「お仕事もの」「サスペンス」「恋愛もの」……さまざまなジャンルの要素を内包した、今一番押さえておきたい漫画『【推しの子】』のあらすじや魅力を紹介!【ネタバレあり】
第5巻~第8巻(第40話~第80話)のあらすじ【詳細なネタバレあり】
アクアの“感情演技”
「劇団ララライ」のワークショップに参加してからアイに変化があった、と鏑木Pから聞いたアクア。劇団に近づくため、人気漫画『東京ブレイド』の2.5次元舞台に出演することになります。鏑木Pがキャスティングに関わっていることもあり、あかね、かな、メルトといった、アクアと顔なじみの面々も出演が決定します。
稽古は順調に進んでいきますが、脚本サイドで問題が発生。キャラの性格が変更されていると感じた原作者が激昂し、脚本がすべて白紙になってしまったのです。アクアたちの助力もあり、なんとか折り合いを付け、新たな脚本が完成するのですが……その内容は、説明台詞が大幅に削られ、役者が動きで表現するシーンが多くなった“キラーパス脚本”。感情を強く表に出す演技を求められたアクアは、大事な人が倒れるシーンで、アイの死を思い出し、パニックに陥ってしまいます。
アクアの事情を知る五反田監督から話を聞いたあかねは、以前自身が立てた仮説と合わせ、アクアがアイの隠し子なのではないか、と勘づきます。探りを入れるあかねに対し、アクアは(自分がアイの隠し子であることは明言せずに)復讐のために役者になったことを告白。あかねは決してアクアの思いを否定することなく、彼の支えになろうと心に誓うのでした。
瞬く間に時間は過ぎていき、いよいよ公演がスタート。『今日あま』で自身の未熟さを知ったメルトの成長、子役時代からお互いを意識し合っていたあかねとかなによる本気のぶつかり合いなど、役者たちの渾身の演技が舞台上で輝きを放ちます。それを受け、アイの死と再び向き合ったアクアも負けじと迫真の感情演技を披露。舞台初日を見事、大盛況で終えるのでした。
突如訪れた、復讐の終わり
連日公演が続く中、アクアはある日、主演俳優・姫川大輝に「自分と父親が同じ」だと告げます。復讐のため、遺伝子検査を続けていたアクアは、自分と姫川が異母兄弟であることを知ったのです。
ようやく復讐相手の所在が明らかになると思いきや、姫川の口から衝撃の事実が。なんと、姫川の父である俳優・上原清十郎は、何年も前に夫婦で心中しているというのです。復讐相手がもうこの世にいない、というあまりにもあっけない幕引きに呆然とするアクア。徐々に実感が湧いた彼は、憑き物が落ちたような、すがすがしい表情を浮かべるのでした。
新たに輝きだす黒星
ルビーたち新生「B小町」の楽曲MVの撮影と、アクアたちの舞台の慰安旅行を兼ね、一行は宮崎県へ行くことに。そこは、ゴローとさりながいた病院がある、つまりはアクアとルビーにとっての生まれ故郷でもある地でした。
出発前、アクアはあかねに、復讐の顛末を語ります。自分が探していた男がすでに死んでいたと、どこかホっとしたような表情で語るアクア。一方、あかねは、アクアが無意識に目を逸らしている“別の可能性”があることに気付き、彼が再び復讐にとらわれないよう(その可能性に気付かないよう)願うのでした。
各々が複雑な思いを抱える中、MV撮影がスタート。1日目の夜に事件が起こります。偶然、病院の近くの岩屋を通りかかったルビーとあかねが、白骨死体を発見してしまうのです。それはなんと、10年以上見つかっていなかった、ゴローの死体なのでした。
大好きだったゴローの死にショックを受けるルビー。そこへただ者ではない雰囲気をまとった小さな女の子が現れ、ゴローの死の間際(アイの出産間際)に病院に不審な人物がいたことを告げるのです。それを受け、かつてのアクアのように、すべてのできごとのつながりが見えたルビー。アイとゴローを殺した“犯人”への復讐心を、その目に黒々とほとばしらせるのでした。