのでぜひ、そこにも注目していただきたいですね。

ーー今回は遊び心も満載なんですね。

内田:真土泥右衛門というキャラクター自体は神様みたいな長老みたいな立場ですが、MVでは私がその小物たちをくっつけたり離したり、見守っているシーンが出てくるんです。

MVとアニメのエンディングで立場が逆転しているような感じも楽しい仕上がりになっています。

運命のカップリング曲

ーー「Pale Blue」のMVのお話ありがとうございました。では、カップリングについてもお聴きしたいです。公式ホームページもずっと「タイトル未定」でしたけど(5月下旬時点)、蓋を開けてみたらとんでもない曲を持ってきましたね。

内田:「Destiny」ですね。読者の方はもう聴いていただけましたか?ここは聴いてから読んでもらいたいなぁ。

ーーあはは(笑)。

内田:「Destiny」は私が2019年にリリースした「Sign」のアンサーソングです。

企画のスタートは「アンサーソングというものをやってみませんか?」という提案にはじまって、最初はアンサーソングってなんだ〜?と。実際は「Sign」のあの子はどうなったのか?という“続き”の楽曲になっています。

今回のシングルってすごく久しぶりじゃないですか。

ーーシングルとしては1年3ヶ月ぶりですね。

内田:ライブも中止になっちゃったり、悲しいことが沢山あってからの久しぶりのシングルなので、みんなに驚きを届けたいって思った背景もありますね。

ーー「Sign」について改めて内田さんの解釈をお聞きしてもいいですか?

内田:「Sign」はアニメ『五等分の花嫁』のエンディングテーマです。ヒロインが5人と主人公がいて、誰と結ばれるんだ?っていうのがアニメの展開の要でしたよね。

1話ごとにエンディングを見た時に、今日は誰々ちゃんのお話だったから誰々ちゃんの目線で、聞いてもらえたら良いなあと思いながら歌いました。

原作も読ませていただいて、お互いに不安になったりだとか、5人の中でホントは私も好きなんだけど、この子に譲ったりみたいなのがすごく切なくて……。

「Sign」はそんな一人ひとりの気持ちになりながら歌ったので、その“続き”ということは誰かが選ばれて、誰かが結ばれた曲になるじゃないですか。

なので、「Destiny」は単体で聞いたら幸せな曲なんですけど、「Sign」があることで、でもやっぱり切ないなあ……って。

ーーたしかにメチャクチャ切ないです。

内田:運命の糸で結ばれるという、どこかちょっと願いのようなものが強かった「Sign」から、「Destiny」で結ばれる。でもそれはおとぎ話のような歌じゃなくて、「2人で積み重ねてきたものだよね」って感じがして。

入りが、「Never changing Ever changing」ですから。常に2人でその時その時変わり続けて一緒にいようねって。そうしないと一緒にいれないんだみたいな。

ーー恋愛だけに限らずですけど、人間関係ってそういうところありますよね。

内田:お互いに少しずつ変化しあって、認めあって重ね合っていく。それが運命になる。そんなメッセージが詰まってる楽曲なんだなって思いますね。

ーー特に内田さんがここ聞いて欲しいというパートはどこでしょう?

内田:(少し考えて)やっぱ落ちサビですかね。

「運命の意味も変わってく 神様が選んだからじゃなく 積み上げた瞬間を 運命と呼ぼう」

「Sign」から「Destiny」になってすごくいい意味で大人に成長した感じがします。

理由のない運命という言葉を信じてすがるのではなく、私の、私たちの積み上げてきたものを運命としていきましょう。これがアンサーと言うか、そこにたどり着けたって感じがして。素敵な大人になったんだなぁと。

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