「お仕事もの」「サスペンス」「恋愛もの」……さまざまなジャンルの要素を内包した、今一番押さえておきたい漫画『【推しの子】』のあらすじや魅力を紹介!【ネタバレあり】
第9巻~第10巻(第81話~第98話)のあらすじ【詳細なネタバレあり】
ルビーの変貌
MV撮影から半年が経ち、B小町、あかね、アクアはそれぞれ順調に活躍の幅を広げていきます。ある日、アクアがレギュラー出演しているネットTVのバラエティ番組に、ルビーが自ら企画書を持ち込み出演。以前とは違う妹の行動に驚くアクアですが、それもそのはず、ルビーは、苺プロの元社長・斉藤壱護に、芸能界で成りあがるための方法を聞いていたのです。その目的はもちろん、自身の大切な人を奪った犯人を探し出すため――。
ルビーが双子キャラで売り出しに成功していく中、バラエティ番組が、コスプレ特集の取材中に炎上。取材を受けたコスプレイヤーが、リスペクトに欠けたスタッフたちの行動をリークしたのです。
放送は取り下げ、担当ディレクターも降板に……と思いきや、ルビーは炎上で注目を集めているこの状況を利用。起死回生の企画を用意し、見事、事態を沈静化させます。しかし、以前のような純粋さはなく、売れるために“嘘”をつき、人を利用するようになったルビーの姿に、アクアは困惑を隠せないのでした。
致命的な誤り
ルビーの躍進の裏に、壱護がいることを突き止めたアクアは彼と再会。ルビー同様、復讐に燃える壱護に、「アイを殺した男はもうこの世に居ない」と告げるアクアでしたが……壱護はアクアの言葉を笑い飛ばし、一蹴。時系列の矛盾や、“托卵”=母親が夫とは別の男と子供を作った可能性などを指摘します。
復讐が何一つ終わっていないことを知り、アクアは激しく狼狽。雨が降りしきる中、失意に暮れるのでした。
あかねが“真犯人”にたどり着く
日本映画賞の新人俳優賞を受賞するなど、躍進を続けるあかね。ある日、ララライのOBである、屈指の演技派俳優「カミキヒカル」の存在を知り、何の気なしに過去の映像を見て、愕然とします。カミキがアクアにあまりにも似ていたからです。持ち前の分析・考察能力を活かし、その後も調査を続ける中で、あかねはカミキが“真犯人”であると確信。しかし同時に、事件当時のカミキは未成年のため、実刑にならないことも判明します。
アクアに真実を伝えず、ひとりでカミキと“話し合い”をしようとするあかね。そこにアクアが現れ、ずっとGPSを付けていた(あかねが真犯人を突き止めると思い、利用していた)ことを明かします。あくまでも“自分一人”で復讐を遂げようとするアクアと、恋人として、その復讐心さえも共有してほしかったあかね。ふたりの意見は平行線をたどり、ついには決別してしまいます。
人並みの幸せを手放し、決して後戻りできない復讐の道を進むことにしたアクア。その双眸には、これまで以上に燦然と輝く、黒い星が浮かんでいるのでした。